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典型的な本棚の高さは通常約1800mmで、人の身長よりわずかに高いサイズのものが一般的です。
一方でここでいう「ロータイプ」とは、高さが低い本棚を指します。低い本棚は一般的な高さの本棚と比較して収納量が制限されます。
収納量の不足を補う機能としては、上に物が置ける、或いは上部空間をフリーに出来ると言った事があります。
ここではそのロータイプ本棚を更に突き詰め発展的な使い方を展開していきたいと考えます。
マルゲリータのロータイプ本棚
本棚の高さは一般的には約1800mm程度、概ね人の身長より少し高い程度です。ここで言うロータイプとは高さが低い本棚を言います。
しかしそれは低いだけではなく
・横に長い
・両面から使える
・キャスターを取り付けて移動可能になる
・壁一面の本棚の奥行き350mmタイプのセルのサイズを継承している
と言った要素を取り入れたものです。
それによりこれまで出来なかった様々な事象を可能にしています。
収納としてのロータイプ本棚
家庭におけるロータイプ本棚
メディアの収納、DVD、Blu-ray、CDなどのメディアアイテムを整理する事にも適しています。
ディスプレイがしやすく、取り出しやすい位置にあるため、その利用頻度に合わせた収納、並べ替えが自然に出来ます。
またロータイプ本棚はそのトップの天板に大型TVも置くことも出来るのでメディアの位置とも近く使いやすい関係になります。
更に最近ではロータイプ本棚の上部には何も置かずに壁面を開放し、その壁面をそのまま映写面とする考え方でスクリーンを取り付けずに簡単に映像を映し出せます。
反対側の壁にプロジェクターを置く、あるいは天井にシーリングライトの形で取り付ける、更に最近では映写面の直下に超短焦点型プロジェクターを置くことも可能なのでロータイプ本棚のトップの天板は更に使い易いツールに昇華します。
また子供部屋やリビングルームに配置して、おもちゃや絵本を整理するのに最適です。
子供が手軽に取り出せる位置にあり、更にその子供たちがおもちゃを床に広げ、そこで遊びながら自立心を育むことができます。
更に出しやすく、仕舞いやすい高さなので常に片付ける習慣を身につける事にも役立ちます。
装飾品、写真フレーム、花などのロータイプの本棚の天板をディスプレイスペースとして活用できます。
低い位置にあるため、目線の範囲に飾り物が配置でき、お部屋にアクセントを与えます。
ロータイプ本棚をベッドルームに設置して、寝具や小物の収納に活用できます。
一般的なベッドのヘッドボードとほぼ同じ高さになるので、特にベッドの近くにあれば寝たままでも必要なアイテムをすぐに手に取ることができます。
ホームオフィスや書斎にロータイプ本棚を配置して、書類や文房具を整理できます。机の隣に設置することで、必要なアイテムへのアクセスがスムーズになります。
オフィスに於けるロータイプ本棚
ロータイプ本棚を書類やファイルの整理に利用します。
各セクションをクライアント別、プロジェクト別、またはカテゴリ別に割り当て、必要な情報を素早く見つけることができます。
また文房具や小道具、ノートなどのオフィス用具を整理するのに適しています。
引き出しやセクションを使用して、アイテム別に収納し、デスク上を整理整頓でき、重要な資料や賞状、プロジェクトの進捗状況などを見せるディスプレイスペースとしても活用できます。
さらにおしゃれな飾りや企業の成果物をディスプレイして、オフィスの雰囲気を向上させることができます。
また複数の従業員が利用する共有のワークスペースやホットデスクエリアにロータイプ本棚を配置することで各人の必要な資料や文房具を収納し、個別のスペースを確保します。
オフィスのプリンターやスキャナーを収納するスペースとしても利用出来、上部を作業スペースとして使い、下部には必要な機器を収めて効果的に使う事が出来ます。
会議室内にロータイプ本棚を配置して、会議中に参照する資料やプロジェクトの進捗状況などを保管します。必要な情報に瞬時にアクセスできます。
パーティションとしてのロータイプ本棚
オフィスに於けるローパーティション
