家族が集まり、食事をしたり、仕事をしたり、子どもが勉強をしたり——。
リビング・ダイニングは、家庭の中でも最も多くの時間を過ごす場所です。
しかし、ダイニングセットとソファを両方置くと、動線が重なり、想像以上に窮屈に感じることがあります。
そこで注目したいのが、「ソファを置かず、大きなテーブルを中心にする」レイアウト。
ひとつの家具に役割を集約することで、限られたスペースでも開放感と使いやすさを両立できます。
この記事では、ソファを置かないリビング・ダイニングの考え方と、大きなテーブルを主役にした空間づくりのポイント、そして実際の設置事例をご紹介します。
広さを犠牲にせず、家族が自然に集まる心地よいLDKづくりのヒントとして、ぜひご活用ください。
Contents
ソファを置かないリビング・ダイニングという選択
リビングとダイニングがひとつながりになった空間では、家具の配置や大きさが暮らしやすさを大きく左右します。
その中で「ソファを置かない」という選択は、決して妥協ではなく、空間を広く心地よく使うための新しい発想です。
ここでは、ソファを省くことで得られる開放感と、快適さを保つレイアウトの工夫を見ていきましょう。

家具の重なりを減らして空間を広く保つ
ソファとテーブルを並べると、奥行きのある家具が二列に並び、どうしても動線が狭く感じられます。
一方で、ソファを置かずにダイニングテーブルを中心に据えることで、床面に余白が生まれ、部屋全体に視線が通りやすくなります。
さらに、家具の高さをそろえたり、壁際に配置したりすることで、空間の重心が安定し、広さの印象をより強調できます。
家具の「置く量」よりも「置き方」に意識を向けることで、限られたLDKでもゆとりのある暮らしが叶います。
使う時間の長い家具を中心に
食事や在宅ワーク、子どもの宿題など、家族が一番長く過ごすのはテーブルまわりです。
その中心をテーブルに据え、座り心地のよい椅子を選べば、リビングの役割も自然に兼ねられます。
ソファを置かないことで動線が整理され、暮らしの中心が一か所にまとまるのも大きなメリット。
家具を最小限に抑えながらも、家族の時間が自然に集まる空間づくりが実現します。
大きなダイニングテーブルがもたらすゆとり
ひとつのテーブルを中心に据えることで、リビングとダイニングの動線が自然に整理されます。
空間の主役をテーブルに定めることで、家具の配置がシンプルになり、視覚的にも落ち着いた印象に。
ここでは、大きなダイニングテーブルがもたらす「ゆとり」と「広がり」を活かす工夫を見ていきましょう。

「集まる場所」を一つにまとめる
リビングではテレビ、ダイニングでは食卓と、家族が分散して過ごすとコミュニケーションの機会も減りがちです。
しかし、大きめのダイニングテーブルを中心に据えれば、食事や作業、趣味などを同じ場所で共有でき、自然と会話が生まれます。
広めの天板があることで、パソコンや本、食器を同時に置いてもゆとりがあり、家族それぞれの過ごし方が重なり合います。
暮らしの中心をテーブルに集約することで、「集まる時間」を軸にした豊かなリビング・ダイニングが実現します。
床に余白が生まれる
大きなテーブルをひとつ置くと、一見スペースを取るように思えますが、周囲の家具が最小限で済むため、結果的に床面が広く見えます。
ソファやサイドテーブルを減らすことで、視界に入る床の面積が増え、部屋全体がのびやかで整った印象になります。
また、脚のデザインが細めのテーブルや、下に視線が抜ける構造を選ぶと、圧迫感が軽減されます。
家具を低く・少なく配置することで、空間に自然な「抜け」と「ゆとり」を感じられるリビング・ダイニングが実現します。
長時間座っても疲れない椅子を選ぶ
ソファを置かないリビング・ダイニングでは、椅子の快適さが空間全体の居心地を左右します。
デザインの美しさだけでなく、背もたれの角度や座面の形状・素材など、身体へのフィット感にも注目することが大切です。
ここでは、日常のくつろぎと作業の両方を支える椅子選びのポイントをご紹介します。

ダイニングチェアを「くつろぐための椅子」に
食事のためだけでなく、読書やコーヒータイムにも快適に過ごせるように、少し傾斜のある背もたれや、座面が広めの椅子を選ぶとよいでしょう。
背中を自然に支えてくれる形状の椅子なら、長時間座っても疲れにくく、リビングチェアの代わりとしても十分機能します。
