都内のマンションにお住いのお客様です。そのリビングダイニングの壁面いっぱいに「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置いただきました。幅5コマの本棚2台を横に連結させ広く、纏まった壁面収納を構成されています。この設置面の上部には梁が通っていますが、本棚の背面を梁のサイズに合わせてL型状に加工することで、その梁を本棚が覆い隠し、梁の存在を感じさせない見え方になっています。
梁への対応
本棚を設置しようとする壁面に梁がある場合、その対処は基本的には2通りのパターンがあります。1つは本件のように本棚の背面を梁のサイズに合わせてL型状に加工する方法です。この加工方法では梁の存在を本棚で隠すことができるうえ、天井いっぱいまでの本棚を実現することができます。一方もう1つは本棚を梁下までの高さにカットする方法です。その際には、梁下とのクリアランスを10㎜~20㎜ほど確保して本棚を加工します。前者の方が見た目に綺麗に収まりますが、それは梁のサイズによって異なります。梁のサイズに合わせて本棚の縦板を加工するにあたり、梁が大きくなるにつれて加工する面積が大きくなるため、縦材の残りが少なくなり、強度を保ちにくくなります。また梁の奥行が大きい場合、却って梁下までで本棚を収めたほうが自然に収まるケースもあります。そのためマルゲリータではお客様のお部屋の状況に合わせて、ベストな提案ができるようコミュニケーションを取りながら図面を作成していきます。
見せる収納と見せない収納
この壁面収納には見せる収納と見せない収納が自然に使いやすい形で共存します。MDFが面で見えているものは「専用カセット」の「引き出しファイルボックス1列」、「引き出しファイルボックス4列」、「A書類収納2段」、最下段の白い面はIKEAの紙製収納ボックスです。書類や小物など雑多に見えやすいものはこれに収納され見せない収納として機能します。一方で見せる収納、そこには本を面で展示、或いは観葉植物、陶器等が飾られていて規則的な定位置は決めずに実用的なリビングボードとして動的に展開されます。
ルイスポールセンPH5
ダイニングテーブルの真上にはルイスポールセンのPH5の照明が使われています。
現代の照明を代表する最高傑作のひとつであり、60年の時間を感じさせない所謂名作と呼ばれている照明器具です。この特徴的なシルエットはデザイナー、ポール・ヘニングセンによるもので5枚の反射板を細いロッドで繋いだ繊細な構造、理想の光を目指してデザインされたこの反射板の設計には、数学的な”対数螺旋”が用いられ美しいフォルムを特徴づけています。また、反射板は光源の電球を包み込むように配置されており、どこから見ても電球の光源が直接目に入らない、明るいのに眩しくない、快適なライティングを実現しています。
この事例と関連するプロダクト
壁面を天井やまで最大限に活用できる壁一面の本棚。専用の収納ボックスもある組み立て式。