美術本や大型の図鑑、建築写真集などの分厚い本は、美しい背表紙だけでなく、その中身にも魅力が詰まっています。
しかし、書店や図書館の棚に閉じられたまま並んでいるだけでは、その魅力を十分に伝えられません。
そこで注目されているのが、「本を開いた状態で飾る」という展示手法です。
表紙だけでは伝わらない中身の美しさを飾って見せることで、来場者の足を止め、美術本などに関心を集めるきっかけとなります。
この記事では、実際に美術本や分厚い本を開いて展示している施設の事例、その効果やメリット、さらにはおすすめの専用ブックスタンドまでを詳しくご紹介します。
美術本・分厚い本・大型本を美しく飾る方法についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
美術本・分厚い本をおしゃれに飾っている事例
まずは、実際に書店や図書館、ホテルライブラリーで美術本や分厚い本を開いて飾っている事例をご紹介します。
どの事例も、空間全体の印象を左右するディスプレイの工夫として注目すべき好例なので、今後のディスプレイの参考にしてみましょう。
角川武蔵野ミュージアム(エディットタウン)での設置事例
角川武蔵野ミュージアム内の「エディットタウン」では、まるで本の世界に迷い込んだような幻想的な空間が広がっています。
その中でひときわ目を引くのが、開かれた状態で展示されている分厚い大型本の数々です。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_557/
美術本や図鑑などがマルゲリータの「Piega ブックスタンド」に立てかけられ、中身のページが広く見えるよう工夫されています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_557/
来館者が思わず足を止め、ページに見入ってしまうような仕掛けが随所に施されており、「本は閉じているだけではもったいない」と感じさせられる演出です。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_557/
ライブラリーホテル「芝パークホテル」での設置事例
図書室併設ホテル「芝パークホテル」では、エントランスホールに隣接するラウンジエリアに「Piega ブックスタンド」を導入し、美術本や建築書を開いて飾っています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_575/
「人、街、歴史をつなぐLibrary Hotel」というコンセプトにふさわしく、本を開いた状態で設置し、手に取りやすい高さと角度に保っています。
訪れた宿泊者が気ままに立ち止まり、ふとした時間にゆっくりと本に浸れる工夫が随所に凝らされています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_575/
東京都写真美術館での設置事例
東京都写真美術館では、写真集やビジュアルブックなどの分厚い本を展示する際に、マルゲリータの「Piegaブックスタンド」を使用しています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_243/
静謐な空間に美しくページを開いた美術本が加わることで、空間全体がアート作品であるかのような存在感を醸成します。
写真の構図や色彩をダイレクトに伝えられるこの展示方法は、美術館ならではの「見せる技術」として、多くの来館者に強い印象を残しています。
書店・図書館で美術本・分厚い本を開いて飾る意味
美術本や大型本を開いて飾るというディスプレイ手法は、単なる見栄えの演出にとどまりません。
本の中身にこそ価値があるという前提に立つことで、より深い読書体験や購買意欲、来館者の滞在時間を生み出せます。
ここでは、書店・図書館それぞれの現場で美術本・分厚い本を開いて飾る意味について、実際の効果を交えてご紹介します。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/piega/bs-11.html
書店の「売れる仕掛け」として
書店で美術本や大型本を開いて飾ると、売上が伸びる仕掛けとして機能します。
たとえば、美術本を開いたまま目立つ場所に置けば、ページの中身の美しさに心を奪われた来店者が、その場で購入を決める可能性が高まります。
特に、価格の高い美術本は、表紙だけではなかなか手に取りづらいものですが、開いた状態で飾ることで、購入への心理的ハードルを下げる効果が期待できます。
