夫婦の書斎

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書斎は読書や書き物をする机や本棚を置いた部屋から発展し、やがて仕事をするワークスペースとなり、今では単にプライベート空間を意味する場所も指す様になりました。
家具やインテリアの配置を考える使い易い空間を模索するのはもちろんですが、部屋の形にはとらわれない、というのが今風の考え方です。
書斎の基本となる仕事部屋から、家族で使えるプライベート空間の造り方まで、様々な展開の仕方がそこにはあります。

夫婦の書斎をリビングダイニングに作る

戸建て住宅リビングの壁面に | 開口部のある本棚 / Shelf (No.20) | マルゲリータお客様の使用例 おしゃれ 壁面収納 テレビボード

仕事部屋となる書斎の造り方は、「仕事に集中できる空間作り」と言い換えることができます。
個室であることが理想ですが、住宅事情などから、その確保が難しい場合は、リビングや通路奥などの空間を活かした半個室的な書斎造りも最近の傾向です。
勉強や趣味のプライベート空間としての書斎なら、家族で共有でき、自分が望むライフスタイル実現の大きな手助けとなります。

夫婦そろってリモートワークや勉強をする際は、作業部屋を分けるのが理想です。
だが「家が狭くて個人の書斎が作れない」という人も当然多くおられます。
しかし、1畳分の広さがあればワークスペースを作る事は可能です。
食器棚や本棚、寝室のタンスなど家具を1つ手放すだけで机を置くスペースは捻出でき、作業時はお互いのパーソナルゾーンに入らないよう、床に置くマットで穏やかに区分する事も可能です。

しかしリビングやダイニングの一角に半個室的な書斎を作る場合、家族と目が合う方を向いていないか、家族が動くたび目の前の作業が分断され気が散る様な事にはならないか、など、いろいろと考えなければならない要素はたくさんあります。
それぞれが壁や窓の方向を向き、夫婦であればお互い背中合わせで作業するのも、限られたスペースを二人で有効に使う際には一つの解決方法と言えます。

夫婦で共有する書斎を作る

【File 793】ご夫婦で使う書斎 - Shelf カウンター付き本棚 - マルゲリータお客様事例

リビングダイニングの一角ではなくそれとは別に書斎を作る場合、その書斎は夫婦が一緒に仕事や趣味を楽しむ場所であり、コミュニケーションを深める場にも変わります。
そのため、互いの意見を尊重し、共通の目標や利用方法を話し合うことが大事です。
仕事や趣味の性質や嗜好に応じて、個々のスペースや収納方法を調整し、互いのニーズに合わせた環境を整えることが必要です。
書斎の使い方や収納方法を明確にし、互いの役割分担を決めることで効率的な共有が可能です。
例えば、机や本棚を分けることで、個々の作業スペースを確保しそれぞれのファジーな領域を作る、という考え方です。

一方でプライバシーを守るために、個人的な書類や資料を保管するための個別の引き出しや収納スペースを設けることも考えられます。
夫婦で共有する書斎では、予定を調整し、互いの仕事や趣味のスケジュールを考慮しながら利用することが大事です。
共通の利用時間を決め、予定が重ならないように配慮する事は殊の外重要です。

方向性の異なる仕事の場合の夫婦の書斎

全く方向性の異なる仕事の場合、当然ながら作業スタイルや仕事場としての環境も異なる場合があります。
そのため、夫婦が同じ空間で仕事をすると気になる要素やコンフリクトが生じることもあるため、その様な方向性の異なる仕事をする場合には、お互いの作業内容が干渉しないような環境を作る事も大切です。
夫婦が同じ書斎で異なる仕事をする場合、お互いの動きが邪魔になり、集中力や生産性が低下するとも言われています。

また方向性の異なる仕事をする場合、それぞれの仕事に集中するためにプライバシーが必要になってくる場合もあります。
同じ書斎で作業すると、プライバシーが守られずストレスや不満が生じる事もあります。

