業務用本棚は画一的なものが多く、少し変わった本棚を導入しておしゃれな空間を演出しようと思っても、どんな本棚を選んだら良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
スチール製が一般的に多く流通しているため、温かみのある空間を演出しようとしても、本棚の影響でそういった雰囲気をつくりきれないというケースもあるでしょう。
そこで本記事では、おしゃれな本屋やブックカフェなどで活用されている木製の本棚の活用事例や、本を魅力的に見せるポイントなどついてご案内します。
書店やブックカフェ、図書館などで、おしゃれで温かみのある本の空間をつくりたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
おしゃれな本屋の業務用本棚とは
おしゃれな本屋で使われる業務用本棚は、単に本を大量に陳列するための什器ではありません。
売り場の世界観・滞在体験をデザインする、インテリアとしても機能しています。
近年は、無垢材や古材を使った温かみのある木製棚を導入する本屋が増えつつあり、落ち着いたカフェのような雰囲気を訪れる顧客に提供するのにも役立っています。
一方、白や黒を基調としたスチール棚は、直線的でシャープな印象が強く、ミニマル・洗練された世界観を打ち出したい本屋に根強い人気があります。
いずれも「本を美しく見せること」を前提に設計されており、棚選びは店舗のブランドイメージを左右する重要な要素です。
業務用本棚は木製とスチールのどっちがいいのか
業務用本棚の主流は木製とスチール製ですが、「どちらが正解か」は店舗のコンセプトによって大きく変わります。
一般的には、以下のように分類されるでしょう。
- 大量陳列・効率性を重視するならスチール製
- 空間の雰囲気づくり・滞在価値を高めたいなら木製
スチール棚は耐久性・安定感に優れ、大量の書籍を扱う本屋やジャンル特化店で重宝されます。
無駄のない構造で導線を確保しやすく、実務面でのメリットが大きい点も特徴です。
一方、少し変わった本屋の空間を演出したり、読書体験を大切にした“居心地のよい売り場”を作りたいなら、木製の業務用本棚が効果的です。
木材のあたたかさが空間全体を柔らかくし、表紙の色・背表紙のテクスチャーを美しく引き立てます。
「おしゃれな書店」というブランドを構築していくなら、木製を主軸に検討するのも一つの方法です。
本屋のディスプレイをおしゃれに見せるコツ
おしゃれな書店の売り場では、本を魅力的に見せる工夫や、訪れた顧客に落ち着いた雰囲気を味わってもらう工夫がされています。
ここでは、ディスプレイをおしゃれに見せるポイントをご紹介します。
面陳列(表紙を見せる)
本の背表紙(棚差し)だけでなく、表紙を見せる「面陳列」を効果的に使います。
表紙はデザイナーの情熱が詰まったアートであり、これを「見せる」ことで、本にプレミアム感と魅力を与えられます。
これを本棚の中に立てかけて見せたり、ラダータイプのラックで見せる方法があります。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_334/

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平積みとブックスタンド
「平積み」は、よく売れる本を、表紙を上にして積み重ねる方法で売れている感を演出する方法です。
これを、ブックスタンドも併用しながら行うことで、アクセントをつけることができます。

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余白の活用
本棚をぎっしり埋めてしまうと圧迫感が出るため、余白やポップを適度に入れていくのもディスプレイの一つの方法です。
本以外の要素をアクセントとして入れたり、本棚のコマを一つの小劇場に見立てて展示するのもおしゃれに見せるポイントになります。

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本を開いて飾る
大型本や美術本などの分厚い本は、書店でもなかなか手に取ってもらえないケースが多いでしょう。
しかし、開いた状態で中身が見える本であれば、顧客の目につきやすく、関心を持たれることが多くなります。
開いた状態で飾ることで、その本の魅力、美しさをアピールでき、さらに購入への心理的ハードルを下げる効果が期待できます。