ロータイプ本棚を使用するとオフィスランドスケープとして見渡せる広い空間の邪魔をしないでオフィス内にパーティションを設け、チームごとのワークエリアを作る事が出来ます。
それによって、各チームは他のチームから視線を遮ることができ、作業中のプライバシーが向上、集中力が向上し、効率的な業務が可能になります。
各チームが独自のエリアを持つことで、同じチームメンバーとのコミュニケーションがスムーズになります。
共有の作業スペースが効果的なチームワークを促進し、プロジェクトの進捗を向上させます。
チームごとにワークエリアを設けることで、専用のスペースを確保できます。
各チームは必要な書類やツールをロータイプ本棚に整理し、スムーズな業務遂行が可能になります。
可動式のロータイプ本棚を使えば必要に応じてパーティションを移動させたり、オープンスペースを作ったりすることができます。
これにより、オフィスの配置を柔軟に調整できます。チームごとに専用のエリアを作ることで、チームメンバーの帰属感が向上します。
メンバーは自分たちのエリアに誇りを持ち、エスプリ・デ・コール(協力意識)が強化されます。
住宅に於けるローパーティション
低い本棚を取り入れることで、例えば寝室兼書斎や夫婦で共有する書斎など、一部屋を複数の目的に兼用することが可能です。
通常、低い本棚は広いテーブルやデスクの横にスムーズに配置でき、空間を有効に使うことができ、書斎スペースと寝室スペースを柔軟に使い分けることができます。
視覚的な一体感が醸し出され、高い本棚がないことで圧迫感が減少し、広がりを感じさせます。
夫婦で共有する書斎の場合、低い本棚を中心に共有のワークスペースを配置することで、お互いが協力して作業を進めることができます。
デスクを低い本棚の横に配置することで、作業とリラックスのためのスペースを同じ部屋に統合でき、書斎と寝室が効果的に一体化します。
低い本棚は床近くに収納スペースを提供するため、寝室用のアイテムや文房具を効果的に収納できるよう工夫することで、使い勝手が向上します。
キャスターを付けて
オフィスに於いて
低い本棚にキャスターを設置することで、オフィス環境にはいくつかの利点が生じます。
キャスターを備えた低い本棚は、軽く動かすことができ、オフィスの配置やスペースの再編成が簡単に行え、本棚を必要な場所に移動させることができ、柔軟なオフィスレイアウトが実現します。
また、キャスター付き本棚はコラボレーションスペースを手軽に構築できます。
必要な場所に移動させることで、プロジェクトやアイディアの共有がしやすくなります。
この本棚はモバイルな収納スペースとしても機能し、必要な資料や文房具を手軽に持ち運びながら効率的な業務プロセスをサポートします。
低い本棚にキャスターを付ければ、通常は使用されないスペースも効果的に利用できます。
オフィスのランドスケープに適しており、柔軟な配置変更が可能です。チームの協力やコミュニケーションが促進されます。
さらに、キャスターを取り付けた本棚は、床を傷つけずに手軽に掃除やメンテナンスが行えるため、オフィス全体の清潔さを維持しやすくなり、働く環境の快適性が向上します。
︎家庭で
低い本棚にキャスターを取り付け、移動が容易な状態にすると、共有の書斎や寝室内に書斎を設ける際にさまざまな利点が考えられます。
夫婦で共有する書斎の場合、柔軟な仕切りを設けることができ、必要に応じて本棚を移動させてプライバシーを確保することができたり、共有のワークスペースを容易に作り上げることができます。
同様に、寝室内に書斎を設ける場合には、空間を効果的に活用できます。必要に応じて本棚を移動させながら、寝室の空間を最適に利用しつつも書斎スペースを確保できるといったメリットがあります。
キャスターを備えた本棚は、季節や気分によって変えやすいのもメリットの一つです。
例えば、冬季は窓際に本棚を配置して陽光を取り入れ、夏季は室内に引っ込めて涼しい空間を作るなど、環境に合わせた配置が可能です。
また、寝室内に書斎を設ける場合、キャスターを取り付けた本棚を活用することで、オフィスとリラックススペースを効果的に統合できます。
必要な時に本棚を移動させ、リラックスするための空間を柔軟に作り上げ、作業スペースを確保できます。
移動させることで隠れた収納スペースとしても活用でき、不要な時は片付け、必要な時に移動させることで整理整頓がしやすくなります。
