都内に新しくオープンした法律事務所。室内に足を踏み入れるとまず感じられるのは、一般的な法律事務所に抱かれる「堅く重厚で型ぐるしい」というイメージとの大きな隔たりです。ここでは大胆でありながら繊細なデザインが展開され、一見すると法律事務所であることを忘れてしまうような独自の空気が漂っています。その非日常的な空間の一面を彩るのが、「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」をフルサイズで2台並べた圧倒的な壁面収納です
本棚には2つのカスタマイズが施されています。下段2列を奥行350mmとし、他よりも前に出すことで必然的に生まれた10cmほどの小さなカウンターは、書類や筆記具を一時的に置く場として有効に作用します。また、中央部には2コマ分を大きく拡げた開口部を設けました。壁一面を埋め尽くす本棚に視覚的な余白を差し込み、法律事務所特有の「本に囲まれた重苦しさ」を和らげ、どこか寛いだ空気を漂わせています。
床面は白を基調とした3色のタイルカーペットがランダムに敷かれ、整然さよりも混沌を強調。さらに天井際にはフェイクグリーンが梁を覆うように巡り、室内を一周して最大の壁面を緑で満たしています。唯一このグリーンが施されていないのが本棚の壁面であり、そのため「緑の部屋の中に凛と立つ本棚」という印象を強く与えます。さらに向かいの壁にはアーティストに依頼して描かれた大きな壁画があり、法律事務所とは思えないほど自由で創造的な空間を形作っています。
法律事務所を訪れる人々の多くは、不安や緊張を抱えて扉を開けます。その心理に対して、このオフィスの空間は「堅さ」ではなく「安心感」で応えています。緑に包まれた柔らかさや壁画の自由さは心を解きほぐし、その中で本棚が示す端正な秩序は「この場所は信頼できる」という確かな印象を与えます。
大量の書籍を理路整然と収めた本棚は、単なる収納具ではなく、この場の精神的支柱としての存在感を放っています。自由で型破りなデザインの中に凛と構える本棚があることで、訪れた人は安心して心情を語ることができ、相談の場としての信頼性が自然と醸成されていきます。意外性と安心感、その両方を兼ね備えた空間づくりが、この法律事務所の大きな特徴となっています。
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A4サイズファイルの収納に。
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