Tavola座卓
江戸時代、日本の家庭内には明確な階級制度が存在し、現代のように家族がひとつの食卓を囲んで食事をする習慣はありませんでした。食事はそれぞれ個人用の「膳」と呼ばれる小さな台を床に直接置き、その膳を各自が囲むようにして個別にとっていました。このような背景もあり、座卓の起源は江戸時代にまで遡りますが、当時は食卓としてではなく、読経や学習などの目的で使われる家具として位置付けられていました。
現在では椅子に座ってダイニングテーブルを囲むスタイルが主流となっていますが、この習慣は日本においては比較的新しく、近代になって欧米の影響を受けて取り入れられたものです。実際には、座卓は江戸時代から脈々と続く伝統的な家具の一つであり、食事よりも読書や学問、宗教的な儀式のために使用されてきました。
明治時代に入り、西洋文化が徐々に日本社会に浸透すると、座卓は形を変えて日常生活に取り込まれ、現代でよく知られるような「ちゃぶ台」として認知されるようになりました。そして、家族が一つの座卓を囲んで食事をするというスタイルが本格的に普及したのはさらに時代が下り、昭和の初期以降、特に昭和30年代から40年代にかけてです。この頃の日本の家庭風景では、座卓を囲んで一家が団らんを楽しむ光景が当たり前になり、アニメやドラマ、映画などでも頻繁に描かれるようになりました
日本人はもともと椅子に座るよりも床に直接座るという伝統的な生活様式に慣れ親しんできました。そのため、家族が座卓を囲んで過ごす生活スタイルは日本人の暮らしに自然な形で定着しました。現在ではほとんど見られなくなりましたが、確かに存在する様式です。座卓が置かれた茶の間は、家族の団らんの場であるだけでなく、来客を迎え入れる応接の場、さらに礼儀作法を学ぶための大切な空間でもありました。その中で使われてきた木製のお盆は、畳の上に直接置いて使用される、いわば「器」のような役割を持つ道具でした。料理やお茶などを運び、畳の上に直接置く際にも失礼がないようにするために使われており、それが日本における礼儀正しい配膳方法の基本であったと言われています。
本プロダクトは、このような日本の伝統的な生活様式と礼儀作法を踏まえながら、現代の住宅事情やライフスタイルにも溶け込むよう作られています。単に座卓という家具を提供するのではなく、日本特有の家族のつながりやおもてなしの心を大切にし、現代の暮らしに新たな価値をもたらす事を目的としています。
Tavola座卓 木製脚幅2400 × 奥行900 mm

8人がゆったり囲める、大きな水平面
幅2400mmの座卓は、最大8人が囲める伸びやかなサイズです。6人で使えばさらに余裕が生まれ、食事や団らんの動作にも無理がありません。広い水平面が確保されることで、人数が増えた場面でも密集感が生じにくく、大人数の集まりに適したスケールを持っています。
幅2400×奥行900mm
Tavola座卓 木製脚幅1800 × 奥行900 mm

和室のモデュールに沿う、6人掛け座卓
幅1800mmは、6人で囲むのにちょうどよい寸法です。畳一畳と同じモデュールで構成されているため、和室空間との相性がよく、配置した際に空間のスケールと自然に調和します。家族や友人がゆったりと座れる、扱いやすい標準サイズの座卓です。
幅1800×奥行900mm
Tavola座卓 木製脚幅1500 × 奥行900 mm

4人で向き合える、現代の卓袱台サイズ
幅1500mmは、4人家族が無理なく囲める座卓サイズです。従来の卓袱台が円形や正方形であるのに対し、この長方形の1500mmサイズは“少し広めの卓袱台”として使え、日常的な食事にも、ちょっとした作業にも適した寸法です。コンパクトな空間にも収まりやすいのが特徴です。
幅1500×奥行900mm

座卓
江戸時代は家庭内にも階級制度があり、家族全員が同じ食卓を囲む習慣はありませんでした。 食事は「膳」という台を一人ずつ床の上に置いていました。一方座卓の歴史はその江戸時代までさかのぼります。 しかし当時はこの様に家族で座卓を囲んで食事をするのではなく専ら勉学の時に使われていました。
現在では椅子に座ってダイニングテーブルで食事をとるのが一般的ですがそれはごく最近の話です。当時は食事用というわけではなく、お経を読む際に使ったり、勉額の際に使われてました。時が流れ、明治時代に入ると、現代のいわゆる「卓袱台」が使われるようになります。そして座卓が本格的に食事用として普及したのは明治の更にあと、昭和の時代に入ってからです。
家族で座卓を囲んで食事を取るスタイルは、昭和30~40年ごろ、日本の食事風景に登場します。その時代を舞台とするアニメやドラマでもよく見るシーンです。もともと日本人の生活スタイルは椅子よりも床に直接座るというものでしたので、座卓を囲んでの家族団欒は今でも普通に受け入れられています。

