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映画館の様なホームシアター Shelf 壁一面のコミック本棚 奥行180mm

映画館の様なホームシアター – Shelf 壁一面の本棚 奥行180mm – マルゲリータ使用事例

床と建具以外は白で構成された瀟洒な造りの廊下の一面に「Shelf 壁一面のコミック本棚 奥行180mm」が置かれていて、コミック本の全集が並び、あと少しで埋め尽くされる状態です。本棚の奥行はコミック本より6cmほど深いので、進む方向で目に入る情景では、殆ど本棚の縦材が連続して並ぶ姿が見えます。足を止めて本棚に向くといきなりその全貌が目に入る、幅が決まっている廊下に置かれた本棚の見え方はこの様に視界に突然現れます。

廊下の壁一面コミック本棚
廊下の壁一面コミック本棚
廊下の壁一面コミック本棚 正面から
廊下の壁一面コミック本棚

その廊下を通り過ぎると、ホワイエとも言うべく住宅ではあまり見かけない「溜まり」のスペースがあります。ここでは「Shelf ロータイプ本棚 奥行350mm」の2段タイプの一部を加工、その前面に座っても足が入る仕様で天板の上にノートPCを置いて簡単な仕事はそこで出来るツールを作っておられます。その際の椅子は手前にある二人掛けの長椅子を使うのですが、PCも置いてないと全く作業スペースには見えない軽快な構成です。

映画館の様なホームシアター ホワイエ
映画館の様なホームシアター ホワイエ

ちなみに正面の開口部を覆っているブラインドは水平ブラインドのスラッドをレースで両側から挟み込んだスタイル、淡い陽光を通すと雪面の様な淡い光が広がります。このスペースをホワイエと表現したのはその次に続く劇場への導入を控えているからです。

小劇場の様なホームシアター

この小劇場の様なホームシアターではその3面が収納棚で構成されています。そのうちの2面は「Shelf 壁一面のコミック本棚 奥行180mm」として座席の両側に平行に置かれています。もう一台は音響機器を中心にしたツールが並び、DVDメディアとともにプロジェクターが置かれています。そのプロジェクターの投影面が反対側にあるこの部屋のメインステージとなります。

ホームシアター  スクリーンのない状態
ホームシアター  スクリーン降り始め
ホームシアター  スクリーンない状態
ホームシアター  両側のDVD棚
ホームシアター  両側のDVD棚
ホームシアター  両側の壁一面DVD棚
ホームシアター  両側の壁一面DVD棚

その投影面と床面は同一のフローリング材で仕上げられていて天井もほぼ同一の縁甲板張で床、壁、天井と連続する面がこの二人で座るオットマンチェアを包みます。壁面と天井の間は奥行を持たせた目透かし張りになっていて、そこに僅かな空隙を作ります。その空隙にプロジェクターから受けとる映象を映し出す電動スクリーンが隠蔽されています。7.1.4chサラウンドでありながら天井面には4台のスピーカーが隠蔽されているため、姿を出しているスピーカーは正面に3台、両側の本棚に1台ずつ(横板をそれぞれ一か所抜いて高さを確保した上で収めています)、プロジェクターを置いている背面の棚にリア2台+ウーファー1台、という構成です。映写面中央にある白いコンセントプレートもフローリングの幅と目地に合わせて加工されている細部に気を遣った造作が伺えます。

劇場や映画館の場合、その空間のシンボルたる緞帳があり、その幕が上がるのを待つ形式ですが、ここでは逆にスクリーンが下りるのを待つ形になります。開演前の緊張した時空間を住宅のホームシアターで再現するのはなかなか難しいのですがここではその緊張感が共有される空間が出来ています。

実際の映像を楽しむ

天井のダウンライトをスモールで点燈した様子、照明を完全に落とした様子を撮影させていただきました。照明を完全に落とすと、両側に平行に置かれた本棚の木口面に対して、スクリーンから反射した光が映り込みそのグリッドラインだけが薄っすらと浮かび上がる独特の景色を生みます。実は本物の劇場空間でもこの両側の壁の処理は意外と難しく、特に現代ではそのほとんどは音響を優先にした形状に収束して味気ないものに成り下がっている構成が殆どです。しかし近代以前の劇場空間に於いては、あまり音響は考慮にいれない装飾的なオブジェクトが均等に並ぶ様が多いです。この両側が規則正しい幾何学的構成であることはある意味映像に集中でき、また違う意味でも映像そのものがパースペクティブな空間を切り取った様な錯覚を感じるのも一つの効果です。

ホームシアター 室内明るい状態
ホームシアター 室内の証明を落とした状態

専用の空間

一般的にはホームシアターがあるご家庭もその多くは「何か」と兼用です。例えばリビングに設置する、寝室に設置するといった他の機能を持っている部屋に置いて、そこの機能はそのままでホームシアターという別の顔を持たせるやり方です。しかし本件のホームシアターは専用室です。従ってそのホームシアターで映像を観るためにその部屋に来られるわけで目的が一致しています。そのためすべての所作が共有される空間になります。専用室であるがためにそれをバックアップする内部造作の充実、更にホワイエ的な附室を従える建築空間の充実がここでは感じられます。


この事例と関連するプロダクト

Shelfシリーズ / 壁面を天井やまで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。

Shelfシリーズ

壁面を天井やまで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。

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