国際的に活躍されているチェリスト・辻本玲さん。ご自宅の音楽室に開口部を設ける等のオーダー加工を施した「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」および本棚の横板のサイズに合わせてカスタマイズされた「Piano A3書類棚」を楽譜棚として並べてお使いいただいています。
本棚は、主に縦に収納される楽譜関連を中心に、さまざまなサイズの書籍を収納するように設計されています。横3コマ分の開口部を設けており、そこにはコンパクトなオーディオ機器が配置されています。この開口部の右側は、1枚の縦板で支えられており、板の厚さを24mmに設定して上部の荷重をしっかりと支える構造です。さらに、その右側下部には部屋の形状に合わせて、窓下の腰壁まで延長された収納棚が一体化されています。
楽譜棚
前述の様に、この楽譜棚はその縦方向のピッチを本棚の横板に合わせています。それにより全体としての統一感が生まれ一体型の壁面収納になっています。
楽譜は、演奏時に譜面台に置いて開くことを考慮されており、硬い装丁だと使いづらいため、柔らかい素材のものが一般的です。交響曲やオペラのような大規模なスコアを除けば、多くの楽譜は本としての厚みが薄く、背表紙が認識できないほどのものがほとんどです。音楽家にとって、楽譜は常に整理され、必要な時にすぐに取り出せるような状態であることが重要です。そのため、楽譜は薄い装丁が多く、平置きで積み重ねることが一般的です。しかし、これでは必要な楽譜が取り出しにくく、効率的な整理には程遠い状況となります。
さらに、西洋音楽はヨーロッパが発祥であり、楽譜も多くがヨーロッパで出版されています。その結果、楽譜のサイズはバラバラで、企画サイズも一定していません。このため、楽譜を系統的に本棚に整理して収めることは基本的に困難だとされています。それぞれの楽譜が異なるサイズであることから、収納や整理の方法に工夫が必要であり、音楽家にとっては大きな課題となっています。このような背景から、楽譜の整理は単なる物理的な収納だけでなく、実用性や利便性を考慮した体系的な方法が求められるのです。
ここでお使いいただいている楽譜棚「Piano A3書類棚」は、文字通りA3の書類を整理するための棚です。オフィスユースを前提としています。そのオフィスユースの書類棚の楽譜棚として新しい用途のご紹介です。
- 楽譜のサイズは基本はA4サイズ。しかし特に海外のものも含め、それを越えるサイズのものもある。そういう意味ではA4で限定してしまうと入らないものが多い。
- 楽譜は使用する際には見開きで使うためその場合はA3サイズになる。しかもコピーをとる場合は必然的にA3となるため、A3の紙が収納できるサイズは必須である。
- 薄い装丁のものが殆どのため楽譜を収納する譜面棚は「平置き」が基本である。
- その「平置き」とした場合の積載高さは3-4cm程度が目安である。それ以上だと下の物が取り出しにくい。
- 平置きでA4を並べて置ける。少し大きめのサイズも置ける。A3の紙も置ける、ということからこのA3書類棚のサイズは大変よいサイズである。
辻本 玲(OFFICIAL WEB SITE)
日本のチェリスト。愛知県岡崎市生まれ。父の仕事の都合で生後4ヶ月から11歳までアメリカペンシルヴェニア州フィラデルフィアで育つ。7歳の時チェロを始める。
大阪府立豊中高等学校卒業。2006年東京芸術大学音楽学部器楽科弦楽器専攻を首席で卒業。 同学内にてアカンサス音楽賞受賞、2005年5月22日、神戸ワールド記念ホールで開催された、1000人のチェロ・コンサートに参加。 2008年1月よりロームミュージックファンデーションより奨学金を得て、シベリウスアカデミー(フィンランド)に留学、2010年1月よりベルン芸術大学(スイス)に留学。
2015年6月より日本フィルハーモニー交響楽団のソロ・チェロ奏者に就任 。7月にはロシア国立交響楽団(ロシア国立シンフォニー・カペラ)との共演を果たす。2016年7月、クァルテット・エクスプローチェのメンバーとして、CD「クァルテット・エクスプローチェ ~響炎する4本のチェロ~」を発売、CD発売記念ツアーを開催した。 2020年1月よりN響契約団員(首席)。
使用楽器は、NPO 法人イエロー・エンジェルより1724年製作のアントニオ・ストラディヴァリウスを貸与されている。
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