部屋にぴったりの棚を作りたいけれど、「大工さんに棚を作ってもらうとすごく高額になってしまうのでは?」と考える方は多いのではないでしょうか。
既製品では部屋のデッドスペースが生まれてしまうし、かといって大工に造作を依頼すると、費用が青天井になるのではないかという心配がつきまといます。
また、「完成後の仕上がり」がわかりづらい点も不安の要因になります。
そこでこの記事では、大工さんによる造作棚の費用相場や、施工内容によって変わる価格の違い、壁面収納家具を購入した場合の費用感を解説します。
そして、壁面収納家具のオーダー加工の例、おしゃれな設置事例もご紹介します。
大工さんに棚を作ってもらうことを検討している方、空間にぴったり合う壁面収納家具をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
収納棚を造る方法とは
部屋に収納棚を設けたいと思ったとき、方法はいくつかあります。
「大工さんに棚を作ってもらう」以外には、「既製品を購入する」「オーダー家具を購入する」「セミオーダー家具を購入する」というものがあります。
どの方法を選ぶかによって、費用や仕上がり、自由度に大きな違いが生まれます。
ここでは、それぞれの棚を造る方法について整理していきます。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_641/
大工さんによる造作工事で設置する
空間に完全に合わせた棚を実現したい場合には、大工さんに棚を作ってもらう「造作工事」という方法があります。
壁の寸法や梁・柱の位置に合わせて施工するため、まさに「その部屋専用」の収納をつくることが可能です。
ただし、大工さんに棚を作ってもらう場合は材料費や人件費に加え、施工の規模や仕上げ方法によって費用が大きく変動します。
既製品やセミオーダーに比べて費用が高くなるケースが多いため、仕上がりの満足度とコストを天秤にかけながら検討する必要があります。
また、依頼してから工事されるため、完成の状態が最後まで分からないという点も考慮する必要があります。
既製品の棚を購入する
大工さんに依頼する以外で最も手軽なのは、既製品の棚を購入する方法です。
他の方法に比べて費用が安価で、種類も豊富に展開されているため、予算や好みに応じて選べます。
ただし、既製品はサイズやデザインが固定されているため、設置したい場所にぴったり収まらないこともあります。
費用を抑えつつ短期間で導入したい方には適していますが、長期的な満足度を高めたい場合は、慎重に検討する必要があります。
オーダー家具を購入する
既製品では合わない場合に選ばれるのがオーダー家具(フルオーダー)です。
オーダー家具は空間や用途に合わせて自由に設計できるため、見た目や使い勝手を理想通りに仕上げられます。
ただし、完全オーダーは費用が高額になりやすく、大工さんに棚を作ってもらう場合と同じくらいのコストがかかるケースもあります。
そのため、高額な費用がかかったとしても、デザインや素材を優先してこだわりたい方に向いています。
セミオーダー家具を購入する
既製品とオーダー家具の中間にあたるのが、セミオーダー家具です。
基本のデザインやサイズは決まっていますが、棚板の数や奥行き、カラーなどを調整できるため、既製品よりも柔軟に対応できます。
費用はフルオーダーに比べて抑えられているものの、一定の自由度を確保できるのが大きな特徴です。
大工さんに棚を作ってもらうよりも工期やコストの負担が少なく、空間にある程度フィットさせたい方に向いている選択肢だといえます。
大工さんによる造作費用
大工さんに棚を作ってもらう場合、費用はサイズや構造によって大きく変動します。
たとえば、小さな飾り棚と、壁一面を覆うような本棚とでは、材料費・施工時間・仕上げの工程が異なるため、同じ「棚づくり」でも費用感は大きく異なります。
ここでは、代表的な棚の種類ごとに、大工さんに棚を作ってもらう費用目安を確認していきましょう。
小さめの棚
大工さんに棚を作ってもらうにあたって、幅1m前後のシンプルな壁付け棚の場合は、費用の目安は2万円〜5万円程度です。
材料費を含んでこの価格帯で収まることが多く、取り付けも比較的簡単な造作で済みます。ちょっとした収納スペースを増やしたいときや、飾り棚として利用したいときに向いています。
ただし、壁の補強が必要だったり、見た目にこだわった仕上げを選んだりすると追加費用が発生することもあります。
壁一面の本棚・壁面収納棚
大工さんに、壁一面を覆うような本棚・壁面収納を作ってもらう場合、費用は10万円〜30万円程度がボリュームゾーンです。
奥行きの深さや棚板の枚数、可動式か固定式かなどの仕様によって、金額は上下します。
空間に合わせて設計するため無駄なく収納できますが、既製品よりも高額になるケースが多いです。
特に、リビングや書斎で大容量収納を求める方にとっては、費用と機能性のバランスをどう考えるかがポイントになります。
大型の収納棚
オーダーメイドの大型収納や建具を含む造作家具になると、大工さんに作ってもらう費用は30万円〜100万円以上に及ぶこともあります。
材質に無垢材を使うのか合板にするのか、塗装の仕上げをどうするか、デザインをどこまで細かくこだわるかなどによって、費用に大きな差が出ます。
また、壁や天井と一体化させる造作は見た目に美しく高級感もありますが、その分工期や施工技術が必要となり、費用も高額になります。
長期的に住まいに馴染む収納を求める方にとっては理想的ですが、投資額が大きいため慎重に検討する必要があるでしょう。
大工さんが造作する際の価格に影響するポイント
大工さんに棚を作ってもらう費用は、主に以下のポイントによって変動します。
- 素材:無垢材か合板かで価格が大きく変わる。
- 施工内容:可動棚や扉付きなど、工数が増えるほど費用も上がる。
- サイズ:小さな飾り棚と壁一面の収納では、材料費や施工時間に大きな差が出る。
- 仕上げ:塗装や面材の種類によって金額が変動。
- 現場条件:搬入経路や作業スペースの有無なども見積もりに影響。
これらの要素を理解しておくことで、予算の想定がしやすくなり、追加費用を避けやすくなるでしょう。
可動式の棚を造作する費用
大工さんに棚を作ってもらう場合、棚板を動かせる「可動式」にするかどうかで費用も変わってきます。
可動棚は高さなどを調整できるため利便性が高い一方、ダボ穴の加工や金具の取り付けなど追加の工程が必要になるため、固定棚に比べて費用が高くなることがあります。
目安としては、小さな可動式の収納棚で5万円〜8万円程度、壁一面を覆う本棚に可動棚を採用すると20万円〜50万円前後がボリュームゾーンになります。
棚板の枚数が増えるほど施工コストも上がりやすいため、必要な段数や強度を考慮して設計することが大切です。
大工さんに棚を作ってもらう際、利便性を重視するなら可動式は有力な選択肢ですが、固定棚よりも費用負担が増える点はあらかじめ把握しておくと安心です。
壁面収納家具の購入費
大工さんに棚を作ってもらう造作工事と比べると、壁面収納家具をオーダー加工して購入する方が費用を抑えられるケースがあります。
既製品をベースにサイズ調整や加工を施すため、完全造作よりも設計や施工の手間が少なく、その分コストを抑えやすいのが特徴です。
特に、大型の棚や壁一面の収納を希望する場合でも、家具を選びつつ必要に応じてオーダー加工する方法なら、造作工事よりもリーズナブルに導入できます。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_766/
壁面収納家具の価格に影響するポイント
壁面収納家具の価格は、サイズ・素材・仕様といった要素によって大きく左右されます。
たとえば、高さや幅が大きくなればその分材料費や加工費が増えるため、全体の費用も上がります。
また、素材を無垢材にするか、合板や突板にするかでも価格差が出やすく、無垢材は高級感がある一方で費用は高額になりがちです。
さらに、扉を付けるかどうか、背板を付けるかどうかといった仕様の違いでも価格は変動します。
こうした条件の組み合わせ次第で、同じ壁面収納でも数万円単位の費用差が生じることが珍しくありません。
壁面収納家具の価格の例
壁面収納家具の例として、マルゲリータの「Shelf 壁一面の本棚」の価格帯を確認してみましょう。

