音楽教室の楽譜棚
横浜市緑区長津田でバイオリン教室をされている北見なつ江さんの教室で楽譜棚として「Piano A3書類棚」をお使いいただきました。
音楽家にとって楽譜は常に整理されていて同時にいつでも目的のものが取り出される様になっていなければなりません。また楽譜は譜面台に載せて開くことが前提なので装丁が固いと開きにくいため比較的柔らかな素材がその装丁には使われています。本としての厚みは交響曲やオペラなどのオーケストラが入る様なスコアを除くと薄いものが多く、すなわち背表紙が認識出来ないような薄い本としての楽譜が殆どです。楽譜は平置き積み重ねが前提となります。とは言えそれを全部積み重ねていたのでは必要なものも取り出しにくく整理ということにはとうていなりません。
もう一点、基本的に洋楽は欧州が発祥なのでその楽譜もヨーロッパで出版されたものも多いです。すなわち本としての規格サイズがまるでバラバラ、楽譜を系統的に本棚に仕舞うように整理するのは基本的に不可能とまで言われていました。
ここでお使いいただいている楽譜棚「Piano A3書類棚」は文字通りA3の書類を整理するための棚です。オフィスユースを前提としています。そのオフィスユースの書類棚を楽譜棚として新しい用途を与えていただいた事例のご紹介です。
A3書類棚を楽譜棚として使う
北見さんは幼少の頃からヴァイオリンに親しみ、現在はお嬢さんとともに子供から大人まで幅広い層にヴァイオリンを教えていらっしゃいます。その練習室に楽譜棚としてA3書類棚があります。先日、北見さんのお宅に伺ってその楽譜棚としてのいろんなお話を伺ってあらためてここにその主な点を書かせていただきます。
- 楽譜のサイズは基本はA4サイズ。しかし海外のものとかそれを越えるサイズもたまにある。そういう意味ではA4で限定してしまうと入らないものが多い。
- 楽譜は使用する際には見開きで使うためその場合はA3サイズになる。しかもコピーをとる場合は必然的にA3となるため、A3の紙が収納できるサイズが必要である。
- 自立するほど厚い製本は殆どないため楽譜を収納する譜面棚は「平置き」が基本である。
- その「平置き」とした場合の積載高さは3-4cm程度が目安である。
- 平置きでA4を並べて置ける。少し大きめのサイズも置ける。A3の紙も置ける、ということからこのA3書類棚のサイズは大変よいサイズである。
全体の構成、個々の棚のサイズ、使い勝手に於いてはたいそうなお褒めの言葉を頂きました。しかしその一方で問題点も発覚。それは楽譜をそこそこの物量で置かれていたため引き出す部分の取っ手がはずれてしまう点。この件に関してはあくまでA3書類棚は「書類」を置く程度で考えられていることもご理解いただいた上で楽譜棚として使う際には想定以上の荷重がかかることが分かり、北見さん側で家具屋さんに依頼、棚板をシナ合板に替える手続きをされました。かくしてオリジナルからは機能的には全く同じでいながら強度的に改良された譜面棚として音楽教室のお役に立っています。
この度このA3書類棚に楽譜棚としての私達では想定していなかった用途を教えていただき可動棚板をシナ合板に替えた新たな製品を作ることにいたしました。
この事例と関連するプロダクト
セミオーダーの多段式収納棚。A3、A4書類、CDなど。楽譜棚としても。