都内のマンションにお住いの方、その一室を窓をよけた形でL型に特注加工をした「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を導入いただきました。
窓をよけた形の本棚
本件では、お部屋の機能として大切な窓からの採光を生かすために、本棚の形を特注で加工して窓を避ける形にしています。
室内には、白いクロス張りの天井に梁が複雑に現れ、入り口から正面の壁面はブリックのようなパターンがプリントされた壁紙が施されたアクセントウォールになっています。アクセントウォールに直行する壁にある腰窓は、ダークブラウンの窓枠とライトブラウンの窓框がアクセントになっていて、個性的な雰囲気です。この、窓のある壁面に、特注加工した本棚を設置していただきました。
ここでは、窓を塞がないことを主眼に置き、本棚の右側を大きくカットしています。しかし、窓の周辺にはエアコンスリーブがあり、将来エアコンを取り付ける際に本棚が障害になる可能性があります。そこで、窓だけでなくエアコンスリーブも活かすために、左側では2列のみを残しています。この2列は、天井の高さにフィットさせるために最上段の棚板をカットして、縦を6コマにしています。剛性を確保するため、最上段の2つのセルと左端の一番下のセルにブレース材を配しています。窓下に伸びる右側の部分では、下の2段を残してカウンター状に加工しています。さらに、下の段の右端のセルにもブレース材を入れています。こうして、窓を避けながらマンションの柱と梁が作り出す複雑なスペースに収まる形が完成しています。
マルゲリータの本棚は、縦横の棚板を嵌合させて組み立てているため、通常は棚板の端をボルトで固定します。プリンタの左側に見える棚板には、ボルト止めが施されています。本件では、窓下部分をカウンターとして使用するために、天板を特注加工し、通常の嵌合方式ではなくダボを使用して固定することで、フラットな面を作り出しました。この横に長い天板は、縦の棚板が短いスパンで組み合わされているため、その上に重量のある物を置いても棚板に撓みが生じることはありません。
この本棚は奥行きが350mmあり、大きめのファイルやフォルダー、画集、LPレコードなどの収納に適しています。本件では一番下の段に複数のアルバムが収納されています。奥行き350mmがあるため、A4サイズの書籍は前後に2列並べることができ、小型の文庫本や新書であれば奥まで3列並べて大量に収納できます。さらに、収納ケースやファイルスタンドを使用してセル内を縦横に区切ることで、小さな空間を活用して整理することも可能です。
梁、柱、アクセントウォールの個性的な壁紙、窓枠とフローリングのライトブラウンの色彩コントラストと軽快でモダンなイメージのインテリアの室内に比較的大きなボリューム感のある存在です。本棚は、棚板の見付による細い線で描かれる格子模様が表面にハイライトで浮かび上がり、水平線と垂直線による落ち着いた外観を作っています。セルの中に収められたアルバムや書籍、ファイルボックスなどは、この格子模様の枠によって整列するので、セルの中に様々な要素が混在していても、本棚全体としては整然とした印象が醸し出されます。フローリングと本棚の間にわずかな隙間があり、縦の棚板による区切りのリズムが等間隔で繰り返されています。この様子が微かにフローリングに映り込み、空間に奥行きを感じさせてくれます。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
SERIES31
窓を塞がずに本棚を配置する
このシリーズでは窓を活かして本棚を配置する場合の考え方、レイアウト等を実例をもとに紹介しています
