都内の戸建て住宅にお住いのお客様です。
階段を上がった二階の窓に面したアルコーブを書斎として使っておられました。この度、机をそのまま残しそれ以外を可能な限り天井までの本棚に造り変えました。その記録です。
まずは、本棚導入前(ビフォー)と導入後(アフター)の様子をスライドショーでご覧ください。
ここからは、本棚導入後のお部屋の様子(写真)です。

置くだけのリノベーション
現状の机とその上部、また机に向かって右側の本棚を新設いたしました。この書斎のリノベーションは工事を伴わない置くだけのリフォームです。既存の状態の正確な計測、本棚を置いた場合の荷重の予測に基づいてそれぞれのそれぞれのパーツを置いていき必要な箇所は固定した置くだけのリフォームです。

既存の造り付け机に十分な耐荷重があるためその上に窓を避けながら本棚を2台並べて設置いただきました。サイズは「Shelf壁一面の本棚A5サイズ奥行180mm」と同一です。

コーナーを有効に使う
この画像で正面、机に向かって右側の本棚は「Shelf壁一面の本棚奥行250mm」のサイズで構成されています。一方で机上の本棚は奥行180mmのものをベースに加工したものです。その二種類の奥行の異なる本棚を机上のコーナー部で連結させ役物加工によりコーナーにデッドスペースを持たない造りにしています。

また机のサイズに合わせ、本棚の割付はこの様に幅の狭いセルを3列並べ残りは通常の均一な割付になっています。


コーナー部分の取り合いのディテールです。役物で奥に入り込みデッドスペースを解消しています。

既存の机天板とのとりあいのディテールです。



もともとは階段を上がったところの広めのアルコーブを利用された書斎のその機能を生かしつつ収納量を各段にあげた事例です。

コロナ以降、テレワークが増えた昨今自宅で仕事をすることの良しあし、効率は人によって異なります。しかし書斎があったことによる満足感を憶えた人は少なからずたくさんいます。更に今後コロナが収束した際には今までと働き方そのものを大きく見直す企業も増えてきています。
書斎スペース
ここで書斎とは。それはその家の世帯主である夫や父親が専有できる独立した部屋をいいます。いわゆる男の隠れ家です。そこは趣味や仕事など好きなことに没頭することが出来る部屋です。ここで部屋というと壁で囲まれた一室となりますが仮に自宅にその部屋がなくても例えば本棚等でその領域が仕切られたスペースであれば十分に書斎として機能します。独立した一室ではありませんがリビング、廊下、階段などの一角に設けられた世帯主が専有できる小さな空間です。独立した一室で籠る形になるより視覚的に家族の目に入りながら自分のテリトリーを発揮できる有効なスペースとなり得ます。日本では特にその住宅事情から来る書斎は英語でいうstudy room , library とは若干異なり「書斎の様なスペース」、すなわちDEN(くつろげる空間、奥まった空間)という語が書斎や個人用ワークスペースの意味としてしっくりきます。

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