東京都内の築100年近い古民家にお住まいのお客様。この住まいは、建築当初の構えを保ちながら、現在も生活の場として使われています。その玄関の三和土(たたき)に、「Cavalletto シューズラック」と「Cavalletto アンブレララック」を設置いただきました。


三和土は、靴を脱ぎ履きするための土間であり、屋外と屋内を区切る役割も担う場所です。加えて、上がり框と呼ばれる段差がある構成が一般的で、そこに腰をかけて靴を扱う動作が自然に生まれる点に、かつての住まい方の特徴が表れています。現代の住宅ではこのような段差を持つ玄関は少なくなっており、空間構成自体が変化していることが分かります。
そうした古い構成をもつ空間に、靴や傘の置き場としての基本的な機能を備えた道具を導入することで、現代の生活様式に必要な要素を無理なく取り入れています。生活用品として求められる機能を満たしながら、特定の時代やスタイルに依存しない構造や寸法であることにより、築年数の異なる住宅にも導入が可能となっています。
生活に必要な道具を、時間的背景の異なる空間にそのまま適用したときに特別な調整を要さないという点は、プロダクトにとって重要な性質のひとつと言えます。
壁に立て掛けるシューズラック
天然木の集成材で構成された木製フレームに、帯状のスチールプレートを階段状に組み込んだシューズラックです。壁に立てかけて使用する形式となっています。
スチールプレートの端部で靴底を支える構造のため、接地面が小さく、泥や水分がたまりにくい点が特長です。最上段のプレートは壁面に接するように設けられており、その手前にもう一枚プレートを少し奥まった位置に配置することで、靴を安定して置くことができる構成になっています。






壁に立て掛けるアンブレララック
壁に立てかけて使用する形式のアンブレララックです。傘同士の接触を避け、先端が床に触れないよう吊り下げて保持する構造を採用しています。
一般的な長傘に加え、折り畳み傘もそのまま掛けられるよう設計されており、使用後に一時的に置いておく玄関用の傘収納として機能します。傘を分散して吊るすことで、雨水が乾きやすくなるという利点もあります。
かつての学校などで見られた雨具掛けの構造を、木製フレーム内に再構成したもので、家庭用はもちろん、小規模なオフィスにも対応可能なハイタイプと、限られたスペースでも扱いやすいロータイプの2種類を用意しています。





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