神奈川県のマンションにお住いのお客様、ご自宅の仕事場に本棚を設置いただきました。本棚と反対側の壁面に置かれた昇降式のスタンディングデスクと合わせてワークスペースを作っておられます。
本棚は「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」の5列幅のものを使用。窓際は梁型に合わせて高さをカットされ、更に本棚の背面は引き戸に合わせて奥行を調整されています。
スタンディングワーク
長時間座ったままでいると、運動不足によって下半身の筋肉が衰えやすくなり、血行不良が起こる原因となります。海外の研究では、座る時間が多いことが寿命に悪影響を与え、糖尿病や動脈硬化を引き起こすリスクがあることも示されています。一方、立って仕事を行うスタンディングワークは、こうした問題を解消する働き方として注目されています。最近では、国内の企業でもスタンディングワークを取り入れる職場が増えてきました。座っての仕事と立っての仕事を組み合わせることは、オフィス空間での気分転換や作業効率の向上に効果的だとされていますが、これを在宅勤務に取り入れるのは現実的には難しい場合が多いです。
マルゲリータでは、在宅ワークで自由にオンオフを切り替えられる仕組みを提案しています。本件における昇降式スタンディングデスク自体はマルゲリータの製品ではありませんが、椅子に座るワークスペースとの組み合わせというコンセプトは同じです。この仕組みにより、在宅勤務でも効率的で健康的な働き方が可能となります。
背面に戸袋を作る
この部屋の入口は引き戸になっており、その引き戸の引きしろは室内側にあります。そのため、室内からは常にその建具が見える状態です。通常、このような配置では本棚を設置するのが難しいのですが、ここでは本棚自体の背面の一部をカットし、本棚と壁面の間に「戸袋」を作ることで対応しています。
この本棚には背板がないため、本をうっかり本棚の向こう側に落としてしまった場合、その時点で引き戸が閉まらなくなりますが、逆にその落ちた本を取り出しやすいというメリットもあります。この設計により、引き戸の機能を損なうことなく、本棚を有効に活用できる工夫がされています。
本棚の背面をカットして戸袋を作ることで、引き戸がスムーズに開閉できるようになっており、収納スペースの最大限の利用が可能になっています。これにより、限られた空間を効率的に使用し、室内の機能性を高めることができました。この工夫により、引き戸と本棚が共存し、実用性と利便性が両立された部屋となっています。
引き戸に限らず開き戸の場合もそのドアの動く軌跡には物が置けないという問題は常につきまといます。都市型の住宅で少しでも空間を有効に使いたい場合は引き戸の前面を有効活用することで単純にその部分の面積だけでなく室内のレイアウト、使い方にも選択肢の幅を広げられます。
何気に普通に見えるこのワークスペースの配置も実は本棚をこうして引き戸の戸袋としてお使いいただいたことによる副産物と言えます。実際に仕事場のレイアウトが綺麗に収まっていると忘れてしまいがちですが、ワークデスクとスタンディングワークの両立を可能にせしめた引き戸の戸袋としての使い方は本件では実は大きく作用しています。
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