また、肘掛け付きのタイプを選べば、作業時の姿勢を安定させながら、くつろぎの時間にもリラックスできます。
ダイニングチェアを“くつろぎの椅子”として考えることで、空間の使い方がより自由になります。
高さをそろえて統一感を出す
テーブルと椅子の高さを合わせることで、空間に一体感と落ち着きが生まれます。
座ったときに自然な姿勢を保てる高さを選べば、長時間の作業や食事でも疲れにくく、快適に過ごせます。
また、家具のラインがそろうことで視線がスムーズに流れ、部屋全体が整って見える効果も。
異なるデザインの椅子を組み合わせても、座面の高さを揃えるだけで不思議と統一感が生まれ、洗練された印象に仕上がります。
ソファの代わりになる家具を工夫する
ソファを置かないリビング・ダイニングでは、くつろぎのスタイルをどうつくるかがポイントになります。
常に同じ家具で構成するのではなく、シーンや人数に合わせて“柔軟に形を変えられる空間”を意識すると、より快適に過ごせます。
ここでは、使い勝手と心地よさを両立させる工夫について見ていきましょう。

ベンチやスツールをプラスする
必要なときだけ移動できるベンチやスツールを使えば、人数が増えても柔軟に対応できます。
使わないときはテーブルの下や壁際に収めておけば、動線を妨げず、日常の空間をすっきりと保てます。
ベンチやスツールは、固定されたソファよりも軽やかで、暮らしに合わせてレイアウトを変えやすいのが魅力です。
“動かせる座る場所”を取り入れることで、リビングとダイニングの境界が自然にゆるみ、暮らしに軽やかな余白が生まれます。
ラグでくつろぎ感を添える
テーブルの下にラグを敷くだけで、空間にやわらかな温もりが加わります。
床の質感が変わることで、食事や作業の場がひとつの“くつろぎのエリア”として自然に際立ちます。
また、ラグの素材や色合いを季節やインテリアに合わせて変えれば、空間全体の印象を手軽に更新できます。
たとえば、冬はウールや厚手のコットンであたたかく、夏は麻やリネンで軽やかに。
座って過ごす時間が増える場合は、低めのチェアやクッションを添えて、床に近い目線のリラックス感を楽しむのもおすすめです。
大きなテーブルを中心にしたリビング・ダイニングの事例7選
ソファを置かず、大きなテーブルを主役に据えたリビング・ダイニングは、家具の量を減らしながらも暮らしにゆとりをもたらします。
ここでは、マルゲリータの家具を取り入れた住まいの中から、そんな空間づくりのヒントになる事例をご紹介します。
事例1:シェアハウスの大きなダイニングテーブル
こちらの事例では、シェアハウスの共用スペースの中心に大きなダイニングテーブルを据えています。
食事や作業、会話など、多目的に使える一枚板のようなテーブルが空間の主役となり、暮らしの動線をシンプルに整えています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_415/
ソファなどの大型家具を置かず、テーブルまわりに軽やかな椅子やベンチを並べることで、視線の抜けとゆとりが生まれます。
限られたスペースでも窮屈さを感じさせず、人が集い、離れ、また戻ってくる――そんな自然な暮らしのリズムを支える構成です。
事例2:細長い部屋の対角線上に2台の本棚を配置する
こちらの事例では、細長い間取りのリビング・ダイニングの中央にダイニングテーブルを据え、その両端を本棚で構成しています。
テーブルを空間の軸にすることで、食事や作業の場をひとつにまとめながら、奥行きを感じる視線の抜けを生み出しています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_592/
壁際の家具を対角線上に配置することで、中央のテーブルまわりに自然な余白が生まれ、動線もスムーズに。
座る・立つ・歩くといった日常の動作が流れるようにつながり、限られたスペースでも伸びやかに過ごせる構成に仕上がっています。
事例3:高層マンションのリビングに
こちらの事例では、高層マンションのリビング・ダイニングの中央に大きなダイニングテーブルを据え、ソファを置かずに空間を構成しています。
テーブルを中心に据えることで、食事もくつろぎもひとつの場で完結し、窓の外に広がる景色とともに開放的な時間を楽しめる設計です。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_773/
