東京都にある漫画の編集制作オフィスにShelfシリーズの「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」を設置いただきました。
8人がゆったりと席につける大きな打ち合わせ用のテーブル「Tavola ダイニングテーブル 木製脚」の両面の背後に間仕切りとなるように本棚を配置して打ち合わせコーナーを形成されています。画像右手、入口とオフィス空間とを仕切るための天井まで届くパーティションが立てられています。そのパーティションに沿わせる形で、A5判のコミック本が収まるように作成した特注サイズの本棚を2台並べて設置していただいています。奥にある作業スペースとの間には「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」を設置していただきました。本棚を2台連結し、それらを2列背中合わせに並べ合計4台の本棚がスペースの境界を形成しています。通路側から本棚を見ると、窓のある明るい打ち合わせコーナーは、漫画の編集制作オフィスにふさわしく自社で製作されたコミック本で両壁面を埋め尽くしたクリエイティブな空間になっています。収納されたコミック本の背表紙の振れ幅の大きな色彩の上に、障子の桟のような等間隔のグリッド線が被り壁全体を覆う色面にタペストリーのような統一感が生み出されています。棚の縦材の表面に現れたビスの頭は、等間隔に並ぶアクセントとなって、木材の質感の温かみにモダンな表情を加えています。
またこの本棚と直行する窓面にはその窓下の腰の部分に「Shelf ロータイプ本棚 奥行350mm」を連続してお使いいただいています。ここでは「本棚の中の棚」を用いてセル内前後で背表紙を見せる形でコミック本が並べられています。
A5判の本は表紙の短辺が148mm、長辺が210mmあり、縦板の奥行き180mmの規格を生かした縦8コマ×横7コマの本棚を作成して2台並べて設置しました。本棚は縦板と横板を短いスパンで嵌合させて組み立てているので、本を大量に載せても棚板がたわむことはなく、格子状に組み立てられた本棚の四隅にブレース材を置くことにより平面方向への剛性が確保され、それが背板の代わりになり、書籍の背後にパーティションの白い平面が見えています。ブレース材が描く斜線によって広い壁面の上にコミックの効果線のような視覚的アクセントが加わります。
最下段にはA5判のコミック本を収められる高さにし、高さを調整して、床と天井との間に本棚が嵌るように製作しました。天井と本棚との間隔が狭いので、万一前後方向への大きな揺れがあったとしても転倒を防止する側に機能します。本棚に書籍を収納すると、どうしても前のめりの方向への力が働くため縦板が床と接する部分には楔を噛ませてあります。
4台の「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」は、打ち合わせコーナーと作業スペースとを区切るパーティションの役割も果たしています。窓側に縦10コマ×横7コマ、通路側に縦10コマ×横5コマの本棚が並び、背中合わせの作業スペース側にも同様に大きな本棚による壁面が立ち上がっています。
この本棚はもともとA5判の書籍の収納に特化してデザインされ、ブレース材が入って背板のない、マルゲリータのデザインの特徴を備えている製品なのですが、ここに設置する目的の一つである境界を形成するためには、視界をしっかりと遮る必要があります。そこで、本件では本棚に背板を取り付けて平面方向への剛性を確保しました。結果としてブレース材を置く必要がなくなったために壁面全体が同じ大きさのグリッド線でくまなく覆われた、縦10コマ×横12コマの巨大な本棚が出来上がりました。本棚には、端から端までコミック本が充填され背表紙が並ぶコマや、アトラクティブなカバーイラストを見せて「面陳」にしたコマなどが並びます。このオフィスで作り上げてきた数々のコミックスが発散するパワーが編集制作に携わる人たちの背中を支えているようにも見えてきます。
打ち合わせコーナーの反対側には「Shelf カウンター付き本棚」が設置されています。これは、縦7コマ×横3コマの本棚で、下から２枚目の横板を前に張り出してカウンターにし、カウンター下部の両脇の縦板を前面に伸ばして脚部を形成した本棚です。棚板が前に450mm張り出しているのでカウンターに向かって着席するデスクとしてお使いいただくこともできますが、本件ではカウンターの下には大型のキャビネットを設置して収納スペースとし、カウンターの上は大型の紙を取り扱ったり郵便物を封入したりする作業台としてお使いいただいています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井やまで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
ダイニングテーブル、コンソールデスクを中心にしたシリーズ。座卓、文机も。