これらの利点により、低い本棚にキャスターを取り付けることで、夫婦で共有する書斎や寝室内に書斎を設ける際に、柔軟性と効率性が同時に成立します。
ロータイプ本棚の実例
File488 ロータイプ本棚で腰壁を作る
腰壁は本来、壁を損傷から保護するための防御装置であるため、その存在により室内にいると安心感を覚えることがあります。
この安心感は、予想以上に心地よく、伝統的な要素の中でも特に静けさと調和した気分をもたらしてくれます。
特に、腰壁部分の上部、つまり収納スペースの壁面に飾られた絵などは、腰壁が本来持つ機能とデザインを軽やかに引き継いでいるように見えます。
File758 霞が関ナレッジスクエアエキスパート倶楽部に
霞が関ナレッジスクエアキスパート倶楽部は、霞が関コモンゲートにある文部科学省が入居している施設で、交流カフェ「エキスパート倶楽部」が運営されています。
こちらでは、キャスター付きの低い本棚が中心となり、店内と外部を優雅に区切るためのディスプレイ棚が設けられています。
これらの棚は、全て壁から程よい距離を置いて配置されており、本や写真飾られたフォトフレームが美しくディスプレイされています。
File748 サクソフォンストラップのアトリエに オフィスを緩やかに仕切る
低い本棚は、接客エリアと事務エリアを分けつつも、上部の空間を広く感じさせ、目線を柔らかく仕切る効果があります。
このロータイプの本棚は、事務スペースにおいて収納の一環として活用されながら、奥行き350mmの専用カセットや他の紙製ボックスと組み合わせて効果的に利用されています。
File740 リビングルームにベッドを置く
新しくロータイプ本棚をリビングダイニングに導入された事例です。
この本棚は、大きな壁面絵画と共にリビングを美しく彩るディスプレイ装置としての機能も果たしています。ロータイプ本棚は通常の本棚よりも低く、最上段がフラットになっています。
これにより、大型TVや音響機器を置くだけでなく、展示スペースとしても活用されています。
デザインはシンプルでありながら洗練されており、本棚が持つ機能を引き立てる役割を果たしています。
File650 小さな本棚を2台並べる
一見すると、これは横6コマのロータイプ本棚のように見えますが、実際にはお子様が2人いることを考慮し、将来的にそれぞれの子供部屋で利用できるように、分割可能な横3コマを2台分として製作されました。
中央に配置された専用カセットオプションA4書類引き出しには、クレヨン、色鉛筆、折り紙、カードゲームなど、お子様が使用する小物が整理されています。
その他のセルには、お子様の絵本を中心に収納され、子供用の書棚として活用されています。
File629 壁面をプロジェクタースクリーンに
本棚の上には、床置きプロジェクターが配置されており、上部の壁面をスクリーンとして映像を投影することができます。
まだ周囲が暗く、高層階であるため、カーテンがない状態でも写真に示すような映像を楽しむことができます。これは広い部屋ならではの楽しみ方です。
壁をスクリーンとして利用する際のデメリットとして、映像の画質が通常のスクリーンを使用する場合よりも低下する可能性があります。
しかしこのデメリットを補っても、壁をプロジェクタースクリーンとして使用する魅力があります。
File626 リニューアルオフィスの長く低い本棚
業務の性格上、在宅ワークが増加しているとの背景を受けて、オフィスを新しくコンパクトで働きやすい環境にリニューアルすることになりました。
働き方のアップデートを目指すこのオフィス改装は、多くの場合働きやすさを重視するが故にカオス的な構成に陥りやすいオフィスレイアウトが多い中で、ロータイプの本棚を導入されています。
この取り組みにより、上部の壁面をそのまま活かし、シンプルでコンパクトなオフィス空間が実現されました。
File533 窓を生かした自然な収納棚の配置
寝室の腰窓の下に、縦2コマ×横7コマのロータイプの収納棚が配置されています。この配置により、視界の重心は低くなり、良好な睡眠の条件が整っています。
収納棚が白い壁面に対して腰壁のような効果を持ちます。
