群馬県伊勢崎市にある（株）日本デント様の技工所と社員食堂に「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」および「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を導入していただきました。
前回に続き社員食堂における本棚のご紹介です。
（→ 前回の記事はこちら）
新しくできた社員食堂の大きな壁面に「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」縦7コマ×横5コマを3台並べてお使いいただいています。床から2,400mmの高さに立ち上がった背の高い本棚ですが、天井までは届いていません。そこで背後の壁の縦材の先端の位置に桟木をを水平方向に通し、そこに本棚の上端部を固定することにより前方向への倒れ止めにしています。桟木は本棚の上に見える周り縁と呼応したデザインのようにも見え、非常にエレガントな転倒防止処置です。光が入る室内の白い大きな壁面に、明るい色の大きな本棚が立ち上がり、歯科技工所の社員食堂に清潔で明るい印象の景観を作り上げています。
マルゲリータの本棚は、縦板と横板に切り込みを入れてそれぞれを嵌合させることで形成されています。4隅にブレース材が入って水平方向への剛性を確保しているため背板を入れる必要がなく、背後の壁面が棚板を通して見える構造になっています。本棚の棚板と背後の白い壁とが作り出す光の柔らかい反射とそれによって作り出される陰の濃淡によって、外観に心地よい軽みと抜け感が現れます。本件の奥行き250mmの本棚は、奥の壁まで光がよく届くことから全体に障子の桟のような明るさが含まれて、大型の家具であるにもかかわらず圧迫感の少ない軽快な表情を見せています。また、背板がないので壁面にあるコンセントを塞がずその機能を活かしています。棚の背面には巾木加工が施されていて、背後の壁にぴたりと沿わせて設置されています。
奥行き250mmの本棚のセルは、ビジネスシーンで最も一般的に使われているA4規格の製品を収納するのに最適なサイズです。ファイルや書類フォルダだけでなく、A4判やB5判の雑誌、ビジネス書や文芸書によく見られる四六判やA5判の書籍などの収納にも適しています。棚板は短いスパンで嵌合されているため上からの力に強く、大型の辞書や大量の雑誌、立派な装丁の文学全集など重量のあるコンテンツをたっぷり収納した状態でも棚板にたわみが生じることはほとんどありません。
3台の本棚の上から2段目と下から2段目の両端のセルにはいずれもブレース材が置かれています。ブレース材は本棚の水平方向への剛性を確保するための重要なパーツですが、マルゲリータの本棚の外観を特徴づけるアイコンとしてのパーツでもあります。本件では同じデザインの本棚が3台並ぶことでブレース材による斜線の入ったセルが隣り合い、その結果としてグラフィカルなパターンが現れています。棚板の見付が描く細いラインによる等間隔のグリッドが並ぶ壁面にブレース材による個性的な表情が添えられて、装飾的な窓枠のような、あるいは幾何学模様のタペストリーがかけられているかのような効果がもたらされています。
マルゲリータの本棚は棚板が固定されているため、棚板の見付のラインは常に等間隔のグリッド線を描きます。本棚が視界に入る際に、全体にかかるグリッド線が優先して認識されるため、本棚に収められた様々なコンテンツが色彩や形状において全くバラバラなモノであったとしても、その上にグリッド線が均質に被さると、視界に入るノイズが鎮静化されます。その結果、本棚全体としての印象は整然としたものに感じられるのです。本件では、中央部の下から4段目までの15個のセルに専門誌のバックナンバーがずらりと並べられている様子が目を惹きます。雑誌の背表紙は、色調や文字やロゴマークの配置などのデザインが揃っているために、大量に並べられた状態では細かいストライプの描かれた色面として見えてきます。この色面が均質なグリッド線に区切られ、それが整然と並んでいるために、コンテンツのボリューム感の上に心地よいリズム感も生まれています。スタッフが昼食をとり休息しリラックスする場である社員食堂で、本棚が作り上げる景色はこんな快適な味付けも加えています。テーブルクロスの上にかけられた透明な塩ビマットに映り込んだ本棚の鏡像も、楽しい食事時間を演出しています。
数多くの書籍が並んだこの一角は開架式の図書館のようになっています。本棚に収められた書籍は、辞書、専門書、何種類もの専門誌の大量のバックナンバー、ビジネス書など、仕事に役立つ蔵書の数々です。本棚からは、業務に関する基本的な情報を共有し、最新の業界の動きや幅広い専門知識を身につけて、仕事に前向きに取り組んでいこうという意識が伝わってきます。
もう少し仔細に見てみると、ここには仕事に直接関係するような書籍だけでなく、美術年鑑、昭和文学全集、ベストセラー小説や児童文学までもが並んでいます。この職場には、読書を通じたコミュニケーションや教養を尊重する風土もまた存在していることが、本棚から伝わってきます。本棚の左側には、演台と音響設備のラックも設置されています。節目節目にこの場に集合して、朝礼や決起大会や勉強会などが開催されることもありそうです。幅広い知識と旺盛な知的好奇心とが満載された大きな本棚がスピーチする人の背後に見えている、そんな豊かさが感じられる社員食堂です。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井やまで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。