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アナログレコードで満たされたオーディオルーム 壁一面の本棚 奥行350mm / Shelf

都心のマンションにこの度引っ越しされたお客様のオーディオルームに「壁一面の本棚 奥行350mm」を設置いただきいました。

リタイア後もオーディオの趣味を継続

お子様たちが巣立ったあとこれまでのお住まいが夫婦お二人で過ごすには広すぎるため都内のマンションに引越しをされ、新たなセカンドライフを始められたご夫妻、そのご主人がこれまで継続していたオーディオの趣味を続けるべくオーディオルームを造られました。そのご紹介です。

リタイア後の音楽室

当初お持ちだったアナログレコードのその莫大な50箱にも及ぶ量の段ボールが廊下を占有し奥様も不安を抱えておられた様です。向こう側が全く見えなく、また行き来も困難なほどに廊下に積み重ねられたダンボールを見てなんとかなるという思いと同時に一抹の不安も持っておられました。それがあらためて部屋の一面に収まった景色には大変お客様も喜んでおられました。本棚設置後にお一人もくもくとアナログレコードを仕舞っていく様が想像に難くないです。アナログレコードをこうしてレコード棚にしまう場合のその分類、順番もとりあえずまず入れてみて、その後に順次入れ替えていけばいい、という後にもまだ楽しみを持ち越されたその様子もご理解できます。

リタイア後の音楽室 壁一面のレコード棚

レコードの分類

アナログレコードに限らずCD、DVDに於いても特にクラシック音楽の分類は意外と厄介です。指揮者、演奏者、作曲家でどういった括り方をするか、そこで何かを自分なりに決めてもそれに関する例外が多すぎる、というのがこのジャンルの特徴です。逆にそこに仕分ける楽しさがあり自分の楽しみ方にあったアレンジが徐々に出来上がっていきます。いろんなお客様の話を伺うと常に1コマを空けてそこをフリースペースにしてスライディングブロックの様な考え方で余白を使うのも一手です。このアナログレコード棚はそれが出来ます。

クラシックレコードは他のジャンルに比べレーベル数も少なくまたそのジャケットも一定のフォーマットに順じて作られたものが多いのでその背表紙にばらつきが少ないのが特徴です。また配色も背表紙に関しては意外と原色系が多いのも特徴です。そういった意味では並べやすく、固まりやすいという効果もあります。様々な思惑が交錯する中アナログでコードを壁面に並べていくのも楽しみの一つです。

リタイア後の音楽室 壁一面のレコード棚

音楽室

当初何も置かれていなかったこのマンションの一室、実は採光面も小さく暗めの狭い居室というイメージがありました。しかも何も無かったときは壁の冷たい反射音もあり環境として決して褒められたものではありませんでした。

しかしレコード棚、オーディオ機器、特に真空管アンプのその音色と同じ柔らかい光、これらは僅かな光が似合います。壁の冷たい反射音もその一面が覆われたレコード棚の表面は音を静かに吸収しまさに意図せず自然に醸成された至福の音楽室がここに出来上がりました。

アナログレコードの魅力

アナログレコードの作品にはオリジナル盤というものがあります。いわゆる書籍でいう初版のことで、価値の高いものです。古いジャズのレコードを例に挙げると、1950年代、60年代のオリジナルを聴くとまるでスピーカーの向こう側に演奏者がいるのではないかと錯覚してしまうほど臨場感たっぷりの音を奏でます。音の本質と言うのはその録音過程で中間に入る機械が少ないほどいいと言われています。そういう意味で1950年代、60年代のジャズの様に、録音に於いて音を通している機械の少ない単純なものは、更にそれがオリジナル盤に近ければ、まさにスピーカーの背後に演奏者がいるかのような錯覚さえ与えてしまうと言えます。一方で最近の再発盤の音質は比較的おとなしく、迫ってくるような音の凄みはオリジナルほどはないように思えます。オリジナルの音質の方が、それぞれの楽器やヴォーカルの音の輪郭がハッキリしていると表現すると分かりやすいかもしれません。これはアナログレコードとCDの音の比較というよりデジタル的に加工されすぎてマイクが収音した生データとはかなり違ったもの、綺麗すぎるもの、になっているからに他なりません。

この様にレコードはCDより音質がいい、という見解に関しては極論すれば60年代までのジャズ、70年代くらいまでのクラシック、特に室内楽に関しては圧倒的にアナログレコードの音が優る、と言っても過言ではありません。しかし見方を変えればそれ以降の時代の音源に関してのその違いは難しいと言えます。

真空管アンプの魅力

真空管アンプとは、プレーヤーなどの出す微細な電気信号をスピーカーから出すために使う増幅器です。レコードプレーヤー、CDプレーヤーといったプレーヤーと名前が付く再生装置は音楽を小さな電気信号でしか出力できません。アンプはその小さな電気信号を使ってスピーカーを動かすための大きな電気信号を作り出す装置です。この大きな音を作り出す為に使われる素子に真空管を使用したものを総称して真空管アンプと言います。素子にトランジスタを使用すればトランジスタアンプ、IC(集積回路)を使えば、ICアンプです。

柔らかく温かな音がでる。それは、トランジスタやICアンプでは出来ない音です。しかし一方でここが一番難しいところです。真空管アンプはトランジスタやICでは出ない発熱があります。この無駄があるからこそ安らぎのある音が出る、という見方もあります。一番分かりやすいのは電球とLEDを比較した際に電球の持つ温かみはLEDでは出せない、と感じることの出来る方には真空管の出す音の暖かさというニュアンスは理解いただけるかと思います。

ほんのりと光る真空管のオレンジ色の光が美しい。これは非常に難しいところですが仮に同じ色であったとしてもLEDのチップが光っているのとは違い、「音を作っている」実際の光が炎が仄かに揺れている様に微細ですが動きます。そこがLEDの軽薄な光とは違います。


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Shelfシリーズ / 壁面を天井やまで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。

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