一方で、方向性の異なる仕事をする夫婦でも、時には協力や意見交換が必要な場合があります。
そのような場合は、共有の作業スペースが役立つかもしれませんが、それでも十分なプライバシーと専門性を保つことは必要です。

オンライン会議への対応

【File 770】ホームシアターに続くデスク付き本棚 - Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm - マルゲリータお客様事例

夫婦の書斎にオンライン会議が入る場合、相方が静かに作業できるスペースを確保することが重要です。
オンライン会議中は騒音や干渉を最小限に抑えるため、夫婦で書斎を交代して利用することも考えられます。
もし書斎が片方の専用スペースであれば、他方は別の部屋や静かな場所で作業することも必要です。

オンライン会議中は、外部の騒音を最小限に抑えるために遮音対策を行うことが必要です。夫婦共有の書斎であれば、場所を変えるなどしても外部の音を遮断し、プライバシーを確保することができます。

また夫婦で書斎を共有する場合、オンライン会議が入る予定を互いに理解し、スケジュールを調整することが重要です。
また、会議中は静かにしてもらうように予め伝え、お互いの作業に配慮することも大切です。
コミュニケーションを通じて、共有スペースを効果的に利用するためのルールや習慣を確立することが重要です。
必要に応じて、別の部屋や静かな場所で作業を行ったり、オンライン会議の時間を調整したりする必要があります。

オンライン会議が入る場合の夫婦共有の書斎では、お互いのスケジュールやニーズを理解し、効果的な共有スペースの利用を促進するための配慮が必要です。
柔軟性を持って対応し、お互いの作業効率とプライバシーを確保するための対策を行うことが重要です。

自宅の一部を使った仕事部屋

【File 767】チェック柄のアクセントウォール - Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm - マルゲリータお客様事例

自宅の一部を仕事スペースとして使う場合、専用の作業空間が確保されます。
これにより、仕事に集中でき、他の家族や外部の影響を最小限に抑えることができます。

また自宅の一部を仕事スペースとして使う場合、通常は仕切りがあります。
これにより、プライバシーが保たれ、外部の干渉を減少させることができます。
自宅の一部を仕事スペースとして活用することで、仕事と家庭を両立させることが出来ます。

実例

File793 ご夫婦で使う書斎

カウンター付き本棚は本棚にはカウンターが付いたものです。
その中央の1列を共有スペースとして、それによって二つのエリアに分かれています。
さらに、各エリアには2×3の開口部があり、モニターやその他の機器を置くことができるようになっています。
このスペースは、夫婦で共有し、それぞれのワークスペースを確保するために使用されています。


File782 夫婦の書斎

カウンター付き本棚は2箇所の開口部を設けて広いデスク面を確保、それぞれにモニター、ノートPCを置かれ、ご夫婦でお使いになられています。
またそのカウンター付き本棚の左側には同じ奥行の壁一面の本棚を、そのコマ幅を調整して連結、文字通り完全な壁一面の壁面収納としてこの広い書斎の一面を覆います。


File684 ソファーのあるご夫婦の書斎

斜めの天井を持つ部屋では、最上段の一部を省いて、天井の傾斜に合わせて自然な形で調整されています。
さらに、カウンターの天板を支える脚材は、スチール材に変更されています。
この部屋では、カウンターを搬入する経路に不安があったため、カウンターは分割されて納品されています。
分割されたカウンターは、裏面にテンションがかかる連結金具で固定されており、外見や使い勝手に全くと言っていいほど支障がありません。
同じ部材を切断加工しているため、木目も一体感のある統一された仕上がりになっています。


File572 戸建て住宅の壁面収納に

リビングルームの収納ユニットは、ダイニングエリアに接続され、部屋の中央からやや南側にある高い窓を利用して、段状に配置されています。
この壁収納の南側の半分は、壁一面の本棚であり、その中には開口部があり、デスクが設置されています。
このデスクは可動式であり、リビングルーム内で夫婦が共有するワークスペースを提供します。
本棚の一部は開口部付きであり、それがデスクの作業スペースに連続しています。


