「壁面収納」は、限られた空間を効率よく使いたいときに非常に便利な存在です。
壁一面を使ってたっぷりと収納できるうえ、整然とした見た目でインテリアの印象も引き締まり、リビングや書斎、寝室などさまざまな空間で重宝します。
一方で、「配置が固定されて模様替えしづらい」「壁に傷がつく」「圧迫感がある」など、実際に設置してみて気づくデメリットもあるため、慎重な検討が必要です。
そこでこの記事では、壁面収納の基本スタイルやメリット・デメリットを整理しつつ、壁を傷つけずに設置する方法や、おしゃれで実用的な実例までを幅広くご紹介します。
壁面収納を取り入れたいけれど迷っているという方は、ぜひ参考にしてください。
壁面収納とは
壁面収納とは、床から天井までの壁一面を使って、収納スペースを効率的に確保する収納スタイルです。
収納棚やキャビネット、オープンラックなどのアイテムを組み合わせ、空間や用途、周囲のインテリアに合わせて自由にカスタマイズできます。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_930/
たとえば、リビングでは本や雑貨、テレビまわりの機器をすっきりまとめられ、書斎や寝室ではワークスペースや趣味の収納としても活用されます。
収納量が多く、生活感を抑えながら空間に統一感を持たせられる点で、デザイン性と機能性を兼ね備えた収納方法として人気を集めています。
壁面収納のスタイル
壁面収納には、用途や好みに応じてさまざまなスタイルがあります。
ここでは、代表的な3種類の壁面収納のスタイルについて、詳細を確認していきましょう。
キャビネット(扉付き)タイプ
扉が付いているキャビネットタイプは、収納物を見せずにすっきりとまとめたいときに最適なスタイルの壁面収納です。
生活感を隠せるため、リビングやキッチンなど人目に触れやすい場所に向いていて、ホコリを避けたい日用品や食器の収納にも重宝します。

出典:ニトリ公式サイト
たとえば、ニトリのこちらのキャビネットは、リビング用・キッチン用ともに使いやすい設計になっていて便利です。
シンプルな木目調の扉は、幅広いテイストの空間になじみやすく、収納力とデザイン性を両立しています。
オープンラック
オープンラックタイプは、収納物をあえて見せることで空間のアクセントになるスタイルの壁面収納です。
お気に入りの本や雑貨、観葉植物などを飾りながら収納できるため、インテリア性を重視したい方に人気があります。
また、収納ボックスや引き出しなどと組み合わせることで、「見せる収納」と「見せない収納」を同居させることも可能です。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_841/
たとえば、マルゲリータの「Shelf 壁一面の本棚」は、背板のないシンプルな構造で、壁との一体感がありながら圧迫感が少ない壁面収納です。
奥行きが180mm・250mm、350mmから選べ、空間に応じてサイズや形状のオーダー加工も可能なので、リビングや書斎にジャストサイズな壁面収納を実現できます。
突っ張り式ウォールラック
突っ張り式のウォールラックは、壁に穴を開けずに安定して設置できる壁面収納です。
賃貸住宅や、模様替え・移動を前提とした使い方にも適しており、気軽に壁面収納を取り入れたい方によく選ばれます。