また、図鑑や建築書、歴史資料集などの分厚い本でも同様です。
見開きで広がるビジュアルや情報の密度が直感的に伝わり、「この本にはこんなに多くの情報が詰まっている」と感じてもらいやすくなります。
このように、書店で美術本や大型本を開いて飾ることで、平積みや棚差しだけでは伝えきれない本の魅力を伝えられ、売上を後押しする仕掛けになります。
図書館の「人を呼ぶ工夫」として
図書館でも、美術本や大型本を開いて飾ることで、来館者の目を引き、滞在時間や利用頻度の向上につなげる工夫として活用されています。
静かに本が並ぶ書架の中に、ページを開いて飾られた一冊があるだけで、空間に動きと興味が生まれます。
目に留まった来館者が思わず足を止め、内容をじっくり眺めることで、本との偶然の出会いを生むきっかけにもなります。
また、展示ページを定期的に入れ替えることで、同じ本でも新鮮さを保つことができ、繰り返し訪れる利用者にも新たな発見を与えられます。
このように、美術本や分厚い本を開いて飾る展示は、図書館における来館者の体験価値を高め、「また来たい」と思わせる仕掛けとしても非常に有効です。
美術本・分厚い本を開いて飾るメリット
書店や図書館で美術本・分厚い本を開いた状態で飾ることには、実に多くのメリットがあります。
ここでは、具体的な5つのメリットについて、詳しく確認していきましょう。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/piega/bs-10.html
中身の魅力が一目で伝わる
美術本や分厚い本を開いて飾ると、中身の魅力を一目で伝えやすくなります。
特に美術本や図鑑、写真集のようなビジュアル重視の書籍では、表紙だけでは伝わらない中身こそが最大の魅力であることも少なくありません。
その中身をあえて開いた状態で見せることで、読者の関心をダイレクトに引きつけられます。
言葉を使わずとも、「この本にはこんな世界が広がっている」と直感的に伝えられる点が、開いて展示する最大の強みだといえるでしょう。

手に取る心理的ハードルを下げる
大型で重く分厚い本は、閉じた状態で置いてあると、見る人に「開いて見てもいいのだろうか」「扱いづらそう」という印象を抱かせてしまうことがあります。
その結果、内容がどれほど魅力的でも、手に取られる機会が失われ、その価値が十分に伝わらないことが考えられます。
しかし、最初から開いた状態で飾ってあれば、中身が見えることで、まるで家の扉が開かれているかのように心理的ハードルが下がります。
そのため、気軽に立ち止まって手に取ってほしい本こそ、開いて飾る価値が大きいといえるでしょう。
売上・貸出促進につながる
美術本や分厚い本を開いて飾ることは、書店での売上、図書館での貸出促進につながるメリットもあります。
特に美術本のように価格が高めの本では、「中身を知らずに買うのは不安」という声も少なくありません。
開いて展示されていれば、質感や構成を事前に確認でき、「実際に中身を見たうえで決めたい」というニーズに応えられます。
空間にアクセントを生む
美術本や分厚い本を開いて飾ることで、空間演出の一部としてアクセントを生むメリットもあります。
たとえば、鮮やかな図版や印象的なタイポグラフィー、精巧なイラストなどを開いて飾ると、まるでインテリアのような存在感を持ちます。
また、開いて飾る本は視線を誘導し、空間の中での導線設計にも貢献します。
その結果、書店では特設コーナーの印象を高め、図書館では静かな空間にリズムを加える役割を果たすでしょう。
テーマ展示や企画との相乗効果が高い
開いた状態で飾られた美術本や分厚い本は、テーマ展示や企画との相乗効果が高い点も大きなメリットです。
たとえば「春の自然」という展示テーマがあれば、桜のページを開いた写真集を並べるだけで、その世界観を視覚的に伝えられるでしょう。

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また、図書館の子ども向けコーナーで絵本の印象的な場面を開いて飾れば、来館した子どもたちの「読んでみたい」という気持ちを引き出すきっかけにもなります。
このように、本の中身をまるで「ポスター」のように使い、その魅力をより強く打ち出せる点が、開いて飾る展示ならではの大きなメリットだといえます。
美術本・分厚い本を飾るブックスタンド選びでの注意点
美術本や分厚い本を開いて美しく飾るためには、適切なブックスタンド選びが欠かせません。
本を引き立てながら、安全に、そして長期間にわたって展示できることが理想です。
