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居酒屋(納豆倶楽部)の店舗に 壁一面の本棚 奥行250mm / Shelf

新宿区新小川町に新しくオープンした納豆倶楽部で「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を設置いただきました。

昼は納豆定食がメインの食堂で、夜には納豆を肴にした居酒屋になる納豆倶楽部。そこのカウンター後方スペースの壁面にディスプレイ棚として「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を設置していただきました。壁には長押があり、その上にはエアコンの室内機が設置されているので、床から長押までの高さに合わせてオーダー加工を施して、縦6コマ×横7コマの本棚として製作しました。文字通り、壁の前に「置いただけ」ですが、造作家具のようにこのスペースにぴたりと収まっています。本棚の背面には高さ70×奥行き10mmの巾木よけカットが標準仕様で施されているために、壁にぴたりと沿わせて設置できています。お客様の座るカウンターの後方スペースが本棚で占められて、通路幅が250mm狭くなっているのですが、そこには床から垂直に立ち上がる大きな壁面収納が実現して、店内に個性的な景観と実用的な空間を創り出しています。

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マルゲリータの本棚は、厚さ15mmの縦材と横材にそれぞれ切り込みを入れて相互に嵌合させて組み立てられています。両端の側板とそれぞれの横板とは最小限のボルトで固定されていて、側板から内側に締め付けるボルトの頭が並ぶ様子が側板のアクセントになっています。本棚が歪まないように背板を施す代わりに、本棚の四隅にブレース材を配置して平面方向への剛性を確保しているため、本棚の棚板をすかして背後の壁面が見えています。棚板は相互に短いスパンで固定されているために荷重に強く、重いコンテンツをたっぷりと乗せても、ほとんど撓みが生じません。

奥行250mmの本棚の1コマのサイズは幅325×奥行250×高さ325mmで、1コマあたりの耐荷重は約30kgあります。A4サイズの書籍やファイルなどを収納するのに適した汎用性の高いサイズで、A4より少し大きめのファッション系の雑誌やムック本などでも収納できます。本件では市販のバスケットがぴたりと収まって、見せない収納を手軽に実現しています。お客様の手荷物を納めておくスペースとしてもお使いいただけますし、細々したお店の備品などを収納しておく際の目隠しとしてもちょうど良い使い方です。

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白い漆喰の壁の前に、ブレース材で区切られた4つの小さなセルも含めて46個のセルがグリッド状に整然と立ち並ぶ、大型の壁面収納スペースが出来上がっています。最下段の7つのセルには敢えて何も置かず、ブランクのままにしてあります。この段は本棚の高さを調整するためにカットされていて、濃色のフローリングの上に8本の縦板が整然と並ぶ軽やかなビジュアルを作り上げています。

上方2,3段は大人が立った時に胸から腰ほどの高さになる位置で、置かれたモノが視界に入りやすく、手に取りやすいゾーンです。ここには蔵書などはもとより、小さなカードやガラス製のオブジェクトなどが並べられていて、お店からのメッセージをさりげなく伝えるコーナーになっています。最上段には上の棚板がありません。高さの制約がなく、カウンターの中からいつでも視界に入る位置で、天井灯を間近で受けるハイライト効果も加わって、特別なディスプレイスペースになっています。丁寧に額装された写真、アートワーク、額装されたユニフォームなど、ここに飾られたものには特別な思いがこめられていることが伝わってきます。また、エアコンの室内機の脇にある背の高いツールは手動のオレンジ搾り器で、その存在感も見逃せません。鉢植えのエアプランツも置かれています。エアプランツは、高温と蒸れと直射日光が苦手で、お手入れは霧吹きで水やりをするという変わった植物ですが、ここはエアコンの風があり、天井灯の光源に近く、冬でも過ごしやすい温度に保たれている環境なので、育成に適しているようです。本棚の木材の質感とエアプランツの葉の質感とがマッチして、生物の醸し出す雰囲気が、美味しい納豆を提供するこのお店の雰囲気ともよく調和しています。

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本棚の明るい色調は奥の壁にかかった暖かい色合いの暖簾とも馴染み、柔らかい照明に照らされて、リラックスしたお食事とお酒の環境を演出しています。梁の見える「あらわし天井」から長押までは深い色で統一されていて、天井で限定されたスペースを和風かつモダンな空間に見せています。長押から床までは白い漆喰の壁で、その壁の前に本棚が配置されています。フローリング、巾木、長押、小壁が濃色で、白い壁とのコントラストが鮮やかなこの一角に、明るい木材の薄い板の組み合わせでできた本棚が配置されています。上から2段目の背後の壁面には少し窪みがあり、ディスプレイされたモノの隙間を通って天井灯の光がほんの少しだけ壁面まで届いているのが見えています。

さまざまなモノがディスプレイされた本棚ですが、この壁面全体には棚板の見付が描く細いラインのグリッドがかかって、全体のビジュアルを統一し、雑多なコンテンツが一つにまとまった姿に見えてきています。光が棚板の上にかかって陰影のグラデーションを作っている様子とも相まって、本棚全体は寡黙な間接照明のようにも感じられ、「なぜか懐かしい」「さらに知ってみたい」「また来てみたい」と思わせるような柔らかな質感を持った印象が生まれています。

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写真は店主の比護太一さん。カウンター越しに撮影。


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