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本屋みたいな本棚を買うコツ
ここでは、自宅に本屋のような本棚を置きたい方に向けて、選び方のポイントを解説します。
本屋の雰囲気を再現できる業務用本棚は、市販品として個人でも購入可能です。
見た目だけで選ぶと「収納量が足りない」「使いづらい」など後悔することもありますので、家庭でも使いやすく、長く愛用できる本棚を選ぶためのコツをご紹介します。
収納力がある
本屋のような本棚を選ぶうえで、最も重要なポイントが「収納力」です。
業務用本棚は大量の書籍を収めることを前提としており、高い収納力があります。
棚板が多く、奥行きがしっかりあるタイプを選ぶのがおすすめです。
また、棚板の耐荷重が大きいものを選べば、ハードカバーや大型本を並べてもたわみにくく、長期間美しい状態を保てます。
「見せる収納」を楽しみつつ、しっかり収納もできる本棚を選ぶことが、本屋風インテリアのコツです。
たわまない丈夫さ
本屋のような本棚は、大量の書籍を収納するため、「たわまない丈夫さ」も重要です。
スチール製は比較的強度は高いですが、木製本棚でも丈夫な商品はあります。
例えば、マルゲリータの本棚は、ぎっしりと詰め込んでも1mm以上たわまない丈夫さがあります。
書籍は何年も本棚にしまっておくものです。
たくさん収納してもたわまない商品を選ぶことも選ぶポイントにしましょう。
> マルゲリータ「棚板のたわみについて」
組み立て式で移動しやすい
自宅で本屋のような本棚を設置する際に意外と重要なのが、「組み立て式」であるかどうかです。
家庭では、本屋と違って玄関や廊下が狭いケースや、階段を通らなければならない場合が多く、大型の完成品本棚だと搬入自体が難しくなる可能性があります。
その点、組み立て式ならパーツに分かれているため、狭いスペースでも問題なく搬入でき、女性ひとりでも扱いやすいのが魅力です。
また、引っ越しや模様替えの際も分解して移動できるため、家具としての柔軟性が高く、長く使い続けたい人に向いています。
展示・収納方法のオプションが多彩
家庭で業務用本棚を使う場合、本のサイズがバラバラである点を踏まえて選ぶ必要があります。
大型本から文庫、マンガまで幅広いサイズに対応できるよう、棚板の高さ調整が細かくできるタイプが便利です。
以下のように仕切り板を備えたモデルは、表紙を立てかけたり、ジャンルごとに区切ったりと、本屋のようなディスプレイを楽しめます。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/shelf/slf-d-03.html
また、家庭では本以外の雑貨や日用品を収納したい場面もあるため、「隠す収納」ができるオプションの有無も重要です。
たとえば、以下のようなカセット式の収納ボックスや、扉付きユニットを組み合わせられるシリーズは、生活感を抑えながらスッキリとした見た目を保てます。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/shelf/slf-ar-cassette_index.html
こうしたオプションが豊富な業務本棚を選ぶことで、ディスプレイとしての美しさと、日常使いとしての実用性を両立でき、本屋さながらの洗練された空間づくりを実現できます。
おしゃれな業務用途の本棚・ディスプレイの実例
ここからは、実際に店舗で使われている業務用本棚のレイアウト事例をご紹介します。
おしゃれな本屋の業務用本棚は「見せる収納」を前提に設計されており、陳列効率とデザイン性の両立が特徴です。
木製本棚を中心に、壁面の大容量棚・フロア什器・演出要素の強い展示手法など、売り場づくりに役立つ実例を紹介します。
限られた面積でも魅力的な棚を組めるアイデアが多く、本屋の什器選びのヒントとして活用できます。
壁一面を使った大容量の壁面本棚
壁一面を使う大容量本棚は、本屋における象徴的な存在感を作り出せる定番レイアウトです。

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雑誌・単行本・写真集などサイズの異なる書籍を美しく収められ、視認性とデザイン性の両方を確保できます。
色味を抑えた木材を採用することで、圧迫感を出さずに売り場全体を上質にまとめられる点も大きなメリットです。
壁面を大きく活用したい店舗や、ジャンル棚をまとめて見せたい本屋に適したレイアウトといえます。
ストックと展示を一体化できる配置で、導線計画との相性も良好です。
面陳・背出し・平積みを組み合わせた立体的ディスプレイ
この実例の最大の特徴は、本屋でよく使われる「面陳(表紙を見せる陳列)」「背出し(背表紙を並べる収納)」「平積み」を組み合わせている点です。

