
以前ご紹介した都内の建築設計事務所のワークスペースに、新たに「Shelf カウンター付き本棚」を4台導入いただきました。
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フロアの色を変えることで形成されている中央の「道」の左側にオフィスの空間が広がっていますが、そのオフィスをさらに長手方向に区切るパーティションとして、「Shelf カウンター付き本棚」縦7コマ×横7コマが4台導入されました。
縦横の棚板を嵌合させて組み立てられたカウンター付き本棚は、その四隅のセルに配置されたブレース材によって水平方向への剛性が確保されているために背板をつける必要がない構造です。棚板とコンテンツの間を抜けた視線は本棚の背後まで届くため、この事例のようにパーティションとして設置する場合には部屋の反対側のゾーンが少し見える緩やかな境界を形作ることになります。

カウンター下は、上部に比べて光が届きにくく、収納物の出し入れには身を屈める動作が必要になるため、日常的な出し入れの頻度が低いものを収める場所として適しています。本件では、このカウンター下のスペースを、通常は頻繁に動かす必要のない備蓄用物資の収納場所として活用しています。使用頻度の低いものを下部に集約することで、作業面や目線に近い収納部分を日常的に使いやすい状態に保つことができます。
また、下部に一定量の収納物が入ることで、視覚的な重心が低くなり、パーティションとしての本棚全体に安定感が生まれています。カウンター下の収納部分が腰壁のような役割を担い、空間を緩やかに区切りながら、落ち着いた見え方を形成しています。構造面においても、カウンター付き本棚は、通常の壁一面の本棚に比べて床面に接する構成が大きく、自立時の安定性を確保しやすい形状です。収納、作業面、間仕切りとしての機能を一体で備えた、実用性の高い構成となっています。

本棚は、室内にある柱を避ける形で配置されています。その結果、壁面に対して一直線に並ぶのではなく、位置をずらしながら展開するレイアウトとなり、この配置がワークスペース全体のゾーニングにも反映されています。手前側に配置された本棚の前には、大きな会議テーブルが置かれ、ミーティングのためのスペースとして使われています。一方、別の本棚の前には、スタッフが向かい合って座れるワークデスクが配置され、日常的な執務スペースとして機能しています。
柱を単に避けるだけでなく、その条件を前提に本棚を配置することで、会議スペースと執務スペースが緩やかに分けられています。本棚が収納家具としての役割を担いながら、オフィス内の領域を整理する要素としても機能している事例です。


前方へ張り出したカウンターによって、本棚は上下に大きく区分されています。カウンター下は視線を遮る収納領域として機能し、カウンター上の本棚部分は、視線が届きやすく、手にも取りやすい位置に配置されています。本件では、上部の一部に余白を残すことで、オフィスの天井付近に視線の抜けを確保しています。その下の領域を主な書籍収納として活用しており、この範囲だけでも十分な容量を持つ壁面収納が形成されています。収納内容は、用途に応じて整理されています。一方には大型の写真集や図録などの参考図書を収め、もう一方には専門誌のバックナンバーをまとめて収納しています。専門誌は背表紙の高さや厚みが揃っているため、棚の前面に整列して並ぶことで、水平ラインが強調された見え方となっています。
また、専門誌の背表紙が連続することで、壁面には帯状のまとまりが生まれています。その細かな縦方向の線と、本棚の縦板による区切りが重なることで、収納量の多い壁面でありながら、全体として整理された印象にまとまっています。カウンター付き本棚は、作業面、目隠しとなる下部収納、手に取りやすい上部収納を一体化した構成です。オフィス内の収納量を確保しながら、視線の抜けや壁面の見え方にも配慮したレイアウトとなっています。

専門誌のバックナンバーは、過去の事例を参照するための資料として有効です。必要な記事や写真を確認するだけでなく、誌面に掲載された広告や編集内容を通して、その時代の状況や関心のあり方を読み取ることもできます。単なる保管資料ではなく、過去の情報を多面的に確認できるアーカイブとして機能しています。
ミーティングテーブルの背景には、こうしたバックナンバーを大量に収納した本棚が配置されています。打ち合わせの場に過去の資料が近接していることで、必要に応じて参照しやすく、議論や検討の際にも活用しやすい構成となっています。また、長い時間をかけて蓄積された資料が視界に入ることで、これまでの成果やアイデアの集積を自然に意識できる環境にもなっています。過去の情報を整理して保管しながら、現在の打ち合わせや新しい発想につなげるための背景として、本棚がミーティングスペースを支えています。


本棚は、縦横の棚板に切り込みを入れ、互いに嵌め合わせて組み立てる構造です。そのため、壁面の前面には棚板の見付によるグリッドラインが明確に現れます。このグリッドラインは、本棚の背面側から入る光を受けながら、空間を緩やかに区切る境界として機能しています。完全に視線を遮る壁ではなく、棚板の間に光や視線の抜けを残すことで、パーティションでありながら開放感を保つ構成となっています。
また、無塗装の木材が持つ自然な質感により、大きな面積を占める本棚であっても、オフィス空間に過度な硬さを与えにくい点も特徴です。室内に配置された観葉植物とも相性がよく、木質の本棚と植物が組み合わさることで、執務空間に落ち着いた印象を加えています。収納、間仕切り、視線の調整を兼ねた本棚が複数配置されることで、広いオフィスの中に機能的な領域が生まれています。木材の質感とグリッドの構成により、実用性と空間の見え方を両立したパーティションとなっています。

この事例と関連するプロダクト

壁一面の本棚にデスクを組み合わせた大容量のカウンター付き本棚。


