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品名 EXA
ジグザグチェア品番 EXA-SDZ 素材 アセチル化木材アコヤ
(ラジアータパイン)仕上げ 自然塗料(屋外用) サイズ W394×D506×H740(SH440)mm 製造 日本製 備考 お客様組み立て品
リートフェルトへのオマージュ
ジグザグチェア
リートフェルトの《ジグザグチェア》は、三か所の屈折点のみで成り立つ極めてミニマルな椅子です。座面・背面・脚が最小限の接点で接続されており、その構造は視覚的に強い不安定感を与えます。実際には、これらの屈折点における接着強度だけで成立しているため、着座時に「破損するのではないか」という緊張感が生じます。この不安定さを前提にした構成は、安息性をあえて排除し、構造実験的な姿勢を示すプロトタイプとして位置づけられます。

本作の屋外用チェアは、この《ジグザグチェア》の構成思想を参照しながら、三か所の屈折した面を「連続するリブ構造」に置き換えることで再構成しています。さらに、オリジナルが抱えていた「接着にのみ依存する不安定性」を解消するため、両側にスチールプレートを設け、全体を外側から締結する補強構造を採用しています。












スティック状のリブ材が屈折点を構成し、それらを左右のプレートで挟み込むことで、力の伝達が線から面へ、面から立体へと段階的に移行します。この構造により、ジグザグチェア特有の危うさは除去され、屋外使用に求められる安定性と耐候性が確保されています。特に、アセチル化木材アコヤの寸法安定性とスチールプレートによる締結が組み合わさることで、原作の緊張感を継承しつつ、日常使用が可能な強度と信頼性が付与されています。






以上のように、本椅子は《ジグザグチェア》が提示した「極限まで削ぎ落とされた面構成」を踏まえつつ、現代の素材と構造技術を加えることで安定性を再解釈した建築的アプローチの成果と位置づけることができます。

屋外家具の素材
木製の屋外家具には一般的にチーク材(teak)、アカシア材(acacia)が使われることが一般的です
チーク材
チーク材は天然油分とゴム質を多く含み、水分・湿気・紫外線に強く、未塗装でも長期間の屋外使用に耐えられる点が大きな特徴です。木質が安定しているため、厚みのある家具でも狂いや反りが生じにくく、構造材として高い安心感があります。その一方で、日光や雨にさらされる環境下では色味の変化が大きく、金褐色からくすんだグレーへとほぼ1年ほどで明確に退色します。これは素材の魅力とはいい難く、当初の色を維持したい場合には注意が必要です。
アカシア材
アカシア材は硬く耐久性があり、一定の耐水性を保ちながら割れにくく丈夫で、屋外家具として十分な強度を備えています。その一方で、含水率の管理が不十分な材では、屋外環境での急激な乾燥や湿気により小割れが生じる可能性があります。また、部位によって色差が出やすく、紫外線による退色も早いため、経年変化が均一に進みにくい点はデメリットとして挙げられます。
アセチル化木材
木材に含まれる水分を吸いやすい成分(水酸基)を、疎水性のアセチル基に置き換える処理を施した素材です。オランダで開発され、腐りにくさ・耐候性・寸法安定性が大きく向上します。見た目は天然木のままですが、性能は樹脂素材に近いほど安定しており、反り・割れ・腐朽が起こりにくい点が特徴です。フェンス、デッキ、サイディング、庭園家具など、屋外での長期使用に適しており、ほとんどメンテナンスを必要としないため維持コストも抑えられます。このアセチル化は、自然界にある木材成分と酢酸による化学反応で行われ、新しい化学物質を加えない処理方法のため、環境負荷が非常に低い点も評価されています。ただし、製造工程が高度であることから、素材価格や加工コストが高めになる点はデメリットと言えます。
写真提供:池上産業(株)
アセチル化木材(アコヤ)について
アセチル化木材は、木材を化学的に安定化させることで、耐久性・耐候性を飛躍的に高めた次世代素材です。オランダで研究開発され、現在ではフェンス、デッキ、サイディング、バルコニー、庭園家具など、屋外環境に長期間設置される建築部材として広く採用されています。アセチル化処理によって木材の表面には微細な孔が形成され、水分や紫外線、カビ、腐朽菌の影響を受けにくい状態になります。また素材に含まれるタンニンや油脂などの成分が安定化し、有害性が取り除かれるため、環境に対しても極めて負荷の少ない材料とされています。見た目は天然木と変わりませんが、その性能は樹脂材料に近い領域にまで達しており、寸法変化が非常に小さく、反り・割れ・腐朽といった木材固有の弱点をほぼ克服しています。屋外に常設した場合でも長期的なメンテナンスがほとんど不要で、維持費を大幅に抑えられる点も大きな利点です。その反面、製造工程が複雑で高度な管理が必要なため、素材価格と加工コストが上昇しやすい点が難点と言えます。
