都内の閑静な住宅地にある瀟洒な戸建て住宅のリビングの一角に「Shelf 開口部のある本棚」を導入いただきました。
白を基調としたリビングの中の一段奥まったアルコーブにはめ込まれるようにコマ幅が調整された壁面収納です。家族の書籍、お子さんの本、玩具、写真立てといったややもするとカオスとなりがちなモノ達を中央の開口部に纏め、そこをセンターとしてプレゼンテーションするかのようにディスプレイされています。
本件では上部を本棚としてお使いいただいています。ご家族の蔵書、お子様の本、ファイルや辞書やCDなどが、天井まで届くセルの中に収納されています。本棚の奥行きは350mmあるので多くのセルで書籍を前後に2列に並べて収納されていますが、中段には専用アクセサリー「本棚の中の棚」をお使いいただいています。セルの中に前後に2列に並ぶ書籍のうち後列を高くすることで、後列の書籍の背表紙の一部が見えるようになっています。手放したくない本、シリーズで揃えた本などがそこに存在感を持って収納されている様子は、本と持ち主との大切な関係性も一緒に収められているかのようです。また下段にはIKEAの紙製ボックスを使われ見せない収納としてこの壁面収納の使い勝手を高めておいでです。
開口部をステージに
立った姿勢でも座った姿勢でもよく見える位置に設置された開口部は家族の飾り棚ステージとしてお使いいただいています。打ち放し風の壁面を背景に、ご家族の写真、賞状、トロフィーなどをここにまとめて飾ってあります。この飾り棚にも「本棚の中の棚」を使い、奥を少し高くしてそこにある写真も手前の写真の陰に隠れてしまうことがありません。雛壇状のステージを構成している感覚です。
この開口部の上部には補強材が2本渡してあります。マルゲリータの本棚は棚板を短いスパンで組み合わせることで棚板のたわみを発生させない構造になっています。開口部に設置した補強材によって開口部の上部も他のセルと同様の強度が保たれていますので、重量のある書籍などでもたっぷりと収納可能です。
IKEAの白いボックス ｜ 見せない収納
本棚の下から2段のエリアは収納用ボックスを活用した収納スペースとしてお使いいただいています。セルの大きさに合った6つのIKEAの白いボックスにはそれぞれ蓋がつき中に収めたモノを完全に見えない状態にして収納しています。このように収納してしまえば、生活感に溢れておしゃれな暮らしには似合わないけれどどうしても必要なモノ、色彩や大きさがアンバランスで視界を混乱させるモノなど、リビング周辺にありがちな雑多なモノを綺麗に片付けられます。
最下段は直接床に置く収納になっています。ボックスに収めてあるモノが重いモノであったとしてもフローリングの上を滑らせて出し入れできるので使いやすい配置です。
一番下の段の4つのセルと、下から2段目の真ん中のセルに収められている大小8つの透明な収納ボックスには、お子様のプラスティックのおもちゃが収納されています。おもちゃとは、大人の目からは価値のわからないものに見えたとしても、お子様にとってはそれぞれが価値を持つ大切なモノ。この部屋ではそのおもちゃは明確に分類されていて、収めるべき場所もそれぞれ決まっているように見えます。本棚に向かって左側にある階段下の斜めに切り取られた空間にも、大型のおもちゃやぬいぐるみなどが置かれています。床面に広がっていくお子様の活動スペースのすぐ近くに大切なおもちゃを綺麗に格納しておける収納スペースが本棚によってオーガナイズされているこの配置は、お子様にとって贅沢で幸せな子供時間を過ごすための空間になると思います。
壁と天井、そしてリビングと本棚の間に立っている柱などには白いクロスが貼られ、ドアや造り付けのクローゼットの扉も巾木も白です。天井はおしゃれな梁を露出させた構成です。梁の木肌の深いブラウンの色あいとフローリングの暗めのブラウンと、階段脇の竪格子の色が調和しています。ピアノやダイニングテーブルなどの家具の色はブラウンで統一されています。リビングの中の一段奥まったゾーンに設置された本棚の淡い木の色は、お部屋の全体を結びつける中間色の家具として、存在感を壁の中に溶け込ませています。また本棚に収まった6つの白い収納ボックスが室内全体と本棚とを連携させ、本棚の前の太い柱や天井、周辺の白い壁面などとのさりげない視覚的リレーションに効果を発揮しています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井やまで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。