神奈川県の郊外のマンションにお住いのお客様です。レコード棚として「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を導入いただき早5年以上経ちます。この度改めてその様子を撮影させていただきました。

音楽のための壁面収納
基本的にはLPレコードやCDをレコード棚に収納しアンプやプレーヤーなどの機材は棚と直行する位置にシェルフを組んでコンパクトに納めて配置しています。
入口付近はエレクトリックな音、窓の方に行くにしたがってアコースティックな音のエリアに緩やかに区分けされています。レコード棚の最上段の両端にスピーカーを置き、壁から離して置かれているため、音がクリアになり隣の部屋への音漏れも防ぐ配置です。レコード棚と機材を置いたシェルフでL字型に囲まれたその空間は音楽がご趣味のお客様にとってオープンな心地よいスペースとなっています。

壁一面のレコード棚
棚の最上段は建物の梁のサイズに合わせてカットされています。また棚の背面には巾木の厚みを吸収するためのカットが入っているので壁面にピッタリと寄せて設置できています。マンションの限られた室内空間においては、収納機能を垂直に集積して付加する方法は居住空間を確保しつつ多くのモノを保有するための絶好の解決策です。

アナログLPレコードの収納
大切なアナログレコードがいつでも手に触れられるところに並んでいる。これはコレクターにとっては必要な状態です。LPレコードを両手で持つサイズ感と重量感、ジャケットのデザイン、そして収録された時間を再生するという本質的な機能、など持ち主にとっては貴重なものですがどこにどのようにそのコレクションを並べるかはコレクターにとっての悩みの種でもあります。

この壁面収納は奥行きが350mm、セルの高さは内寸315mm と、LPレコードの収納に最適なサイズです。セルの幅はそれぞれ315mmなのでジャンルごと、アーティストごと、発表年代ごとなど自由に分類するにも適しています。またこの壁面収納は縦と横の板を嵌合して形成されているために高い剛性を有しアナログレコードをぎっしりと収納してもたわむことはありません。このように壁一面をレコードで覆い尽くすような収納が実現できるのです。レコード棚の正面からそのコレクションを眺めると高密度で並べられたレコードの背はさまざまな色彩を持つ細いストライプが集積した色面とも見えます。その縦の細いラインの流れを区切るのが棚板です。縦6コマ×横7コマの棚の見付がストライプの面にカットインして全体をグリッドで包み込むようなパターンが浮かび上がります。壁全体が障子の格子のようなリズムを備えたビジュアルとなり、さらにブレース材の斜線が集中線のような効果を加えコレクションの全体像を引き締めます。

導入していただいてから5年が経過した棚は、使いこなされていながら暮らしの中に馴染んでいる姿を見せています。
下から4段目は棚の前に立った状態で視線と手が届きやすい高さなので、細々としたものを置きやすく自然とモノが集中してくる棚です。この段に専用アクセサリーの「ファイルボックス4列」と「A4書類収納引き出し2段」をお使いいただいています。収納するモノを分類し仕分けすると同時に見せない収納としての領域が確保できます。その他にも収納用のプラスチックケースなどを活用し収めやすく取り出しやすい収納を実践されています。上から2段目では「本棚の中の棚」を活用してCDのコレクションの背面のタイトルが見えるように格納するスペースを作っています。

転倒防止の措置として本件では棚の最上部の両端に突っ張り棒を立て床と棚の間にも緩衝材を噛ませています。突っ張り棒の置かれたセルにはスピーカーが配されていて視覚的な違和感を軽減されています。楽器は音楽愛好家にとって大事です。弾きたいと思った時にさっと手に取れる状態にしておくこと、同時にうっかり足にかけたりぶつかってしまったりすることのない安全な位置を確保することは暮らしをカスタマイズする上でとても大切なポイントです。

この部屋で真っ先に目に入る楽器は棚の前のカウンターチェアに寄り添うようにして置いてあるギタースタンドに載せたストラトキャスターですが、右側の縦板にはギターハンガーが取り付けられ、レスポールが垂直に架けられています。棚と壁の間を活かした絶好のポジションです。棚と窓側のテレビの間にも、柱が1本立てられていて両端に突っ張り棒の機能を持つ器具をつけて柱を立て、そこにはアコースティックギターとバッグが架けられています。壁に直接釘を打てない場合の対応策です。