寝室にロータイプの本棚が適している理由は、単に室内の演出だけでなく、大きな地震が発生した場合にも寝ている間に書籍などが落ちてくるリスクを軽減するためでもあります。
ここでの安心感が無意識のうちに快適な睡眠に繋がると考えられます。
File431 吹き抜けに面したグラフィックデザイナーのアトリエ
グラフィックデザインを専門とされているお客様のデザインスタジオは、吹き抜けに面しています。
その吹き抜けに沿った腰壁に、ロータイプの本棚が配置されています。
腰壁はロータイプの本棚よりもやや高い位置にあり、その上にも書籍が並び、吹き抜けの空間に広がっています。
通常、ロータイプの本棚の上部は絵をかけたりオブジェクトを置いたりする光景が一般的ですが、ここでは書籍がランダムに配置され、その凹凸に切り取られた空間が独自の美しさを醸し出しています。
考察
オフィス内に於ける穏やかな仕切り
オフィスで低いパーティション間仕切りとして使える。
マルゲリータのこのロータイプの本棚は他の本棚同様両面から使えるのでセルに入る資料及び専用の引き出し等も両面仕様なので両側から共有できます。
ロータイプ本棚を使用することで、オフィス内の広々とした空間を邪魔せずに、オフィスランドスケープ全体を見渡せるようにしながら、チームごとのワークエリアを作り上げることが可能です。
これにより各チームは他のチームから視線を遮り、作業中のプライバシーが向上し、集中力が増し、業務効率が向上します。
また、各チームが独自のエリアを確保することで、同じチームメンバーとのコミュニケーションがスムーズに行えます。
共有の作業スペースが効果的なチームワークを促進し、プロジェクトの進捗を向上させる一因となります。
オフィスの壁に沿わせて配置する
ロータイプ本棚を壁に沿わせて配置することで、オフィス内で使われる様々な資料を効果的に収納し、その上部を開放することでミニマルでコンパクトなオフィス空間を創り出すことができます。
このスタイルのオフィスデザインは、機能的な収納と広々とした印象を同時に実現する優れた手法と言えます。
壁に沿った配置は、限られたスペースを最大限に活用するために効果的です。
ロータイプ本棚を使用することで、必要な書類や資料を整理整頓し、同時にオフィス内の視覚的なスペースを広く保ちます。
また、本棚の上部を開放することで、空間が圧迫感なく感じられ、ミニマルで清潔感のある雰囲気が醸し出されます。
このデザインは、作業効率向上だけでなく、オフィス環境における心地よさや創造性を促進する役割も果たします。
コンパクトながら機能的で使いやすい空間は、従業員のワークモチベーションを高め、業務の円滑な進行をサポートします。
オープンな配置とミニマルなデザインは、近代的で洗練されたオフィス環境を実現する一環として注目されています。
住宅の窓下に配置する
ロータイプ本棚を窓下に配置することで、窓の自然な明るさを損なわず、バランスの取れた形で空間を構築することが可能です。
収納量はあまり多くないものの、この低い位置にある家具は視覚的な安定感があり、室内に部屋に穏やかな雰囲気を醸し出します。
またこういった使い方だと自然光を最大限に取り入れながらも、床面積の有効活用が可能です。
家具の重心が低い位置にあるため、視線が引き下げられ、心地よいリラックス感が生まれます。
また、室内のデザインにおいて絶妙なアクセントとなり、シンプルでありながらも独自のスタイルを演出します。
そのため、収納だけでなく、インテリアの一部として上質な居心地の良い空間を創り上げる上で一役買います。
腰壁的に配置する
天井までの本棚ではなく、腰の高さまでの本棚を採用することで、上部の壁面を開放感溢れる空間として活かします。
このデザインにより、壁面の上部には絵画を掛けたり、ロータイプ本棚のトップにはオブジェクトをディスプレイしたり、更にはプロジェクターを用いて映像を映写するなど、様々な創造的なアプローチが可能となります。
また、上部空間を開けたままにすることも、シンプルかつ洗練されたデザインの一環になります。
このアプローチによって、空間全体がより広々と感じられ、アートやデコレーションを通じて個性的で魅力的な空間を演出できます。
機能性と美的要素が調和することで、上部空間が有効に活用され、より豊かで多彩なインテリアが実現されます。