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先端技術の大学研究室に壁一面の本棚奥行250mm / Shelf

2021/9/20

東京の国立大学の広い研究室の一角に「Shelf 壁一面の本棚奥行250mm」を設置いただきました。
静かなキャンパスの一角、研究室で使う学術書や研究室の共通書棚として2台並べて利用いただいてます。

静かなキャンパスの一角にある研究室の大きな壁面いっぱいに、「Shelf 壁一面の本棚奥行250mm」縦7コマ×横5コマの本棚を2台並べて設置していただきました。研究室で使う大量の学術書などを収納する研究室の共用書棚としてご利用いただいています。ここには本棚と並んで電子レンジやコーヒーメーカーなどを置いたキャビネットなども置かれています。
研究室の奥の、本棚と直行する壁面には大型のモニターが置かれた教授のデスクが配置されています。入口側の壁面にはデスクが2台並び、こちらにもコンピュータのモニターが置かれ、デスクの上にはさまざまな器具や文房具なども置かれています。

本棚を2台並べると、幅3,430mmになりる全70コマによる、壮大な本棚です。この本棚の高さは2,400mmありますが、研究室の高い天井までは届いていません。棚板の相互のスパンが短いために、重量のあるコンテンツを収納しても撓みが生じることはほとんどありません。広い壁いっぱいに、垂直に、幅広く立ち上がる、文字通りの壁面収納です。この本棚は規格品では最下段には棚板はありませんが、特注で棚板を取り付けてあります。本棚の背面には巾木加工が施されているので、背後の壁面に沿わせて設置することができています。

奥行250mmの本棚は、縦297mm×横210mmのA4サイズのコンテンツを収納するのに適しています。1993年に行政文書の用紙規格がA4に統一されてからは、ビジネス文書の基本サイズはA4判とされています。また、写真集や論文などにはA4判が圧倒的に多く、近年では教科書のサイズもA4判が一般的になっています。

マルゲリータの本棚は、縦材と横材に切れ込みを入れて嵌合させて組み立てられています。背板のない構造のため、本棚の平面方向への堅牢性を確保するために四隅にブレース材を配置していますが、本件のように2台を連結する場合には、全体の四隅にブレース材を設置します。水平に7枚、垂直に11枚の棚板が等間隔に並び、その上に書籍などが置かれています。棚板を通して背後の白い壁面が見え、書籍の背表紙が作り出す多様なサイズと色の組み合わせが、白い壁面に複雑な陰影を加えています。

棚板の見付による格子状の細いラインが複雑な色面を覆い、壁面の前面に強く浮かび上がるため、一見すると乱雑な色面も全体を覆うグリッド線の効果で鎮静化されて見えます。さらに、四隅のブレース材による斜線が集中線のようなスピード感を加えています。

この研究室は、チャコールグレーのタイルカーペット、白い石膏ボードの壁、ジプトーンの天井ボードに囲まれた、典型的な大学の研究室らしいシンプルな空間です。テーブルの上に投影機材を置き、入口側の壁面に画像を投影しながら議論を重ねる光景が想像できます。ここでは、自由で熱意ある発想を持った学生たちが集まり、知恵やエビデンス、研究観察の結果を共有し、議論し、検証し、意見を交わしながら学問を進めています。

その背景となる壁面には、マルゲリータの壁一面の本棚が設置されています。研究室のメンバーが共通知識としておきたい基本的な書物、最新の論文、関連図書、参考図書、副読本などがここに並び、議論の際に必要な情報をすぐに取り出せる状態になっています。この本棚は、研究の進行と知識の共有を支える重要な役割を果たしています。

本棚に並ぶ書籍のタイトルから、この研究室が地球上の水循環に関する全ての歴史をカバーする学問分野の研究を行っていることがわかります。水循環は生命の維持に深く関わり、気象現象など学際的に広がる研究領域であり、人間社会の成り立ちとも基本的な部分で結びついています。この研究室は、地球の生成から未来に至るまでを視野に入れた論考を育むための環境とも言い代えられます。