出典:dinos公式サイト
たとえば、dinosの「シェルフラック」は、床から天井までの空間を無駄なく使える突っ張り式の壁面収納です。
省スペース性に優れており、書斎や廊下、ウォークインクローゼットなど、限られたスペースにもすっきり設置できます。
壁面収納のメリット・デメリット
壁面収納は、収納力や見た目の美しさなど多くの魅力を持つ一方で、設置や使い方によってはデメリットを感じることもあります。
ここでは、導入前に知っておきたい主なメリット・デメリットを整理してご紹介します。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_948/
メリット① 省スペースで収納力が大幅にアップする
壁面収納の最大のメリットは、垂直方向の空間を活用できる点です。
床に家具を並べるとどうしても圧迫感が出やすくなりますが、壁に沿って収納をまとめることで、床面を広く保ちながら収納量を大幅にアップできます。
特にワンルームや狭小住宅など、スペースに限りがある住まいでは、その恩恵を大きく感じられるでしょう。
メリット② おしゃれな見た目でインテリア性を高められる
壁一面を整然と活用することで、空間に統一感や奥行きが生まれ、インテリア全体の印象を洗練されたものに変えてくれます。
たとえば、お気に入りの本や雑貨、観葉植物などを並べれば、壁がディスプレイとしても機能し、自分らしい空間づくりにもつながります。
オープンラックや素材の選び方次第で、ナチュラルにもモダンにも幅広いインテリアになじむ点も魅力です。
デメリット① 転倒防止のために壁に穴をあけることに
壁面収納は高さや重量がある分、安全のために壁への固定が必要となり、設置時に壁に穴を開ける必要が生じることが多いです。
特に賃貸住宅の場合は、退去時の原状回復のために、この点が大きなネックになることもあります。
壁に穴をあけずに安定性を高めるには、後述するつっぱり棒やフィラー板などの対策が効果的です。
また、大型の壁面収納は、一度設置すると配置を変えるのが難しく、模様替えや引っ越し時の自由度が下がるといった課題もあります。
そのため、より自由度高く壁面収納を活用したい場合は、解体・分解できるタイプのものなどを選ぶとよいでしょう。
デメリット② 使い方次第で「圧迫感」を感じることも
壁面収納は収納力が高い反面、奥行きや高さのバランス、扉の有無などの選択を誤ると、かえって空間に圧迫感を与えてしまう可能性があります。
特に、壁一面を天井まで覆うような収納は、部屋を狭く感じさせたり、採光を遮ってしまったりする場合もあるため注意が必要です。
壁面収納の圧迫感を抑えたい場合は、扉のないオープンラックを採用したり、見せる収納と見せない収納を組み合わせたりするとよいでしょう。
また、色味や素材、抜け感のあるデザインのものを選べば、圧迫感を軽減しながら快適な空間を保つことにつながります。
壁面収納の設置で壁に穴をあけない方法
「壁に穴をあけたくない」「賃貸でも安心して使いたい」――そんな方におすすめなのが、壁に傷をつけずに棚を安定させられる固定方法です。
ここでは、壁面収納をスマートに設置できる代表的な2つの方法「つっぱり棒」と「フィラー板」についてご紹介します。
つっぱり棒
つっぱり棒は、天井と床の間にポールやフレームを突っ張ることで、収納棚を壁面に固定する方式です。
壁にビス止めせずに設置できるため、賃貸住宅でも安心して取り入れられ、多くの家庭で利用されています。

収納棚本体に対応したつっぱりユニットを組み合わせることで、地震時の転倒リスクを抑えつつ、大容量の収納棚を安定して支えられます。
また、設置や取り外しが比較的簡単で、レイアウト変更や引っ越し時にも対応しやすいのも利点です。
ただし、設置場所の天井と床にある程度の強度が必要であり、床の傾きや天井の高さにばらつきがある場合は、製品選びや調整に注意しなければなりません。
信頼できるメーカーの製品を選ぶことで、より安全性の高い設置が可能になります。
フィラー板
フィラー板とは、壁面収納と天井の間の隙間をぴったりと埋めるために使われる専用の板材です。
収納棚の上部に取り付けることで、天井との隙間がなくなるため、壁に穴をあけることなくしっかりと棚を安定させられます。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_554/
天井までぴったり設置されることで地震などの揺れにも強く、倒れにくいという安心感が得られます。
また、フィラー板は棚本体と同素材・同色で作られていることが多く、見た目にも違和感がなく、すっきりとした印象に仕上がるのもメリットです。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_554/
さらに、設置スペースに合わせてサイズオーダーできるタイプであれば、天井高の違いがある空間でも柔軟に対応できます。
リビングや書斎、寝室など、さまざまな空間でスマートに壁面収納を設置したい方にとって、非常に有効な選択肢といえるでしょう。
収納が少ない家でもアイデア次第で壁面収納が大活躍
収納スペースが限られている住まいでも、壁面をうまく活用すれば、驚くほど効率よく収納力を確保できます。
ここでは、実際の活用アイデアを通じて、壁面収納の可能性をご紹介します。
リビングの壁面収納活用アイデア
リビングは家族が集まる共有空間でありながら、テレビまわりや書籍、雑貨などで物があふれやすい場所でもあるため、収納力と見た目のバランスが重要になります。
壁面を活用することで、床面をすっきり保ちつつ、空間に統一感のある収納が可能になります。