ここでは、ブックスタンド選びで特に気をつけたい5つのポイントをご紹介します。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_575/
本の重さとサイズに合った安定性があるか
美術本や大型図鑑などの分厚い本は、1冊あたりが一般的な本より重くサイズも大きいため、ブックスタンドがしっかりと支えられるかどうかは非常に重要です。
耐荷重とサイズが合っていないブックスタンドを使用すると、転倒の危険があるだけでなく、本そのものが傷んでしまう恐れもあります。
そのため、書店や図書館で長時間にわたって飾る場合は、安定性と耐久性に優れた設計のブックスタンドを選ぶようにしましょう。
ページを開いた状態で支えられる設計か
美術本や分厚い本を開いた状態で飾るブックスタンドは、表紙やページの開き具合を適度に保ちながら支えられる構造かどうかもチェックが必要です。
支えが弱かったり、角度が合っていなかったりすると、飾っている間にページが閉じてしまったり、中心に寄ってしまったりすることもあります。
角度調整やページ固定の工夫がなされたブックスタンドであれば、美しい状態をキープしながら飾れ、本の魅力を最大限に伝えられます。
本を傷めずに設置できる素材・構造か
貴重な美術本などを扱う際は、飾るときに本を傷つけないことが大前提です。
そのため、表紙や背表紙に負担をかけないよう、支え部分の素材や加工に配慮されたブックスタンドを選びましょう。
たとえば、支えが角張っていないか、本が落ちないよう滑り止めが付いているかなどを確認しておくと安心です。
展示スペースを妨げないサイズか
美術本や分厚い本を飾る場合、ブックスタンドそのものが大きすぎると、周囲の展示とのバランスが崩れたり、通行の邪魔になったりすることもあります。
そのため、特に限られたスペースに設置する場合は、奥行きや高さにも注意しながら選ぶ必要があります。
本とブックスタンドの一体感を大切にしつつ、空間に自然と溶け込むサイズ感を意識すると、美しさと実用性の両立が図れるでしょう。
書店や図書館で美術本・分厚い本を飾るのにおすすめのアイテム
最後に、書店や図書館で美術本・分厚い本を開いて飾る際に重宝する、おすすめのブックスタンドを2つ厳選してご紹介します。
本を開いて飾ることを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Piega 本を開いて見せるブックスタンド 120°タイプ
こちらは、本を120°に開いて飾れるブックスタンドです。
仰角が120°なので、ページの開く角度が限られるハードカバーの分厚い本などに適しています。

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2枚のスチール板を中心で留めたシンプルな構造で、本を受け止める座面、それを持ち上げる垂直面、全体を支える底面の3面が折り紙のように構成されています。
開いた状態の本を置くと、まるで本が宙に浮いているかのように見え、美術本や分厚い本をおしゃれに飾れます。
Piega 本を開いて見せるブックスタンド 160°タイプ
こちらは、仰角が160°に設定され、ソフトカバーの分厚い本などを飾る際に最適なブックスタンドです。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/piega/bs-11.html
スタンド株にはアルミアングルが取り付けられているため、本が滑り落ちることもなく、安全かつ魅力的に本を飾れます。
また、底面にはキズ防止と滑り止めを兼ねたウレタンバンパーが付属しているので、滑りやすい展示台などでも安心して使用できます。
まとめ
今回は「本を開いて飾る」ことをテーマに、書店や図書館の事例や、開いて飾るメリット、ブックスタンド選びの注意点、おすすめ商品などを詳しくご紹介しました。
美術本や分厚い本などを開いた状態で飾ることは、単なる視覚演出にとどまらず、本の魅力を最大限に引き出すための有効なアプローチです。
書店では購買意欲を促し、図書館では来館者の関心を惹きつける導線となり、より魅力的な空間に仕上がります。
今回ご紹介したことを参考にして、自施設に最適なブックスタンドを導入し、美術本や分厚い本をもっと魅力的に見せる工夫を取り入れてみてください。
マルゲリータの公式サイトでは、今回ご紹介したブックスタンド以外にも、色々なおしゃれインテリアを多数ラインナップしています。お客様の使用実例もたくさん掲載されているので、おしゃれで実用的な家具や展示用什器の購入を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。