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天井を表しにしたおしゃれなオフィスリノベーション 壁一面の本棚 奥行350mm / Shelf

打放しのワイルドな空間に | 壁一面の本棚 奥行350mm/Shelf(No.92)

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品川区にある設計事務所、エー・スリー・デザイン(株)様その事務所移転に伴うオフィスリノベーションの一環としてそこの資料棚に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を採用いただきました。1階の一室を駆体そのまま顕しにしたワイルドな空間に置かれています。照明の効果も相まって力強い静かな空間になっています。

天井を表しにする

天井を外すことは、単なる意匠上の選択ではありません。天井高、設備計画、照明、空調、音環境、コスト、メンテナンスなど、複数の要素に関わる判断です。ここでは、オフィスリノベーションにおいて天井を表しにする場合の利点と注意点を整理します。

まず大きな利点は、天井高を確保できることです。既存の天井材を撤去することで、天井裏に隠れていた躯体面まで空間が広がり、室内の高さを有効に使うことができます。床面積が同じであっても、天井が高くなることで視覚的な広がりが生まれ、オフィス全体に開放感を持たせることができます。また、躯体のコンクリート面や梁、ダクト、配管などをそのまま見せることで、通常のオフィスとは異なる空間性をつくることができます。仕上げを整えすぎないことで、素材の表情や構造が見える状態となり、執務空間にラフで実用的な印象が加わります。特にクリエイティブ系のオフィスでは、このような表しの天井が、自由度の高い働き方や企業の姿勢を示す要素として機能します。

一方で、天井を表しにする場合には、音の反響や空調効率、照明計画、既存設備の見え方などについても検討が必要です。天井材が持っていた吸音性や設備隠蔽の役割がなくなるため、見せる部分と整える部分の判断が重要になります。天井を表しにすることは、天井を高くするだけではなく、既存の建物が持つ構造や設備を空間の一部として取り込む設計手法です。適切に計画することで、開放感と機能性を備えた、オフィスらしい緊張感のある空間をつくることができます。

打放しのワイルドな空間に | 壁一面の本棚

室内の容積が増えるため、冷暖房効率が低下する可能性があります。どの程度影響が出るかは、天井高の変化や空調設備の能力、室内の広さによって異なりますが、計画段階で確認しておくべき要素です。また、天井材が持っていた吸音性や設備を隠す役割がなくなるため、音の反響、照明計画、空調設備や配管の見え方についても検討が必要になります。躯体や設備をそのまま見せる場合でも、すべてを露出させるのではなく、見せる部分と整理する部分を明確に分けることが重要です。さらに、建築基準法や消防法など、法規上の確認が必要になる場合もあります。たとえば、天井を撤去することで梁が露出し、その梁が一定以上の高さで下がっている場合、防煙区画の扱いに影響が出る可能性があります。これにより、排煙計画の見直しが必要になる場合があります。

また、大規模な建築物でスプリンクラー設備が設置されている場合には、天井の撤去によって警戒範囲が変わり、スプリンクラーの向きの変更や増設などの対応が必要になることがあります。建物の規模が大きいほど、こうした設備面・法規面での調整が発生する可能性は高くなります。一方で、小規模なビルや比較的単純な設備構成の空間では、これらの影響が限定的な場合もあります。重要なのは、天井を表しにすることを意匠上の判断だけで進めるのではなく、空調、音、照明、消防設備、排煙計画などを含めて総合的に確認することです。

打放しのワイルドな空間に | 壁一面の本棚

こうした条件を整理したうえで計画された表しの天井は、一般的なオフィスでは得にくい開放感と空間の力を生み出します。既存の躯体や設備を空間の一部として取り込み、素材や構造をそのまま見せることで、執務空間に明確な個性が生まれます。デメリットを把握し、必要な対応を行ったうえで成立した空間には、通常の仕上げ天井では得られない魅力があります。

打放しのワイルドな空間に | 壁一面の本棚
打放しのワイルドな空間に | 壁一面の本棚
打放しのワイルドな空間に | 壁一面の本棚
打放しのワイルドな空間に | 壁一面の本棚

構造躯体としてのコンクリート

ここでいう構造躯体とは、天井仕上げを撤去した際に現れるコンクリートの躯体面を指します。一般的に「コンクリート打ち放し」と呼ばれる仕上げと近い印象を持つ部分もありますが、その成り立ちは異なります。通常、意匠として見せることを前提としたコンクリート打ち放しでは、型枠の仕様、ホームタイと呼ばれる緊結金物の配置、コンクリート打設時の管理などに配慮がなされます。仕上げ面として成立させることを前提に、見え方まで含めて計画されている点が特徴です。

一方で、天井裏に隠れていたコンクリート躯体は、もともと見せることを前提として施工されたものではありません。構造体として必要な寸法や性能を満たすことが主な目的であり、表面の見え方については基本的に考慮されていません。設備配管や配線も、天井仕上げによって隠れることを前提に施工されており、施工時の墨出しの跡などが残っている場合もあります。このような躯体面は、意匠として整えられたコンクリート打ち放しとは異なり、施工の痕跡や素材の粗さがそのまま現れます。いわば、機能を満たすために作られた状態が、後から空間の表面として見えてくるものです。そこには、過度な仕上げや装飾とは異なる質感があります。人為的に整えられた仕上げ面ではなく、建物の構造として存在していた状態をそのまま見せることで、空間に素地としての力が生まれます。

本件では、そうした構造躯体としてのコンクリートのあり方を積極的に取り込んでいます。仕上げとして整えられた打ち放しではなく、既存建物が持つ躯体の状態を空間の一部として活かすことで、リノベーションならではの緊張感と素材感を持つオフィス空間が形成されています。

打放しのワイルドな空間に | 壁一面の本棚

天井を露わにしたオフィスデザインを計画するうえで重要になるのは、既存の構造躯体をどのように受け止めるかという点です。天井裏に隠れていたコンクリート面や設備は、もともと見せることを前提に施工されたものではありません。そのため、天井を撤去した後にどのような状態が現れるかは、実際に開けてみなければ分からない部分があります。一方で、天井を外した結果、隠されていた躯体や設備まわりが丁寧に納められていることが分かる場合もあります。通常は表に出ない部分にまで施工の精度が保たれていることが確認できると、その建物がどのように作られてきたかを読み取ることができます。反対に、見せるには調整が必要な箇所が現れることもあり、その判断と対応もリノベーションにおける重要な工程になります。

天井を露わにすることは、単に仕上げを取り払って空間を高くすることではありません。既存建物が持つ構造、施工の痕跡、設備の配置を確認し、それらを空間の一部として取り込めるかどうかを判断する設計行為です。

本件では、天井を撤去することで現れたコンクリート躯体を、過度に整えすぎることなく空間に取り込んでいます。構造体としてのコンクリートの表情と、そこに配置された家具や本棚が共存することで、既存建物の質感を活かしたオフィス空間が形成されています。


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