天井の高い新築のマンションにお住いのお客様です。そのロフト付きの吹き抜けの様な高い天井の書斎のまさにその天井まで目いっぱいに「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置されました。
ロフト付きの書斎
ロフトとは、床から天井の間にもう一つの床を設けて室内を二層構造にし、ハシゴを使って昇り降りできるようにしたものです。部屋の床面積にはカウントされず、上部収納のようなものとして扱われます。ロフト部分はその天井の高さは1.2m以下とされています。それが床面積にカウントされない条件なので立って歩行することは困難で中腰での歩行ができる程度の高さです。
吹き抜け空間に天井までの壁面収納
ロフトのある部屋は必然的に天井が高く設けられているので、その部屋にいると独特の開放感があります。ここではロフトそのものよりもその高さを利用した居室の壁面一杯に設えた壁面収納のご紹介です。日本ではなかなかその実現が難しい吹き抜け面に設置する本棚ですが以下の様な方法で実現に至りました。
上下に連結させる
●基本的に2つの本棚を上下に組み合わせる。本件に於いては横8コマを希望されていたので5コマと3コマを横に並べ更にその上に同じサイズのものを増設した形になります。
●上下の本棚はそれぞれが壁面に固定されていて水平方向、前後方向の動きに対して特に上段の本棚はその動きを極力下段には伝えない様にしています。
●上下の本棚の連結は専用のH型金物を用いて縦材が「ずれる」ことは万が一にも避ける。
H型金物のフランジ面には強力な両面テープによる摩擦力で前後にずれることはありません。それにより最上段の横板を固定することでモーメント的にも有効に働くことにより安定します。
本に囲まれた空間は直ぐに手に取れる位置に本がある、という事とは違います。もしかしたら二度と手に取らない本もそこにはあるかもしれません。しかしそれが一瞥出来るということと自分のこれまでの積み重ねがそっと背後に控えているという景色に妙に納得させられる面があります。今回ご紹介するのは、吹き抜けの壁面いっぱいに書棚が造作された本棚は吹き抜けの開放感とその面を覆っている通常よりも背の高い家具を置くことで収納スペースをより確保することもできます。
本件では本棚と同時に日常的にこの書斎で使う様々なツールをここに収納されています。壁面収納としての機能も備えつつ壮大な景色が広がります。その入口を通して見た上部を見切られるほどの圧倒的な姿を既製品を置くだけで実現することが出来た事例のご紹介です。
立ち位置で見え方が変わる
このほぼ二層分を覆う壁一面の本棚はそれを垣間見る位置によってその見え方は大きく異なります。まずリビングに入ってそこからこの本棚が設置されているロフト付部屋を見た場合、入口の開口部にけられて本棚の全貌は見せません。しかしその時点で一般の天井の高さよりこの本棚は高いことがおのずと分かるのでそれが逆に上部はどこまであるのかという期待感を抱かせます。
次にこの部屋に入って本棚を見た場合、この場合は完全に見上げる形になります。見上げる事で目線より下のセルには殆ど目が行かなくなります。しかしその圧倒的な迫力の本棚を前にしばし見入ってしまいます。次にロフト上部から見た場合。この場合は本棚と直角に置かれたワークデスクと開口部が目に入ります。カーテンの動きが風の流れを感じさせます。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。
SERIES03
吹き抜け空間の本棚 上下に連結する
このシリーズではマルゲリータの本棚を上下に連結して使用する際の考え方、レイアウトなどを紹介しています
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