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縦横にジョイントした特注大型サイズ 壁一面の本棚 奥行350mm / Shelf

滋賀県にある「株式会社 人機一体」様の新社屋の打ち合わせ室に本棚を採用いただきました。
その企業理念に「あまねく世界からフィジカルな苦役を無用とする。」を掲げ、先端ロボット工学技術に基づく新規事業開発を支援する知的財産活用サービスを展開されています。新社屋の打ち合わせ室の大きな壁に、4台の本棚を縦横にジョイントした特注大型サイズの本棚が設置されました。

琵琶湖からほど近い新社屋は「秘密基地人機一体」という名称です。打ち合わせ室の天井高は2,900mmあり、両脇を柱に挟まれた壁面は水平方向に3,300mm広がっています。この壁面を目一杯使って本棚にしたい、というご希望がありました。
マルゲリータの本棚の縦横のサイズにおける最大値は、木材の規格をフルに活用した2,400mmです。したがって壁面をご希望の通りに本棚で埋めるには、数個のユニットを組み合わせて壁面に収めていく必要がありました。そこで、スペースに合わせて特注で製作した4台の本棚を縦横にジョイントすることで広い空間を埋めることにしました。

水平方向へのジョイントについてはこれまでにも対応事例が数多くあり、横に広がるスペースに本棚を並べて、隣り合わせた縦板をビスで結合させて幅を拡げていきます。結合部は縦板が2枚重なって2倍の厚みに見える形に仕上がります。ブレース材を全体の四隅に設置して本棚全体の水平方向への剛性を確保します。
本件では、左側に、基本形である「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」縦7コマ×横5コマを、その右側には、縦1列分をカットした縦7コマ×横5コマを設置して、並べた2台の結合部を10本のボルトで止めました。これで、壁面水平方向への3,300mmのほぼ全てを覆い尽くすことができました。

横に2台並べた本棚の上端から天井までの500mmを覆うために、特製の本棚を2つ製作しました。左側は縦2コマ×横5コマ、右側は縦2コマ×横4コマの本棚で、棚板の間隔は全て基本形と同じです。これらを垂直方向にジョイントさせるためにH型のアルミ型材を採用し、下の本棚の縦板の先端にH型のアルミ型材を装着、その上に特製の本棚の縦板を載せて単板同志をジョイントさせることにしました。2台の本棚の結合部の2枚重ねの部分には、2枚分の幅をカバーするH型のアルミ型材を用いて上下をそのまま受けています。
下の棚板の先端にアルミ型材を両面テープで固定し、H型材をガイドにして上部の2台の本棚を載せ、上部の左右の棚の結合部をビスで固定しました。これで、床から天井まで全てを覆う、縦9コマ×横9コマの特別サイズの本棚が完成しました。

マルゲリータの本棚は厚さ15mmの縦板と横板に切れ込みを入れて、相互に嵌合させて組み立てられています。棚板は短いスパンで相互に固定されているので荷重に強く、この奥行350mmの本棚の場合、1コマあたりの耐荷重は約30kgあり、本を満載にしても棚板にはほとんど「たわみ」が生じることはありません。ブレース材で水平方向への剛性が確保されていて背板をつける必要がなく、奥行き全体を収納のために活用することができます。
本件では、本棚と背後の壁面とは、転倒防止用のL字型の金具で固定されています。また、天井との間には隙間がほとんどないため、万が一、前のめりの方向へ倒れる力が働いたとしても、棚板が天井にかかって転倒を防止します。1コマのサイズは幅325×奥行350×高さ325mmあり、A4サイズのコンテンツはもちろん、A4よりも少し大きめの美術書や大型雑誌などの収納にも適しています。この大容量の本棚に、専門書から小説やコミックまでロボットに関する夥しい数の書籍が納められています。
書籍の背表紙を棚板の際に揃えて収納しているために本棚の表面が広い面状になっていて、書籍の背表紙による水平の帯状9層のラインが現れています。この帯状の塊は縦板の短いスパンで等間隔に区切られて、安定感が生まれて、本棚の両脇の柱と黒いパンチカーペットが全体の縁取りになって、この大きな光景を引き締めています。大量のコンテンツを収納した壁面は、横溢するエネルギーを内包しつつ棚板のグリッドラインによって鎮静化して、打ち合わせ室の背景にふさわしい彩りを放っています。

左端の列の上から3段目には、人間を幸せにするロボットの代表である「子守用ネコ型ロボット」のぬいぐるみが置かれています。右から2列目の上から5段目には「量産型の有人操縦式モビルスーツ」のフィギュアが飾られています。最新のロボット工学に基づいて二足歩行人型重機を開発して社会実装するという社業を象徴するオブジェクトとして、本棚の中で特別な位置を確保しているように見えます。
これらのぬいぐるみやフィギュアは、二次元の世界で生まれたキャラクターが読者の情熱を受けて三次元の形状を獲得するに至った存在だともいえます。本棚のセルの中にディスプレイされたオブジェクトは、周囲を取り巻く三次元の立方体空間によって生命を吹き込まれているかのようです。ここは背景や照明用の光源などもないごくシンプルな空間ですが、あたかも磁場のような求心力が発生する特別なディスプレイ空間が出来上がっています。

以下は、ご購入に際して弊社が作成した製作・設置検討図面です。


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