天井の高い新築のマンションにお住いのお客様です。そのロフト付きの吹き抜けの様な高い天井の書斎のまさにその天井まで目いっぱいに「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置されました。
ロフト付きの書斎
ロフトとは、床と天井のあいだにもう一つの床を設け、室内を二層に分けて使う空間です。一般的にはハシゴで昇り降りする上部収納のような場所として扱われ、床面積には算入されません。そのため、ロフト部分の天井高は抑えられており、立って歩くというよりも、中腰で移動する程度の高さになります。一方で、ロフトを設ける部屋は、下階部分に一定の高さが必要となるため、通常の居室よりも天井が高くなります。そのため、室内に入ると縦方向への広がりが感じられ、一般的な個室とは異なる開放感が生まれます。

吹き抜け空間に天井までの壁面収納
本件では、その高さを活かし、ロフトそのものではなく、ロフトのある居室の壁面全体に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置いただきました。床から天井近くまで届く大型の本棚が壁面を覆い、ロフト付きの部屋ならではの高さを収納として有効に活用しています。本棚は大きな壁面に沿って設置され、書籍、ファイルボックス、引き出し、小物などが用途に応じて収められています。上部には余白を残したセルもあり、天井の高さを感じさせながら、壁面収納としての圧迫感を抑えています。背板のない構造により、壁面とのつながりが保たれ、室内全体に明るさと広がりが感じられます。
窓際にはデスクが置かれ、自然光を取り込みながら作業できる書斎スペースが設けられています。高い壁面を収納に使い、窓まわりには作業のための余白を残すことで、収納量と居室としての使いやすさが両立されています。
日本の住まいでは、吹き抜けのような高い壁面に本棚を設置する機会は限られますが、ロフトのある部屋では、その高さを活かした壁面収納が可能になります。本件は、ロフト付きの居室に生まれる縦方向の空間を、収納と書斎機能に転用した事例です。

上下に連結させる
本件では、基本的に二つの本棚を上下に組み合わせる方法を採用しています。横方向に幅のある構成をご希望いただいたため、幅の異なる本棚を横に並べ、その上に同じ構成の本棚を重ねることで、壁面全体を活用した大型の収納を実現しています。
上下の本棚は、それぞれを壁面に固定しています。これにより、水平方向および前後方向の動きに対して安定性を確保し、特に上部の本棚に生じる動きが下部の本棚へ伝わりにくい構成としています。また、上下の本棚の連結には、専用のH型金物を使用しています。上下の縦材がずれることを防ぎ、本棚全体の位置関係を正確に保つための部材です。
H型金物のフランジ面には強力な両面テープを用いており、摩擦力によって前後方向のずれを抑えています。さらに、上部の横板を固定することで、構造的にも安定しやすい納まりとなっています。上下に本棚を連結しながら、安全性と一体感を確保した設置方法です。

本に囲まれた空間とは、単にすぐ手に取れる場所に本がある、ということだけではありません。中には、もう一度手に取る機会がない本もあるかもしれません。それでも、これまで集めてきた本が視界の中にあり、自分の積み重ねとして背後に控えている。その景色には、どこか納得できる落ち着きがあります。
今回ご紹介するのは、吹き抜けの壁面いっぱいに本棚を設置した事例です。吹き抜けの開放感を活かしながら、通常の家具では使い切れない高さまで収納として取り込むことで、大きな収納量を確保しています。天井の高い空間に本棚を設けることで、壁面全体が書籍のための場所となり、室内には本に囲まれる安心感が生まれます。高さのある本棚でありながら、吹き抜けの余白と組み合わさることで、圧迫感を抑えながら、収納力と空間の広がりを両立しています。



本件では、書籍だけでなく、この書斎で日常的に使うさまざまな道具も本棚に収められています。壁面収納としての機能を備えながら、室内には本と収納物が一体となった大きな景色が広がっています。
入口から室内を見た際には、本棚の上部が視界に収まりきらないほどの高さがあり、壁面全体を覆う迫力のある構成となっています。吹き抜けの高さを活かした収納でありながら、造作工事ではなく、既製品の本棚を組み合わせることで実現している点も大きな特徴です。高い壁面を有効に使い、収納量と空間の印象を同時に高めた、書斎の壁面収納の事例です。

立ち位置で見え方が変わる
ほぼ二層分の高さを覆う壁面本棚は、見る位置によって印象が大きく変わります。リビングからロフト付きの部屋を見ると、入口の開口部によって本棚の全体像は見えません。ただし、その時点でも一般的な天井高を超える大きさであることが伝わり、上部がどこまで続いているのかを想像させる見え方になります。全体を一度に見せないことで、空間の奥にある本棚への期待感が生まれています。
室内に入って本棚の前に立つと、視線は自然と上へ向かいます。高い位置まで連続するセルが見上げるように広がり、壁面全体が本棚で構成されていることを強く感じさせます。日常的な収納家具というよりも、吹き抜けの高さを活かした大きな壁面構成として、空間の中で印象的な存在となっています。さらにロフト上部から見ると、本棚と直交する位置に置かれたワークデスクや、窓まわりの開口部が視界に入ります。カーテンの動きからは風の流れも感じられ、壁面収納の迫力だけでなく、居室としての明るさや開放感も伝わってきます。このように、リビング側、室内、ロフト上部という複数の視点から異なる表情を見せる点も、この本棚の大きな特徴です。
この事例と関連するプロダクト

壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。美術全集、画集など大型本の収納に。



