都内のマンションにお住いのお客様です。リビングと、その手前にある可動間仕切りで仕切られた個室に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」、「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を複数台設置いただきました。
個室内の本棚は窓を挟んで2台が並び、可動間仕切りを開け放すと、リビング側に置かれたもう1台の本棚と合わせて、3台の本棚が雁行するように距離を置いて並びます。書棚には美術・建築・写真などの書籍が数多く収められています。どの書籍も装丁が美しく整えられている一方で、背表紙の高さや厚みはそれぞれ異なり、統一して見せることは容易ではありません。
しかし、その一見カオスにも見える書籍群に、均質なグリッドを纏わせるように整然と構成された本棚が秩序を与え、互いに距離を置いて佇むことで静謐な空気を生み出しています。
本棚を雁行して配置することで、視覚的なリズムと奥行きが生まれます。直線的に並べるよりも、前後にわずかなずれを持たせることで視線の流れに変化が生じ、空間全体に動きとリズム感をもたらします。光の当たり方も微妙に変化し、それぞれの棚に異なる陰影が落ちることで、立体感のある印象が強調されます。
また、平行配置に比べて通路や中間的なスペースが自然に生まれるため、動線や空間の用途を柔軟に分節することができます。この構成の仕方により、区切りすぎずに“緩やかに場を分ける”ことが可能となり、リビングと個室の双方が独立しながらも、ひとつながりの空間として機能しています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。美術全集、画集など大型本の収納に。
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。ファッション誌など大きめの雑誌や
A4サイズファイルの収納に。
その他の事例を見る