アセチル化とは、木材中の親水性(水分を吸収しやすい)をもつ水酸基(–OH)を、疎水性のアセチル基(–COCH₃)に置き換える化学反応のことを指します。自然界に存在する木材成分と酢酸を利用した反応であり、新たな化学物質を加えるのではなく「自然界に存在する成分の構造を変化させるだけ」で完結します。結果として、アセチル化された木材(アコヤ)は環境負荷が極めて低く、完全に無害な素材として国際的に認められています。
ACCOYA®は、ACCSYS Group-Titan Wood社の登録商標です。
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アウトドアリビング
住宅、又は宿泊施設に隣接した屋外空間やベランダ、バルコニーを、室内のリビングルームの延長として取り入れることで、住まいで過ごす時間はより豊かで心地よいものになります。光や風を感じながら、日常の中に小さなリゾートの気配が生まれる——このシリーズは、そんなベランダやバルコニー、テラスを上手に活用するためのリゾート家具です。デザインの一部には、オランダの建築家ヘリット・リートフェルト(Gerrit Thomas Rietveld, 1888–1964)の構成思想を忠実に再現しました。細い部材を面に置き換え、等幅に連続させ、テンションボルトで緊張させる——いわば簀子を構造体として成立させるポストテンション工法を取り入れています。この構成により、水が溜まらないフラットな平面が生まれ、屋外家具としての機能性と建築的な美しさが共存しています。外の空間をもう一つのリビングとして整えることで、住まいは静かに広がり、日々の暮らしも穏やかなゆとりを帯びていきます。
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屋外用の木製家具
これまでの屋外用家具では、木材製のものはほとんど採用されてきませんでした。理由は明確で、一般的な木材には耐水性がなく、対候性にも乏しいため、雨風にさらし続けると劣化が避けられないからです。そのため、屋外空間には金属や樹脂など、耐久性を優先した素材が選ばれるのが常でした。アセチル化木材「アコヤ」は、そうした常識を大きく変えた素材です。木材を化学的に安定化させ、水分を吸収しやすい成分を疎水性のアセチル基に置き換えることで、耐水性・対候性を格段に向上させています。見た目は天然木そのものですが、屋外環境に長期的に耐えうる性能を備えており、木材でありながら“屋外に置ける”新しい可能性を開く素材と言えます。本シリーズのテーブル面や座面には、リブ状の部材を連続させ、一定の隙間を持たせて等間隔に配置する構成を採用しています。これにより面に水が滞留することがなく、雨上がりの日でもリブの上にわずかに残った水滴を軽く拭けば、すぐに使用できる状態になります。また、この連続したリブ構成は単なる意匠ではなく、肉厚の面材をつくり出す構造体として成立しています。十分な重量があるため風で煽られにくく、さらにリブの隙間から風が抜けることで面が受ける風圧も自然に減衰します。その結果、屋外に置かれた家具として求められる“安定性”を非常に高いレベルで満たしています。耐久性、機能性、そして木材ならではの質感を併せ持つ、重厚で安心感のある屋外家具。アコヤが可能にしたこの新しいかたちが、外で過ごす時間をより豊かで快適なものへと導きます。
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ノックダウン式がもたらす、合理性と“構造を理解する”体験