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たとえば 奥行180mmタイプでは、漫画や文庫本の収納に特化した薄型設計で、既製品はサイズによって96,800円〜140,800円(税込)の展開です。
床から天井までを活かしながらも省スペースで収まるため、書斎やリビングの限られたスペースにも適しています。
一方で、美術全集や大型書籍も収納できる奥行350mmタイプは、既製品として140,800円〜184,800円(税込)の価格帯で展開されています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/shelf/slf-ar-2400-2400-ex-counter-2-223.html
さらに開口部付きやカウンター付きなどの仕様を選ぶと、20万円台〜30万円台に広がり、デザイン性や使い勝手を高められます。
既製サイズが複数用意されているほか、天井高や梁の位置に合わせたオーダー加工にも対応しています。
そのため、「置くだけ」で大工さんに棚を作ってもらうのと同等の、造作家具のような仕上がりを実現できます。
オーダー加工の例
マルゲリータの「Shelf 壁一面の本棚」シリーズは、既製サイズだけでなく、お部屋の条件や用途に合わせたオーダー加工にも対応しています。
大工さんに棚を作ってもらう場合と比べて、工事などを伴わず手軽に設置できるのが大きな魅力です。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/shelf/customorder.html
たとえば、コマの調整による開口部の追加では、収納の一部をあえて空けることでテレビ台や飾り棚などとして活用でき、デザイン性と機能性を両立させられます。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/shelf/customorder.html
また、勾配壁への対応加工では、天井の傾斜に合わせて棚をカットし、梁や斜めの壁にもフィットする仕上がりにできます。
その結果、空間に無駄を残さず、造作家具に匹敵する美しい壁面収納を実現できます。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/shelf/customorder.html
さらに、複数台の壁面収納を連結させる加工を施すことで、部屋の角にもぴったり収まり、連続性のある一体型の収納空間をつくり出すことが可能です。
このようなオーダー加工を活用すれば、既製家具のリーズナブルさと利便性を保ちながら、造作家具さながらの自由度と仕上がりを手に入れることができるでしょう。
壁面収納家具のオーダー設置事例
ここでは、マルゲリータの「Shelf」シリーズを使った壁面収納家具のオーダー設置事例を6つご紹介します。
空間のサイズや用途に合わせた工夫が反映された事例ばかりなので、ご自身の住まいに取り入れる際の参考にしてみてください。
壁面収納家具のオーダー設置事例①
こちらの事例では、チェリストの方の自宅音楽室に「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を設置し、開口部を設けるなどのオーダー加工を施しています。
さらに、本棚の横板のピッチに合わせて「Piano A3書類棚」を楽譜棚として並べ、一体感のある収納空間を実現しました。

