「株式会社 ブックウォール」様は、書籍の装幀、ブックデザイン、エディトリアルデザインを中心に活動するデザインオフィスです。今回はその製作拠点のオフィスリノベーションの一環として、「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」、「Shelf カウンター付き本棚」(奥行250mmにて特注)を計10台「Piano A3書類棚」を2台を導入いただきました。
まずは、本棚導入前(ビフォー)と導入後(アフター)の様子をスライドショーでご覧ください。
エディトリアルデザインのオフィスリノベーション
本件のオフィスリノベーションは、本棚を中心とした壁面収納を軸に行われました。ビフォーアフターの映像からも、このリノベーションによって間取りが大きく変わったことが一目瞭然です。まるで大規模なリフォーム工事を行ったかのように見えますが、実際の作業内容は、元々あったテーブルや棚を撤去し、新たに本棚とカウンター付き本棚を設置するという比較的シンプルなものでした。この作業は、既存の家具の撤去を含めて約1日で完了しています。
マルゲリータの「Shelf 壁一面の本棚」は、壁一面を造作家具のように覆い、間仕切りとしても使用できるため、内装工事に頼らずに大規模なリノベーションを実現することができます。この本棚の設置により、オフィスの機能性と美観が大幅に向上し、空間が見違えるようになりました。
まず手前の打ち合わせスペースの壁面に「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」を追加で設置いただきました。このデザイン事務所ではブックデザイン、書籍の装幀を手掛けておいでです。奥行き180mmの浅い本棚が背景となりクライアントと製作者との打ち合わせが行われ、その背後にある本棚には今までに手掛けられた数々の書籍が並べられています。
装幀
装幀とは、本や雑誌などの出版物におけるデザインと装飾のプロセスを指します。装幀の目的は、本の魅力を高め、読者の興味を引きつけることです。この「装幀(ソウテイ)」という表記には他にも「装丁」、「装釘」、「装訂」といった異なる文字があります。どの文字を使うかは、出版社や装幀家のこだわりによって決まることが多いようです。ブックウォール様では「装幀」と表記されているため、ここでも「装幀」を使用しています。
奥のワークスペースには、元々あったテーブルと棚を入れ替える形で「Shelf カウンター付き本棚」を新たに設置し、省スペース化を実現しました。この省スペース化にはいくつかの工夫が施されています。まず、通常800mmあるカウンター付き本棚の奥行きを変更しました。本棚部分の奥行きを350mmから250mmにし、テーブルの奥行きを450mmから350mmにすることで、全体で200mmを縮めています。さらに、本棚部分に開口を設けることで、PC作業に十分なスペースを確保しています。
テーブルレイアウトにはスペース効率を考慮し、背面対向式と対面式を組み合わせた配置が採用されています。対面式の部分では、背中合わせにカウンター付き本棚が配置されています。本棚が間仕切りとして機能することで、対面式配置で気になる相手の目線を遮り、集中できる空間が生まれています。
通常、本棚を間仕切りとして使用する際には、その固定方法が課題となりますが、背中合わせで設置することで床の設置面積が広がり、転倒防止にもつながります。さらに、本棚の高さを背の高さ程度にすることで上方に抜け感が広がり、連続する天井の下で気持ちの良い空間が生まれ変わっています。この工夫により、機能的で快適な作業環境が実現されています。
オフィスの中心には「Piano A3書類棚」と「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」がこれも背中合わせで置かれています。本棚は元からお持ちだったPianoのサイズに合わせて製作されています。この本棚はPianoの背面に沿う形で、手掛けられた書籍たちが表紙を向けて並べられています。同時に背中合わせで固定することにより、底面の面積を増し、転倒防止にも有効に作用しています。
Pianoシリーズは連続した棚からなるシンプルな収納棚です。「Piano」とはイタリア語で「階(フロアー)」を意味しています。文字通り多層階に積み上げた収納棚で、大量のメディアや書類の分類保管が必要なオフィス家具として多くご利用いただいています。「CD収納棚」、「DVD収納棚」、「A4書類収納棚」、「A3書類収納棚」に合わせたサイズ展開があり、高さを段階的に選べます。本件でお使いいただいているのは、「Piano A3書類棚」で、21段の製品です。
多くのスタッフが働くオフィスにおいて、ファイリングや仕分けなどの整理整頓の手法を構築する際に重要なのは、全てのメンバーが迷わずに必要なものを見つけ出し、手間をかけずに素早く取り出し、使い終わった後も簡単に片付けられる仕組みが実現できるかどうかです。シンプルで共有された出し入れのシステムがあれば、物を探すために無駄な時間を費やす必要がなくなり、業務の効率が向上し、全体の生産性が高まります。
また、必要なものが整然と整頓され、確実にそこにあるという感覚は、探すための煩雑な作業から集中力を削がれることなく、無駄な時間を省くことができます。その分のエネルギーをクリエイティブな活動に向けることができるのです。もし、特定の個人が自分のためだけに使うスペースであれば、第三者には混沌として見える状況が、実は独自の創造性を生み出す源泉となる場合もあります。
しかし、複数のスタッフが集まり、共同作業によって成果物を作り出す場合には、「あるべきモノが、あるべき場所にある」という安定した状態が、仕事の基盤となります。これは、より良い成果物を目指すための重要なスタート地点であり、全体の作業効率を高めるために不可欠な要素です。このような整理整頓の手法が確立されることで、チーム全体がスムーズに協力し、最善の結果を生み出す環境が整います。
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