周囲の家具は最小限に抑えられ、ダークグレーのアクセントウォールが空間に奥行きを与えています。
視線の先にはパノラマの眺望が広がり、テーブル越しに都市の景色を望む構成が、まるでホテルラウンジのような落ち着きを演出。
家具を減らすことで生まれた“余白”が、ミニマルで上質な暮らしを支えています。
事例4:リビングのアンダーカウンター本棚
こちらの事例では、リビングの壁面に「アンダーカウンター本棚」を設け、その延長線上にダイニングテーブルを配置しています。
収納と作業・食事のスペースを一体化させることで、限られた空間にゆとりと機能性を両立させています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_545/
アンダーカウンター本棚は、天板の上をすっきり使えるのが特徴で、書籍や日用品を下部にまとめて収納できます。
テーブルと高さを揃えて配置し、「収納」と「くつろぎ」を同じラインでつなぐことで、美しく実用的なリビング・ダイニングに仕上がっています。
事例5:テレビ台を兼ねたリビングローボード
こちらの事例では、ワンルームマンションのリビングに「ロータイプ本棚」を2台並べ、テレビ台を兼ねたリビングボードとして活用しています。
視線を低く抑えることで、部屋全体に奥行きと広がりを生み、ソファを置かずとも開放感のある空間を実現しています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_358/
ダイニングテーブルを中心に据えたレイアウトは、食事・仕事・リラックスの場をひとつに集約し、家具を最小限に保ちながら暮らしの機能を十分に満たします。
ロータイプの収納上にはお気に入りの小物やグリーンをディスプレイし、実用性と心地よさを兼ね備えたシンプルなリビング・ダイニングを形づくっています。
事例6:ガラス塗料を施したダイニングテーブル
こちらの事例では、マンションの細長いリビング・ダイニングの中心に、ガラス塗料を施したダイニングテーブルを据えています。
木の質感を活かしながらも水や汚れに強いこの塗装は、自然な風合いを保ちつつ上品なツヤをもたらし、テーブルまわりを軽やかで洗練された印象に仕上げています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_582/
テーブルに合わせた椅子は、リサイクルレザーを使用した「アマンダチェア」。
あえて同じ形で色違いの椅子を組み合わせることで、統一感の中に個性を感じさせるバランスが、大きなテーブルを中心とした空間をより豊かに演出しています。
事例7:床に座る生活
こちらの事例では、床に座る暮らしを前提にしたリビングの中心に、大きなローテーブルを配置しています。
椅子を使わず、床に直接座って食事や作業、団らんを楽しむスタイルは、空間に自然な一体感とくつろぎをもたらします。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_337/
低めのテーブルを囲むと、視線が自然と下がり、部屋全体が広く感じられます。
フローリングと馴染む天板が空間に溶け込み、家具というより床の延長のような存在に。
食事や作業、くつろぎがひとつの場にまとまり、椅子を使わない暮らしならではの柔らかい一体感が生まれています。
まとめ
今回は、「ソファを置かずに大きなテーブルを中心につくるリビング・ダイニング」をテーマに、家具配置の考え方や快適な椅子選び、そして実際の空間構成の事例をご紹介しました。
限られたLDKでも広く快適に見せるためには、「何を中心に据えるか」を明確にすることが大切です。
ソファを省き、大きなテーブルを主役にすることで、動線が整理され、食事・仕事・くつろぎといった時間が自然にひとつながりになります。
また、ベンチやスツール、ラグなどを柔軟に組み合わせることで、暮らし方や季節に合わせて空間を変化させることも可能です。
テーブルを“暮らしの軸”として考えることで、家具を減らしても豊かな時間を育むリビング・ダイニングが実現します。
大きなテーブルがあるだけで、家族や友人が集まり、会話が生まれ、暮らしがゆるやかにつながっていく——。
そんな心地よいリビング・ダイニングを、今回の内容を参考にぜひ実現してみてください。