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こちらの事例では、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」と「Shelf 開口部のある本棚」を並べて配置し、テレビやAV機器、本、雑貨などをまとめて美しく収納しています。
天井までの高さを活かした設計ながら、背板のないオープンラックかつ、適度に余白を設けたレイアウトにより、圧迫感を感じさせない仕上がりになっています。
そしてこちらの事例では、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を梁に合わせて加工し、まるで造作家具のようにリビングの壁面全体に美しく納めています。

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本棚はご夫婦のワークスペースも兼ねており、カウンター部分にモニターをすっきりと収納しました。
さらに「本棚の中の棚」を使うことで、大量のコミックや文庫本も整然と収まり、収納力と機能性を両立した空間に仕上がっています。
書斎の壁面収納アイデア
書斎では、限られたスペースの中で本や資料を整理しながら、集中できる環境を整えることが求められます。
壁面を活用した本棚は、省スペースかつ視覚的にも美しく、作業効率とインテリア性を兼ね備えた空間づくりに役立ちます。

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こちらの事例では、「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」を2台並べて設置し、ワークデスクとL字型に配置しています。
壁一面に整然と並ぶグリッド状の本棚が、窓外に見える相模湾の景色と調和し、落ち着きのある空間を引き締めています。
本棚は梁下にぴったりと収まるように設置され、左右の余白にはコンセントやカーテンスペースが確保されています。
室内の採光や色合いにも配慮された構成で、機能性と快適性が両立した理想的なワークスペースとなっています。
寝室の壁面収納アイデア
寝室は、1日の終わりを静かに過ごす空間だからこそ、落ち着いた収納と使い勝手のよい設えが求められます。
本棚やデスクを壁面にまとめることで、限られたスペースでも快適な空間を実現できます。

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こちらの事例では、「壁一面のA5判本棚 奥行180mm」を3台連結し、その中央に開口部を設けて、デスクを差し込むように設置しました。
左右の本棚に加え、上部にも棚を渡す門型の構成により、空間に包まれるような安心感と、機能的な収納性を両立しています。
さらに、本棚全体の剛性を高めるために、下部にも補強材をボルトで固定し、安定感のあるロの字型構成が採用されています。
奥行きが浅く圧迫感の少ない設計により、寝室の一角でもすっきりとした印象のまま、おしゃれで使い勝手のよい壁面収納が実現されています。
壁面収納のアイデア実例10選
ここでは、実際の設置事例をもとに、壁面収納を効果的に取り入れた10のアイデアをご紹介します。
空間の広さや用途に合わせた工夫が詰まった事例ばかりなので、ご自宅に取り入れる際の参考にしてみてください。
壁面収納のアイデア実例① 壁面を埋め尽くすコミック本全集
こちらの事例では、「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」をリビングダイニングの壁一面に設置し、コミック全集を壮観に並べています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_603/
最上段にはLPレコードジャケットを水平にディスプレイし、空間全体に個性とアート性をプラスしました。
小物類は小箱にまとめて目隠し収納されており、見せる収納と隠す収納のバランスも見事です。
壁面収納のアイデア実例② リビング学習と家族で使う壁面収納
こちらの事例では、「Shelf カウンター付き本棚」と「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」をリビングの壁一面に設置し、家族で共有できる学習&収納スペースにしています。