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本棚は縦方向の収納を基本としながら、横3コマ分の開口部を設け、そこにオーディオ機器を配置しました。
また、窓下の腰壁に合わせて延長された棚を組み込むことで、部屋の形状にもフィットする仕上がりとなりました。
壁面収納家具のオーダー設置事例②
こちらの事例では、リビングの壁一面に「Shelf 開口部のある本棚」と「Shelf カウンター付き本棚」を設置し、オーダー加工によって空間に合わせた仕上がりを実現しています。

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本棚の一部をカット加工することで、テレビやディスプレイを収める開口部を確保し、さらにカウンター部分はデスクとしても活用できるように調整されています。
既製品をベースにしながらも、加工を組み合わせることで造作家具のような一体感のある壁面収納が完成しました。
壁面収納家具のオーダー設置事例③
こちらの事例では、ロフト空間の壁一面に「Shelf 壁一面の本棚 奥250mm」を設置し、天井の高さに合わせて本棚をカット加工するオーダーを行っています。

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縦4コマ×横11コマが連続する大きな本棚を組み合わせることで、限られた高さのロフトでも床から天井まで無駄なく収納を確保しました。
最下段には棚板を設けず有効高を広げ、大型の書籍やファイルを床に滑らせて出し入れできる仕様になっています。
空間の形状に合わせた加工により、ロフト全体を有効に活用でき、収納とデザインの両立を実現した事例といえるでしょう。
壁面収納家具のオーダー設置事例④
こちらの事例では、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」と「Shelf 開口部のある本棚」を組み合わせ、奥行を400mmにカスタマイズしています。
これは、ターンテーブルやオーディオ機器を置けるよう設計された特別仕様です。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_681/
中央には4コマ分の大きな開口部を設け、そのスペースにミキサーと2台のアナログプレーヤーを設置しています。
両側には大量のレコードを収納できるタワー型の本棚が立ち上がり、安定感と収納力を兼ね備えた構成になっています。
オーディオ機器の使いやすさと収納家具としての剛性を両立させた、機能的なオーダー事例といえるでしょう。
壁面収納家具のオーダー設置事例⑤
こちらの事例では、鉄骨造の住まいをリノベーションする際に、階段室の吹き抜け壁面にオーダー加工した「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」を設置しています。
上下階にわたって延長され、一部にはカウンターを組み込み、ワークスペースとしても活用できるよう工夫されています。

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施工は、既存の階段を取り外してから本棚を設置し、その後に階段を再構築するという手順で進められました。
これにより、吹き抜け全体を覆う圧巻の本棚が実現し、住まい全体に知的でアカデミックな雰囲気を演出しています。
壁面収納家具のオーダー設置事例⑥
こちらの事例では、設計事務所のワークスペースに、オーダー加工によって寸法を調整した「Shelf カウンター付き本棚」を導入しています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_842/
本棚のセルには収納物に合わせた引き出しを設置し、サイズの異なるサンプルや資料を使いやすく分類できる構成になっています。
さらに、専用のトレーやファイルスタンドも取り入れることで、布地やシート類などの細かな素材も見やすく収納できるようになっています。
カウンター下にはキャスター付き収納カートを複数台収め、必要に応じて移動可能なワークスペースを実現しました。
まとめ
今回は、大工さんに棚を作ってもらう場合の造作費用や、壁面収納家具を購入・オーダー加工する場合の価格感、さらに実際の設置事例についてご紹介しました。
大工さんに棚を作ってもらう費用は、棚のサイズや仕様によって大きく変動し、簡易な壁付け棚から大型の造作家具まで幅広い選択肢があります。
一方で、壁面収納家具を活用すれば、既製品にオーダー加工を加えることで、造作工事に近い仕上がりをより抑えた費用で実現できるケースもあります。
さらに、今回取り上げた事例のように、オーダー加工や設置環境に合わせた工夫を加えれば、住まいやオフィスにぴったりと収まる収納を実現できます。
今回ご紹介した内容を参考に、ご自身の空間やライフスタイルに合った方法を検討してみてください。
マルゲリータの公式サイトでは、壁面収納家具をはじめ、多彩なカスタマイズ例やおしゃれなインテリアを多数ラインナップしています。既製家具で空間を有効活用したい方は、ぜひチェックしてみてください。