L字型の壁面収納 Shelf 壁一面の本棚

戸建て住宅にお住いのお客様です。2Fのキッチンカウンターを囲む様に壁面収納を設置、独自の空間を作っておられます。その壁面収納に「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」と「Shelf 壁一面のコミック本棚 奥行180mm」を「コーナー役物」を介してL字型に連結させカウンターキッチンの背面の壁を余すところなく本棚、壁面収納としてお使いいただいています。更に柱に沿ったアイランド型キッチンの前面にはそのカウンターの下端に合わせたかの様な2段のオープン棚を設置、その棚上のスペースも合わせ見映えのするお酒が所狭しと並べられています。

一見するとキッチンカウンターと換気フードの位置からそれとわかる設えに対して違和感を覚える構成は、普通に考えると食器棚、冷蔵庫が置かれるであろう場所に本棚が設置されているからだと言えます。しかしアイランドキッチンの手前の洋酒の並びを通して立体的に拡がるその嗜好を凝縮したような並びはレンジフードの上にも並んだ洋酒の瓶も相まってステレオタイプな空間を作り出しています。

コーナーを介して左側の面は「Shelf 壁一面のコミック本棚 奥行180mm」を壁面の長さに揃えるため1列分のみ幅を調整して2台連結して梁下に合わせて置かれています。その幅を調整して短くしたセルの列にはエスプレッソマシンやコーヒーミルが程よいサイズで置かれテイストの揃った列を構成、それ以外のセルには主にコミック本が全集が揃った形で力強く並べられています。

一方、右側の面は「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」がほぼ天井まで、更にコーナー部を役物仕様に加工して180mmの本棚を垂直に受ける形で置かれています。こちらはサイズを問わない様々な本がそのサイズ毎に並び、文庫本の類はパッキングされた状態で2段に置かれています。ところどころに見え隠れするその人の生き様とも言える証も目を惹きます。

コーナー役物を使ったL字型の壁面収納

本棚は、その異なる奥行のものを直角に並べてお使いいただいています。その場合、コーナー部分に手が入らない箇所が生じない様に、片方を勝たせてもう片方を手前に引く方法をこれまで取ってきましたが、コーナー役物の開発により本の背表紙等は認識できませんがスペース自体は無駄にならなく、更には逆に少し隠しておきたいものを簡単に仕舞えるという副次的なメリットも生まれました。本件では更に奥行の異なる2台の本棚をコーナー役物を使って収めることになります。ここでは奥行250mmの本棚を勝たせてその一部に奥行180mmの側板を受ける面材を取り付けコーナーを有効に使った壁面収納にしています。

普通に考えたらこのスペースはシステムキッチンを中央に据えた所謂キッチンスペースです。背面には冷蔵庫、炊飯器等が並ぶ棚、食器棚が並ぶ姿が普通です。しかしそのスペースに本棚がL字型に壁面を占め更に趣味の書物、洋酒が所狭しと並ぶことにより、まずはその常識が見た途端に否定され、日常生活から大きく乖離した非現実的な景色はオアシス的な世界にすら見えてきます。しかもこのフロアの一部にその景色が纏められていて平凡の中の非凡とも言うべき凝縮された生き様がそこに見えます。

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