これまでお住まいになっていたところを離れ新たにご自宅にオーディオルームを再構築されたお客様です。 膨大なLPレコードはその収納としてお使いいただいている「BLC-08(LPレコード収納ボックス)」および「BLC-12(LPレコード収納ボックス)」とともに新しい部屋に移動されました。 配置自体はL型のコンパクトな構成でBLCを縦横にスタッキング、一部市販の角材を積み重ねて自作のオーディオラックを組み入れてます。 またBLCの天板の上にレコードプレイヤーを配置され、障子を通した自然光がバックライトとなりプレイヤーのメカ部分をシルエット状に切り取っている姿が印象的です。
BLC-08とBLC-12、この様に異なるサイズのユニットをモデュールに沿ってスタッキングできるのがこのスタッキングシェルフとしてのBLCの特徴です。
BLC-08が並んだ上部には手前をあけてBL C-02がCD収納ボックスとして並びます。その空いたスペースには様々なオブジェクトが置かれ、この場所に越してくる前のオーディオルームを彷彿させます。
平板と角材の組み合わせによるオーディオラック。お客様による制作です。高さがBLCの外寸に合わせてあるためシンプルにかつコンパクトなオーディオラックになっています。
アナログレコードの魅力
アナログレコードに魅了されるポイントのひとつに音質の良さがあると言われてます。CDには人間の耳では聴き取れないとされる周波数は収録されていない反面、レコードにはその範囲の周波数が記録されています。しかしこの点に関しては特に1970年以降の楽曲だとマスターテープの段階でかなり加工されているので「音質が違う」というほどの大きな違いは実際には感じられなく、逆に「変わらない」という見解が殆どです。
アナログレコードの作品にはオリジナル盤というものがあります。いわゆる書籍でいう初版のことで、価値の高いものです。古いジャズのレコードを例に挙げると、1950年代、60年代のオリジナルを聴くとまるでスピーカーの向こう側に演奏者がいるのではないかと錯覚してしまうほど臨場感たっぷりの音を奏でます。音の本質と言うのはその録音過程で中間に入る機械が少ないほどいいと言われています。実際には難しいのですが究極のレコードの作り方はレコード盤のプレスを使わず、雄雌の盤もなくいきなりのダイレクトカッティング、しかも音源まではマイクからのダイレクトという理想論がたまに展開されます。そういう意味で1950年代、60年代のジャズの様に、録音に於いて音を通している機械の少ない単純なものは、更にそれがオリジナル盤に近ければ、まさにスピーカーの背後に演奏者がいるかのような錯覚さえ与えてしまうと言えます。一方で最近の再発盤の音質は比較的おとなしく、迫ってくるような音の凄みはオリジナルほどはないように思えます。オリジナルの音質の方が、それぞれの楽器やヴォーカルの音の輪郭がハッキリしていると表現すると分かりやすいかもしれません。これはアナログレコードとCDの音の比較というよりデジタル的に加工されすぎてマイクが収音した生データとはかなり違ったもの、綺麗すぎるもの、になっているからに他なりません。
この様にレコードはCDより音質がいい、という見解に関しては極論すれば60年代までのジャズ、70年代くらいまでのクラシック、特に室内楽に関しては圧倒的にアナログレコードの音が優る、と言っても過言ではありません。しかし見方を変えればそれ以降の時代の音源に関してのその違いは難しいと言えます。
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