このシリーズはすべて、お客様ご自身で組み立てていただくノックダウン式を採用しています。組み上がった状態では重量が大きく、サイズも嵩張るため、ノックダウン仕様にすることでコンパクトな荷姿となり、設置場所まで無理なく運び込める利点があります。もうひとつの理由は、この家具の構造そのものにあります。連続するリブ材をテンションボルトで緊張させ、ひとつの強固な面として成立させるポストテンションの仕組みは、実際に自ら組み立てることで理解が深まります。どの部材がどの方向に力を受け、どの程度の張力で面が成立しているのか──その構造の理にかなった動きを体感することで、家具への信頼感も自然と高まります。そして一度その構造を身体で覚えてしまえば、使用を重ねるうちにテンション材がわずかに緩んだり、面材に微細な変形が生じた場合でも、ご自身で容易に調整できるようになります。木材家具でありながら“構造体を扱う”という感覚に近い、道具としての魅力がこのシリーズには宿っています。ノックダウン式であることは単なる梱包や輸送のための仕様ではなく、家具の構造を理解しながら使い続けるという、もうひとつの価値でもあるのです。
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リートフェルト(Gerrit Thomas Rietveld, 1888–1964)へのオマージュ
レッド&ブルー チェアは、20世紀初頭にオランダで興った芸術運動「デ・ステイル」と深く呼応する作品です。リートフェルトは、同運動の中心人物である画家ピート・モンドリアンが提唱した新造形主義の思想を家具に取り込み、絵画そのもののような椅子を生み出しました。直線と原色による構成、最小限の要素で形づくられたフォルムは、それまでの椅子が持っていた“装飾としての色”を大胆に排し、構造の本質だけを純粋に示しています。その存在は、絵画が空間へと立ち上がったかのようであり、家具というカテゴリーを超えた造形表現とも言えます。レッド&ブルー チェアの登場以降、リートフェルトは原色と幾何学的な構成を用いたオブジェや建築作品を次々と生み出し、当時の前衛的なムードを現代へとつなぐ重要な制作を残しました。デ・ステイルの精神を体現するこの椅子は、いまなお革新性を失わず、リートフェルト作品の象徴的な存在であり続けています。
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整い椅子
サウナの熱に身を委ね、深く温まった身体を外の空気へと解き放つ瞬間。そのわずかな時間を、より深く、より静かに「整える」ために生まれたのが整い椅子です。外気浴は、温冷交代のリズムを整え、呼吸の質を高め、思考を澄ませるサウナの仕上げとも言える大切な行為です。そこで求められるのは、身体の力が自然と抜け、浮遊するような姿勢へ導いてくれる道具。その役割を柔らかく果たすのが整い椅子です。椅子の傾斜角と背のラインは、サウナ後の身体に無理なく寄り添い、深い脱力を生み出します。静かに座り込むと、体温と外気の温度差がゆっくりと交差し、意識がほどけていく——それはサウナを完成させる“最後の工程”とも言える体験です。サウナ小屋の外、ベランダ、テラス、バルコニーなど、どの場所にもそのまま置くことができ、メンテナンスの手間もほとんどかかりません。サウナで整い、椅子で仕上げる。そのシンプルな行為は、屋外の空気とともに過ごす時間を穏やかに深めていきます。
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軽井沢という環境が証明する、EXAシリーズの耐候性と交換性
軽井沢は日本でも有数の別荘地として知られていますが、その気候は想像以上に厳しいものです。湿度は低く、冬場は氷点下の日が続き、積雪にも長期間さらされます。それでも広大な自然を背景に、アウトドアリビングが日常生活に溶け込んでいる土地でもあります。屋外家具は軒下に片付けられることなく、ほぼ出しっぱなしの状態で置かれるのが一般的です。寒暖差や降雪、乾燥、紫外線といった要因に加え、バーベキューの際に炭がこぼれて焦げが生じるなど、室内では起こり得ないアクシデントもしばしば起こります。掲載の画像は、軽井沢の住宅に設置したガーデンテーブルの推移を記録したものです。設置当初の状態、厳冬期に深い雪の下へと埋もれた状態、バーベキューの熱で部材の一部が焦げた状態、そしてその1本のリブを交換した状態——EXAシリーズがどのようにこの環境を乗り越えるかを示す貴重な記録となりました。アセチル化木材「アコヤ」による高い耐候性と耐水性、連続するリブ構成による交換性の高さ。EXAシリーズは、軽井沢のような過酷な環境下でも、屋外家具としての役割を確実に果たし続けます。自然の厳しさにさらされながらも使い続けられること。そして必要な際には1本単位で交換し、元の美しさを取り戻せること。その両方が備わって初めて“屋外家具としての信頼性”が生まれます。軽井沢でのこの実例は、EXAシリーズが目指す屋外家具の在り方を静かに証明しています。

















