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ウォークインクロゼットの奥に壁一面の本棚奥行350mm / Shelf

2013/12/17

世田谷区にある戸建住宅に「Shelf 壁一面の本棚奥行350mm」を設置いただきました。

本棚の元々のサイズは、幅2,395mm、奥行き350mm、高さ2,400mmですが、天井の一部に下がり天井があるために右側の５枚の縦材をその寸法に合わせてカットしています。本棚の左右にハンガーラックのためのスペースが残っています。向かって右側は、張り出した梁の下で、ロングコートやロングドレスなどをハンギングできる高さがあります。向かって左側はジャケットなどを上下２段にして収納することが可能なスペースです。本棚の前に500mmほどの床が現れて、通路として使える床の面積が増えています。ウォークインクローゼットの内側という本来ならば閉じられたスペースを、扉を外して開いた結果、床と大容量の壁面収納が創出された事例です。

本棚は、縦材と横材に相互に切り込みを入れて、嵌合させて組み立てる方式で形成されています。横材は両脇の側板にそれぞれボルトで固定されています。本棚の四隅のセルにブレース材を配置することで平面方向への剛性を確保しているために背板を設置する必要がなく、棚板の背後に壁が見える構造になっています。本件のブレース材は下から２番目の段に配されていますので、本棚の足元のゾーンが床から浮いているような独特なビジュアルを見せています。本棚の背面には巾木よけカット加工が標準仕様で施されており、本棚は壁にぴったり付けて設置されています。

2,395mm×350mmの細長い床面が、そのまま垂直方向に天井まで立ち上がって、49個のセルからなる大容量の壁面収納スペースが出来上がっています。1コマの内部有効寸法は、幅325mm、奥行き350mm、高さ325mmあります。なお、最上段の高さは天井高との関係で変化し、最下段の高さは10mm短くなっています。収納のプランは、まずセルに収まるサイズのコンテンツを選び、取り出しやすさ、使う頻度を最優先にその配置を考えていきます。

マルゲリータの本棚は棚板同士のスパンが短く固定されているために荷重に強く、セルに重量のある書籍や様々なメディアを充填しても棚板にたわみが生じることがほとんどありません。この本棚は1コマあたりの耐荷重が約30kgありますので、大量の蔵書などの重量のあるコレクションを全てのセルに隙間なく収納していただけます。

まだ何も収納されていないこの本棚に何をどのように収納するのか、それを考えるプロセスも楽しい時間です。本件では寝室のクローゼットという元々の属性から、シャツやセーターや肌着などの衣料品やシーツや枕カバーなどのファブリック類を収納する場所にも適しています。元々本棚としてデザインされた製品ですから、様々なサイズの蔵書、コミック本の全集、ファイルされた書類、CDやDVDやLPなどのメディアの数々などの収納にはまさに最適で本領を発揮します。陶器やガラス製のオーナメントを安定した奥行きの中に配置することも、フォトスタンドやアート作品などを飾るスペースとしてお使いいただくことも、あるいはフィギュアやドールなどを背景と組み合わせてシーンを演出しながら配置することも可能です。文具や工具などの道具類を整理整頓しながら収納したり、型崩れしやすいハンドバッグや帽子などの定位置としたり、と、収納棚としての活用にも便利です。おびただしい「大切なモノ」たちのベストポジションが、「棚板に囲まれた空間」の中に探し出せそうです。本棚の最前面の景観は、棚板の見付が描くしっかりとした格子状のラインによって安定します。セル内に納められたそれぞれのコンテンツに全体としての統一感がなくても、その前面にグリッドが強く現れてくるので壁面はより美しく進化していきます。

奥行き350mmの本棚の魅力はなんといってもセルの容積の大きさです。スペースに余裕がある場合にはその余白を活かして配置を楽しんでいただくこともできますが、納めるべきコンテンツが大量になってくると収納に工夫が必要になってきます。そのため専用のカセット式のオプションツールが用意されています。いずれもセルの中に挿入して使うユニットで、使い勝手に応じた配置換えも簡単です。例えば蔵書を大量に収納する場合には、一般的な書籍によくあるA5判や四六判の書籍は前後２列にでき、文庫本や新書など小型の本ならば３列で収納することができますが、大量に詰め込むと後列に入ったものが埋もれてしまうという課題が生じます。それを解消するアクセサリーがセルの中に小さな棚を入れて段差をつける「本棚の中の棚」です。

他にもセルの中を水平に区切る「引き出し」、縦に区切る「ファイルボックス」、縦横に区切る「CD用引き出し」などのバリエーションがあります。また、組み立て式の「猫ステップ」や側板をネジで止めてセットする「トレー」も開発されています。引き出しはそれぞれの前板に指をかけるための穴が一つずつ穿たれているシンプルなデザインで、引き出しを導入したゾーンにはソリッドなビジュアルの「見せない収納」が出来上がります。見せる収納と見せない収納を組み合わせてお部屋の壁面を個性的にデザインすることも可能です。