大阪府箕面市の別荘地の様な自然の中にある戸建て住宅の一室、ピアニスト丸山耕路様の音楽室に上段を「Shelf壁一面の本棚250mm」、下段の2段を「Shelf壁一面の本棚350mm」を組み合わせた特注の壁面収納を設置いただきました。更にトール型のスピーカーを両側に据えたオーディオ機器も配置して音楽一色で埋まった壁面を構成されています。クラシック音楽のスコア、音楽関連の書籍をその一面に集積しSTEINWAY(スタインウェイ)の置かれた広い音楽室を見渡します。
防音仕様の施された室内の本棚には楽譜、LPレコード、CD、音響機器が納められ、2台のグランドピアノと合わせ音楽室の壁面を形どっています。
本棚の上下で奥行を変える
本棚の上下で奥行を変えています。上部は奥行350mm、下部は450mmです。奥行を変えた主な理由は、レコードターンテーブルを設置するために必要な奥行を確保するためです。レコードプレーヤーの設置には最低400mmが必要で、機器によってはさらに広い奥行が必要です。ここでは、プレーヤーを設置し操作がしやすいように450mmの奥行を確保し、そのライン以下のすべてを同じ奥行に揃えています。結果として、水平に通った安定感のある形状になっています。
また、プレーヤーの上部の横板を抜いて蓋を開ける際に十分なスペースを確保しています。さらに、トール型スピーカーがその水平線を突き抜けるように立ち上がっており、書院造りの床の間を思わせる「空間を崩す」作法が目を引きます。本棚の上下で奥行を変えることによって生じた一本の水平線が、3箇所のイレギュラーな機器によりその形状が変わりつつも、全体として一つに収まっている、非常に美しいデザインと言えます。
奥行を変えたことによって生じる小さなカウンターは、楽譜に向かってメモ書きをする際や、レコードやCDをかける際の仮置き場として十分に機能的に活用されています。
アナログレコードプレイヤーはそのアンプ類と併せ2コマ分のスペースを空けています。その上部もそのまま本棚としてお使いになるため補強用の桁を渡しその上部の荷重を担っています。
この手首のレプリカはシューベルトのものだそうです。
この新しいお住いはピアノのために作られた住宅と言っても過言ではありません。この住宅の平面計画の中心は1階のこの音楽室です。また音楽室が出来上がった後にピアノを搬入することになるのですがピアノを横にしないでストレートに運び込むために玄関からこの音楽室まではストレートに通じる形になっています。
2台のグランドピアノはこの壁面収納と反対側のアクセントウォールに挟まれています。
吸音効果を兼ねたアクセントウォールは音楽室が奥に抜けるような重い色彩で作られ部屋に入ってピアノに向かう際にまるで暗闇に向かっていくかのような独特な空気を感じさせます。更にそれが同時にアイストップにもなり入り口側の壁面収納と対峙しています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井まで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。