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表紙を見せる面陳で主役となる本を強調しつつ、背出し部分で大量収納を確保し、さらに平積みで立体的なアクセントを加えています。
立体感が生まれることで読者の目線が自然に動き、棚の前で立ち止まって本を手に取る確率も高まります。
こうした複合的な見せ方は売り場づくりの基本であり、限られた棚で情報量のある陳列を実現したい本屋に特におすすめです。
ブックスタンドで“推し本”を魅せるスペースをつくる
大容量の業務用本棚の一部に角度のついたブックスタンドを組み込み、“推し本”を際立たせる展示スペースを作った事例です。

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新刊やお気に入りの表紙を強調したいときに最適で、売り場に小さな特集コーナーをつくる感覚で運用できます。
ブックスタンドによって視線が自然と止まり、棚全体のリズムが生まれるため、写真集やアートブックのようにビジュアル訴求が強い本と相性抜群です。
面陳・背出し・平積みとの組み合わせで、棚全体が雑誌の特集ページのように華やぎ、本屋の世界観づくりにも大きく貢献します。
省スペースでも使えるスリム棚
スリムタイプの業務用本棚は、省スペースで多くの本を整理したい小規模な本屋に最適です。

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奥行きを抑えつつ段数で収納力を確保しているため、“薄くてたくさん入る棚”として非常に効率的です。
縦ラインが強調されることで視界のノイズが減り、店内がすっきりと見えます。
また、壁際にぴったり納まるため導線の邪魔になりにくく、入口付近やレジ横など余ったスペースの活用にも向いています。
ジャンル分けのための補助棚としても優秀で、小規模店や個性的な本屋に取り入れやすいレイアウトです。
少量の本をグリッドで魅せる“小劇場”ディスプレイ
壁面本棚の一つひとつのセルを「小さな劇場の舞台」のように使い、本を主役のように見せるディスプレイ例です。

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少量の本でも空間にリズムが生まれ、視覚的に洗練された印象を与えられます。
グリッド構成のおかげで本の塊ごとにテーマ性を持たせやすく、特集棚や季節棚にも応用可能です。
雑貨や小物を一緒に置けば、セルごとにストーリーを作れるため、小規模な企画展示にも使いやすい手法です。
本屋の個性を強めつつ、本の魅力を最大化する“魅せる棚”を実現できます。
テーマごとに本を並べる“文化的ライブラリースペース”
L字の業務用棚パーツを組み合わせ、大量の本をテーマや文脈に沿って展示している実例です。

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図書館・美術館・博物館の要素を掛け合わせたような、文化的空間を作り出しています。
30,000万冊を超える本を展示しているのに、圧迫感を感じさせない見事なディスプレイです。
また、本を開いた状態でブックスタンドに置くことで、本自体が展示物のように機能し、来店者の興味を自然に引きつけます。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_557/
文章の一部を見せることで読書欲を刺激でき、知的体験を提供する棚として非常に優秀です。
企画・季節・ジャンルに応じて配置を柔軟に変えることも可能で、売り場のマンネリ化を抑制できます。
高めのスタンドで宙に浮いているかのように見せる本棚
高い位置に設置できる角度付きスタンドを使い、本を宙に浮かせているように見せる視覚効果をつくった実例です。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_575/
表紙を強調したい美術書や写真集との相性がよく、遠くからでも視認性が高いためアイキャッチとして強力です。
天井に近い壁面でも角度をつけられるため、売り場のデッドスペース対策としても効果を発揮します。
ギャラリーのような雰囲気が生まれ、店舗の世界観づくりにも大きく寄与します。
とくに“見せたい一冊”を主役にしたい企画棚に活用しやすいレイアウトです。
まとめ
おしゃれな業務用本棚を選ぶ際は、「どのように本を見せたいか」を軸に考えることが重要です。
木製棚の温かみや視覚的な統一感、スチール棚の耐久性や機能性など、素材ごとの特徴を活かした売り場作りを心掛けましょう。
面陳・背出し・平積みの使い分けやブックスタンドの活用など、本屋ならではのディスプレイ技術も取り入れていくと空間の完成度が高まります。
店舗の雰囲気やコンセプトに合う業務用本棚を選んで、おしゃれで魅力的な本屋づくりを実現してください。
マルゲリータの公式サイトでは、今回ご紹介した本棚以外にも、色々なおしゃれインテリア家具を多数ラインナップしています。
お客様の使用実例もたくさん掲載されているので、おしゃれな家具の購入を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。