床に座る生活
床に座る生活は、椅子やソファに座る形とは異なる日本の伝統的な姿勢で生活することです。床に座ることにはいくつかのメリットがあります。
床に座る姿勢は、背中と腰に対する負担を軽減することができます。床面に直接座ることで、自然な姿勢を保ちながら、自然と背筋は伸びます。
また床に座ることによって、身体の柔軟性が向上し、バランス感覚を養うことができます。座りながら、ストレッチやヨガのポーズを取ることができるため、身体をより健康的に保つことができます。少々誇張された表現ですが地面に座りながら、自己と向き合い、心の平穏を見つけることができるかもしれません。
Tavola「座卓 木製脚」の特徴
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木製脚のデザイン
この座卓は、板状の脚同士をX・Y・Zの三方向に立体的に嵌合させることで、全体の剛性を確保しています。天板は4本の線材で構成されたフレームにより支持され、さらにその天板を含めた全体の構成が、一つの安定した“塊”として成立するよう設計されています。この構造により、万が一ぐらつきが生じた場合でも、緩んだ箇所のボルトや円盤部を締め直すだけで、再び安定した状態へ戻すことができます。構造がシンプルでありながら、長く使い続けられるメンテナンス性も備えた座卓です。
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天板の反り防止金物
天板には、奥行方向に生じやすい反りを抑制するための反り防止金物を設置しています。この金物は、天板裏で応力を受け止める“引張部材”として機能し、天板の面剛性を高める役割を果たします。また、脚板を固定するための金具としても兼用されており、天板と脚部を一体化させる構造要素として働きます。反り防止と脚部固定を一つの部材に集約することで、構造を簡潔に保ちながら必要な剛性を確保しています。
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床への傷つき・がたつき防止
脚の底面にはフェルトクッションが付属しています。脚部底面に貼付することで、床面に生じているわずかな不陸を吸収し、支持点の安定性を高める役割を果たします。また、脚部と床面の直接接触を避けることで、床材への摩耗や傷つきを抑制し、仕上げ面を長期的に保護します。家具と床の双方にとって、安心して使用できる接地環境を整えるための部材です。

無垢集成材を使ったテーブルトップ
集成材は、小さな木材を寄せ集め、一枚の天板や構造材として再構成した木質材料です。原材料となる木を細かく切り出した「挽き板」を十分に乾燥させ、木目の方向をそろえて接着剤で貼り合わせることで形成されます。さらに、挽き板同士の継ぎ目には「フィンガージョイント」と呼ばれる強固な接合法が用いられており、仕上がった材は非常に高い強度と耐久性を備えています。
このような製造過程により、集成材は長期間使用しても反りや割れが生じにくく、表面の傷や変形も少ないのが特徴です。また、挽き板には木そのものの風合いが残されているため、天然木のような豊かな木目や手触りを保ちながら、美しい表面をつくり出します。自然な温かみと質感が空間にやわらかな雰囲気を与え、家具としての存在感を高めます。
無垢材と比べた際の大きなメリットは、品質が安定し、価格も抑えられることです。一本の木から切り出される無垢材は、水分量のばらつきによって反り・割れが生じやすい一方で、集成材は乾燥工程が徹底されているため、使用中の形状変化が少なく、隙間やひび割れも発生しにくい素材となっています。さらに、集成材はリサイクルや再利用が可能で、環境負荷の低い持続可能な素材としても評価されています。傷や擦れが生じた場合でも、研磨や再塗装といった比較的簡易なメンテナンスによって、再びきれいな状態に戻すことができます。集成材は、強度・美しさ・安定性・メンテナンス性・環境性を兼ね備えた、現代の家具づくりに適した素材と言えます。
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デザイン
座卓は庶民の間で江戸時代から使われていたこともあり重厚で木口面や脚の形状が装飾的な要素を取り入れたものが一般的です。
ここではそもそもの「床に座る」という行為、と「大きなテーブル面」を成立させる最小限の要素で構成しながら単純な形状に収束させ、全体をミニマルなデザインに昇華させようと試みています。重厚さ、装飾性とは結果真逆の方向性に向かっています。 -

サイズが選べる
座卓は、ワイド寸法2400、1800、1500mmを基準にして作られてます。また製作可能範囲内に於いてオーダーサイズで加工することも可能です。
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テーブルトップの色が選べる
ホワイト
木目の質感をわずかに残しながら全体の明度を高めた仕上げです。光をよく受け、空間に連続性と軽さをもたらします。木製天板としては新鮮な印象の色味です。
ブラウン
こげ茶に近い落ち着いたトーンで、空間の重心を安定させる色味です。天板を引き締めつつ、床材や建具のダークトーンと調和しやすい、汎用性の高い仕上げです。
クリアー
ラバーウッド本来の色調を活かした自然な仕上げです。わずかに暖色を含み、室内光と馴染みやすく、素材感をそのまま空間に取り込める柔らかなトーンです。 -

ガラス塗料(オプション)
ガラス塗料は、木材表層に非晶質セラミックス膜を生成する仕上げ材であり、基材への密着性が高く、硬質性と柔軟性を併せ持つ点に特徴があります。このセラミックス膜は、紫外線や摩耗に対して高い抵抗性を示し、木材が持つ本来的な弱点—表面の劣化・変色・吸水による寸法変動—を抑制します。素材そのものの風合いを残しながら、表層に必要な“建築的な保護層”を後付けするイメージに近く、屋内使用においても外装材に求められるような長期的な耐候性が与えられます。ガラス塗料の使用により、テーブルトップは使用環境に対して安定した性能を保持し、傷や汚れ、光暴露に対しても高い耐性を示すため、家具としての寿命を延ばすだけでなく、空間素材としての質感を長期にわたって維持することができます。










