シェア型書店という新しい業態が現在全国に広がっています。複数のオーナーがそれぞれ本棚のコマを借りてそこを小さな書店とし、その集合体がシェア型書店として一つの書店となる、そんなスタイルです。あくまで書籍そのものをシェアリングするという事ではなく本棚のコマを割り振ることによる本棚のシェアと言った方が分かりやすいかもしれません。
ここでは、そのシェア型書店の音楽バージョン、シェア型(棚貸し)のレコード・CD店という更に新しい業態のお店、東京・西荻窪にある「シェア音楽棚 tent」様の事例です。
路面店として外からそのまま室内を見渡せる店舗の壁面を埋め尽くすように「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を3台をコーナー部も伴ってその外から見える壁面2面を覆う形で導入いただきました。




LPレコードを収納する
「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」は開発当初よりアナログレコードの収納も前提にしています。単純に収納だけと考えると1つのセルに70枚ほど入れることが出来ます。しかしここでは収納と同時にその存在をアピールするプレゼンテーションも大事です。そのためある程度の余白を持ってレコードを収納し残った空隙にポップアップアイテムを置くことも考えられます。またLPレコードを探す人はそのジャケットの背表紙からでも十分に探し出せます。文字は小さいですが背表紙のサイズはその殆どが同じなのでフォントも同一なものが多いため探すのには難しくはありません。




LPレコードを展示する
一方でこのお店を外から見た際に最初に目を引くのは最上段に並べられたアナログレコードのジャケットです。アナログレコードの魅力の一つであるそのカバージャケットは非常に多くを語っています。それが水平にコーナーを跨ぎながら連続する様が今度はこのお店のコンセプトをアピールします。奥行350mmの本棚ではこの様にアナログレコードのジャケットをセルのサイズ一杯に展示することが出来るので収納と展示を両立させることが可能になります。



フィラー板による天井までの構成
また天井高さが2400mmより少し低かったためここでは本棚の縦材の最上部を50mmほど詰め、そこに専用金物を取り付けたフィラー板を設置、完全に天井に到達する壁面収納となっています。このフィラー板は見た目にも壁面を完全に覆うだけでなく壁面を傷付けない転倒防止策にもなります。

L字型コーナーを納める
本件では開口部を除いた壁面2面に連続してレコード収納棚を設置されそのコーナー部分はコーナー役物を取り入れた納まりとしてデッドスペースのない有効な納まりを作っています。そのコーナー部分は正面からは見えませんが奥にものを入れられるため本件の様なケースでは非常に有効です。

ウォールフックによる見出し機能
この本棚は正面から見るとレコードジャケットデザインを含めた概要が一目で確認できるのですが逆に真横から見るとそれは見えにくい状態になります。連続して並ぶ縦材の見え方は独自のものがありますが本件ではそこにウォールフックを付けてその居場所を分かりやすくされています。



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