ゲームキャラクターのデザインをされている目黒区に在住のお客様、ご自宅に「Shelf カウンター付き本棚」を設置いただきました。

「Shelf カウンター付き本棚」を2台並べて設置いただきました。大きな壁面いっぱいに広がる本棚は、棚板の一部が前面に伸びることでカウンターを形成しています。カウンターの脚部は、本棚の側板と縦材の一部を延長することで構成されており、壁面から複数の脚が張り出す形になっています。収納と作業面が一体となることで、壁面全体を活用したワークスペースが生まれています。また、上部の梁型を避けるため、本棚全体の高さと一部の棚板を現場に合わせて加工しています。梁下に納まるよう寸法を調整することで、大きな本棚でありながら、室内の形状に無理なく組み込まれています。
本件では、カウンターと脚部を備えた形状により前後方向の安定性が確保されているため、特別な転倒防止処理は行っていません。マルゲリータの本棚は、平面的な剛性を確保するため、通常は本棚の四隅にブレース材を配置します。本件のように複数台を並べて設置する場合は、隣り合う側板同士を固定したうえで、全体の両端にブレース材を配しています。上部のブレース材は本棚上部の両端に、下部のブレース材はカウンター下の作業スペースの奥に配置されています。構造的な安定性を確保しながら、使用時の邪魔になりにくい位置に納めています。

カウンター上には、ゲーミングキーボード、PCと外付けキーボード、プロ仕様の大型液晶タブレットが並び、作業内容に応じて複数の機器を使い分けられる構成になっています。カウンターの端部には、アクリルケースに入った超合金フィギュアが納められ、その上にも大型のフィギュアが置かれています。実用的な作業環境の中に、趣味性の高いオブジェクトが組み込まれ、使用者の個性が感じられるワークスペースとなっています。
ここにはエルゴヒューマンのオフィスチェアが置かれ、日常的な作業の中心となる場所として使われています。着座時に視界に入りやすい棚には資料類が整然と積み上げられ、作業中の視覚的なノイズを抑えるように整理されています。機器、資料、コレクションが同じ壁面に収まりながらも、それぞれの位置が明確に分けられているため、集中しやすい作業環境がつくられています。

もう一方のカウンターには、音響制作に関わる機材が集約されています。nord leadのシンセサイザーを中心に、KOREやAKAIのMIDIコントローラーが並び、棚板に設置されたモニターアームの背後には、moogerfoogerのエフェクト機器、スピーカー、ヘッドフォンスタンド、ハンドマイクのスタンド、パソコンなどが配置されています。複数のデバイスを組み合わせながら音をつくる、サウンドクリエイションの拠点として構成されたワークスペースです。
カウンター下には丸い座面のスツールが置かれ、その近くにはスピーカーを背後に配した大きなソファも設けられています。音響制作では、複数の機器に手を伸ばし、身体を動かしながら操作する場面が多くなります。そのため、身体を深く預けるチェアよりも、立ち座りや向きの変更がしやすいスツールが、この場所の使い方に適しています。壁面には大型の鏡が貼られ、ソファ背面の壁にはエレキギターとエレキベースが掛けられています。音響機材、楽器、リスニングスペースが近接して配置され、制作と確認を行き来しやすい環境がつくられています。


棚板には、クリップ式のライトが複数取り付けられています。これらのライトはデスク面を直接照らすのではなく、天井に光を向け、その反射光を利用するように配置されています。長時間にわたり目を使う作業では、角度を調整できる光源を複数確保できることが大きな利点となります。必要に応じて照射方向を変えられるため、作業内容や時間帯に合わせて光の環境を調整できます。また、クリップ式のため、機材で埋まりやすいカウンター面を占有しない点も有効です。デスク上の作業領域を保ちながら、必要な場所に光源を追加できる構成になっています。メタリックシルバーのライトと、装飾性の高いシーリングライトが組み合わさることで、室内にはスチームパンクを思わせる独特の雰囲気が生まれています。

2台の本棚が並ぶ部分には、収納の工夫が随所に見られます。カウンター上のパソコン背面にあたる棚には、プラスチック製のケースが積まれ、細かな備品類がまとめて収納されています。ミリタリー調の色味を選ぶことで、室内の雰囲気を損なわないよう配慮されています。中央付近には、アンティーク調の小引き出しが置かれています。小引き出しと棚板の間に生まれたわずかな隙間は、MIDIインターフェースの置き場所として活用されています。引き出しには細かなラベルが貼られており、この収納が日常的に使い込まれていることが伝わってきます。また、小引き出しの脇には、太田胃散とサクマ式ドロップスの缶がさりげなく置かれています。制作機材や収納用品の中に、こうした身近な品が混在することで、この空間を使う人の気配が自然に感じられます。



この本棚には、収納以外にもさまざまな機能が付加されています。大量の書籍を収める棚としてだけでなく、モニターアームの設置台、ヘッドフォンのハンガー、照明器具の固定場所、ディスプレイ台としても使われており、本棚の機能が前面へと拡張されています。本棚全体には、書籍、機材、照明、オブジェクトなど、夥しい量のものが収められています。その物量からは、常に動的なエネルギーが内側で蠢いているような印象すら受けます。
一方で、その表面には棚板によって構成された均一なグリッドが重なっています。このグリッドが、多様な要素をひとつの面として受け止めることで、本棚が持つエネルギーを保ちながらも、全体には静止したような落ち着きが生まれています。動きのある情報や物量の上に、方眼のような均一な線を重ねることで、流れる時間を一瞬止めたように見せる。そのような視覚的効果が、この本棚の大きな特徴になっています。

この事例と関連するプロダクト

壁一面の本棚にデスクを組み合わせた大容量のカウンター付き本棚。


