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品名 EXA
シェーズロング品番 EXA-CHAISE-LONGUE 素材 アセチル化木材アコヤ
(ラジアータパイン)仕上げ 自然塗料(屋外用) サイズ W1550×D587×H800mm 備考 お客様組み立て品
面を線で構成する、屋外のための機能的長椅子
本作では、スティック状に加工されたアセチル化木材を交互に配列し、その接点にステンレスの丸棒を通して連結しています。この連結部がヒンジのように機能し、全体で三箇所の屈折点を形成。座部・背部・脚部がそれぞれの角度で連なり、身体の動きに呼応する柔軟な座り心地を生み出します。両側にはスチールプレートを配置し、素材の異なる要素を構造的に一体化。木材の温かみと金属の剛性が明快なラインで融合することで、強度と軽やかさを併せ持つ独自の構造体が成立しています。
使用しているアセチル化木材は、木材中の親水性分子を化学的に安定化させることで、腐朽や湿潤による変形を抑制した高耐久素材です。屋外環境下でも寸法安定性と耐候性を維持し、メンテナンス性にも優れます。自然素材の風合いを保ちながら、環境変化に対して強いという点で、EXAシリーズが目指す「屋外での持続可能なデザイン」に合致しています。
本プロダクトは、EXAシリーズに通底する「屋外使用における構造体としての成立」に基づき、面を線の集合として再構成したデザインです。透過的な面構成により、水が滞留せず、風や光が抜ける開放的な印象を生み出します。時間や光の角度によって影の表情が変化し、自然環境と呼応するようにその姿を変える点も、EXAの思想を体現する要素の一つです。
線材が集合して面を形成し、屈折によって立体が生まれる。その構成原理は、家具でありながら建築的スケール感を帯び、素材の理性と感性が均衡する造形へと導かれています。屋外空間において、静謐と緊張感を内包するこのシェーズロングは、単なる休息のための器具を超え、構造と素材の関係そのものを可視化するプロダクトとして位置づけられます。
シェーズロングとは
シェーズロング(chaise longue)は、脚を伸ばしてゆったりと身体を預けるために設計された長椅子であり、フランス語で「長椅子」を意味します。英語圏では「シェーズラウンジ(chaise lounge)」とも呼ばれ、座面から背もたれまでが連続する形状が特徴です。単なる家具ではなく、姿勢と構造が一体となった造形体として、屋内外の空間に彫刻的な印象をもたらします。













写真提供:池上産業(株)
アセチル化木材「ACCOYA®」
アセチル化とは自然の木材成分と酢酸を化学反応させることで、木材中の親水性(水分を吸いやすい性質)のある水酸基(-OH)を疎水性であるアセチル基(-COCH3)に置き換える化学処理を言います。アセチル化により木材の性能が飛躍的に向上します。特に疎水性の向上により「腐らない木材」としても国際的に認められています。ACCOYA®はそのアセチル化処理を施した木材を指します。またここで言う化学反応ではあらたな有機物質を加えるのではなく引いていくことによる化学反応なので全てが自然界に存在する成分から成り立っているため環境負荷という点では無害です。
ACCOYA®は、ACCSYS Group-Titan Wood社の登録商標です。
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アウトドアリビング
家に隣接した屋外空間、或いはベランダやバルコニーを家の中のリビングルームの延長として取り入れることで、家で過ごす時間もより楽しいものになるはず。このシリーズはベランダやバルコニー、テラスなどを上手に活用するためのリゾート家具です。雨ざらしであっても対候性、耐水性があり腐らない材質に加工されたアコヤを使用しています。デザインの一部はオランダの建築家ヘリット・リートフェルト(Gerrit Thomas Rietveld 1888-1964)のデザインを忠実に再現、面に置き換えて連続する部材をテンションボルトで緊張させ簀子状に並べるポストテンション工法を採用、水が溜まらない平面を作っています。
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屋外用
これまでの屋外用家具で木製のものは殆ど存在しません。理由は単純で木材に耐水性がないこと、及び対候性もないため長時間に渡って出しっぱなしにすると徐々に劣化が進みます。アセチル化木材アコヤは後述する様に木材を化学処理させ耐水性、対候性を格段に向上させたものなので十分に屋外使用に耐える木材です。この屋外家具のテーブル面、座面は連続するリブに一定の隙間を持たせながら等間隔に配置することによりその面に水が溜まることが無く、例えば雨上がりの日などそれでもリブ上に少し残った水滴も軽く拭く程度で直ぐに使える状態になります。また連続したリブを等間隔で並べる構成で肉厚のある面材を形作っている為、全体として通常の家具よりも重量があることに加え前述の様な連続するリブの間の隙間から風が抜けるため面として受ける風圧は減衰されます。この様な点から屋外にあっても風で飛ばされる可能性は極めて低い重厚な屋外ツールと言えます。
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ノックダウン式
この一連のシリーズは全てが現地でお客様にて組み立てていただくノックダウン式です。前述の様に組みあがった際の重量が重いこととその際のボリュームも嵩張るため、ノックダウンにする事でコンパクトな荷姿でお届けできます。それともう一点はこのシリーズは全てポストテンションにより連続するリブに緊張を与えて持たせています。その構造的な仕組みを実際に自分で組み立てるとよく理解出来るので、その後のテンション材の緩みやそれに伴う面材の変形も自分で組み立てていれば簡単に直すことが出来ます。
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リートフェルト (Gerrit Thomas Rietveld 1888-1964) へのオマージュ
レッド&ブルーチェアは、20世紀初めに当時オランダで始まったばかりの芸術運動「デ・ステイル」と呼応します。リートフェルトは、運動の中心人物となった画家ピート・モンドリアンが提唱した新造形主義を取り込みながら、絵画の様な椅子を作る事に成功しました。直線と原色で絵画のように構成されるレッド&ブルー チェアは、最小限の要素から構成され、これまでの椅子がもっていた「色」という唯一の装飾的要素を排除しながらその基本をあらわにしました。この椅子の登場以降、リートフェルトは原色と幾何学形態による表現を用いたオブジェを生み出していきます。当時の前衛的なムードをいまに時代に伝える「レッド&ブルー チェア」は、その先駆けと言えます。

