File537 広いリビングの壁面収納に

この壁面収納はご夫婦のそれぞれのワークスペースも兼ね、カウンター付本棚の前面に2コマ×2コマの開口部を2箇所並べて設け、その中にモニターをコンパクトに納め機能的にも充実したツールと化しています。
作業スペースとしてのカウンター付き本棚にはそのまま壁一面の本棚を連結し、壁面を端から端まで覆う文字通りの壁一面の本棚となっています。


File524 ご夫婦で使う書斎

ご夫婦の書斎に開口部のある本棚とそれに合わせる形でコンソールデスクを2台を並べて置かれています。
コンソールデスクは本棚のサイズに合わせた製作うされています。
ここでは、お二人は横7コマの幅の本棚をちょうど同じサイズに2等分して、半分ずつお使いになっています。
中央の列は二人の境界線であると同時に共有エリアとしてこの1列には専用カセットを3つ使って、スペースを二つに分けています。


File435 ご夫婦共用の書斎に

ご夫婦共用の書斎では、一つの部屋を共有されています。
各々が壁一面の本棚を所有し、書籍でほぼ満たされています。
また、それぞれが自身のワークスペースとなる机を持っており、空間を共有しながら、窓を活かした自然な家具配置がされています。


File339 リビングを夫婦の書斎に

リビングダイニングエリアには、カウンター付き本棚とロータイプ本棚の2台が並べられています。
これらの本棚は、カウンターの面とロータイプの天板が同じ高さになっているため、一体のリビングボードのような外観を持っています。
この配置により、スムーズな視覚的連続性が生まれ、空間全体が統一感を持ち、調和の取れたデザインとなっています。

考察

家族で作業スペースを共有する

【File 662】間仕切りとしてリビングを仕切る - マルゲリータお客様事例

住宅の設計における基本的なアプローチは、公的なスペースと私的なスペースをはっきりと区別することです。
私的なスペースには、書斎や勉強部屋、そして就寝を行う寝室が含まれます。
一方、公的なスペースはリビングダイニングとなります。
また、住宅の場合、水回りも公的なスペースに含まれます。

こうした公的と私的の区分は、住宅のレイアウトを決定する際の基本的な暗黙の了解でした。
しかし、これは戦後に洋風の間取りが普及し始めた時代の一種の延長線上にあるとも言えます。
現代社会では、働き方や生活様式が大きく変化しており、その流れに沿ったレイアウトや使い方の変化は自然な流れです。
そのため、私的なスペースである個室や寝室の利用方法も変化していく必要があり、それに応じて家族で共有する書斎の在り方も変わっていくと考えられます。

これまで、各家族メンバーは自分の寝室を仕事や学習に利用するプライベートなスペースとして活用してきました。
しかし、資料やOA機器などの大きなアイテムが必要な場合には、家族全員で共有する仕事や学習スペースが必要になることもあります。
さらに、子供の学習スペースを含めることで、リビングでの学習を促進し、より効率的な仕事や学習の方法を確立することができます。
私的な領域と公的な領域の境界を変更することで、より効率的な使い方が可能になります。

カウンター付き本棚を2分する

【File 793】ご夫婦で使う書斎 - Shelf カウンター付き本棚 - マルゲリータお客様事例

夫婦で書斎を共有する際には、カウンター付き本棚を使用することが、面積を効果的に活用する最もコンパクトな方法です。
実際の例では、7列サイズのカウンター付き本棚の中央列を共有ゾーンとして利用し、文具やステーショナリーなどを収納することができます。
その両側には、各々のPCモニターを配置したり、カウンター付き本棚として使用したりすることが可能です。
また、将来の模様替えにも容易に対応可能とするために、壁一面の本棚の前面にコンソールデスクを配置するという方法もあります。
これにより、使い方の多様性が生まれ、書斎の空間がより柔軟に活用いただけます。