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カウンターはお子様の学習机として、低い位置には絵本や工作、高い位置にはご両親の書籍を整理して配置しました。
縫いぐるみや飾り棚もレイアウトされ、勉強・収納・ディスプレイを柔軟に融合した、子どもの成長に合わせて使い方を更新できるアイデア溢れる壁面収納です。
壁面収納のアイデア実例③ 広い書斎の壁面をコンパクトに纏める
こちらの事例では、「Shelf 壁一面のA5判本棚 奥行180mm」と「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」をコーナー部材でL字型に連結し、書斎の壁面を効率的に活用しています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_918/
奥行きに応じて単行本やA4ファイルを分けて収納しつつ、専用の引き出し収納も組み合わせて整理性を向上させました。
壁沿いに収納をまとめることで室内中央のスペースが広がり、書斎全体がすっきりと落ち着いた印象に仕上がっています。
壁面収納のアイデア実例④ コミック本全集で壁面を覆う
こちらの事例では、「Shelf 壁一面の本棚 A5タイプ 奥行180mm」を横3コマ・横5コマで組み合わせ、壁一面を美しく整えた本棚専用の部屋に仕上げました。
フィラー板で天井まで納めた、まるで最初からそこにあったかのような仕上がりが印象的です。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_643/
コミック本全集を整然と並べることで、背表紙が連続したアートのような壁面になっています。
大人買いしたコミックを魅せながら収納する、趣味と実用を兼ねた空間づくりの好例です。
壁面収納のアイデア実例⑤ DJブースを包み込む壁面収納
こちらの事例では、「Shelf 開口部のある本棚」をリビングの壁面に設置し、開口部を活用してDJブースを組み込んでいます。

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ターンテーブルやミキサーがぴったり収まり、上段にはレコード収納、さらに上部にはプロジェクターを設置しています。
音楽と映像を楽しむ趣味空間としての機能と、インテリアとしての美しさを兼ね備えた、趣味と暮らしが共存する壁面収納が実現しました。
壁面収納のアイデア実例⑥ 吹き抜けの天井まで届く壁面収納
こちらの事例では、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を上下連結させ、ロフト付き書斎の吹き抜け壁面に、天井まで届くように設置しています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_341/
通常の家具では難しい高さまで本棚が連続することで、空間全体が書斎として包み込まれるような印象になりました。
視線や立ち位置によって見え方が変わり、機能性と迫力を兼ね備えたダイナミックな壁面収納に仕上がっています。
壁面収納のアイデア実例⑦ バーカウンターのある室内
こちらの事例では、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」と「Shelf スリム本棚」を組み合わせ、8列におよぶ壁面収納をバー空間の一角に設置しています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_960/
お酒のディスプレイや猫のキャットステップも組み込まれ、趣味性と機能性を兼ねた空間に仕上げています。
仕切り板や補強材がアクセントとなり、上質なプライベートバーを演出する、こだわりの壁面収納に仕上がりました。
壁面収納のアイデア実例⑧ ご夫婦の寝室の壁面収納に
こちらの事例では、「Shelf 壁一面の本棚 奥行350mm」を寝室の壁一面に設置し、ご夫婦の共有書籍や日用品をすっきりと収納しています。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_610/
最上段には白いボックスファイル、最下段にはファイルボックスを配置し、見せる収納と隠す収納を巧みに使い分けています。
ワークデスクとベッドが絶妙な距離感で配置され、デュアルモニターも視界に配慮して設置し、実用性と美しさを共存させることに成功しています。
壁面収納のアイデア実例⑨ キッチンをL字型の壁面収納に
こちらの事例では、「Shelf 壁一面の本棚 奥行250mm」と「Shelf 壁一面のコミック本棚 奥行180mm」をコーナー部材でL字型に連結し、キッチンカウンターを囲むように設置しました。

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_727/
食器棚替わりになった本棚には、洋酒や全集コミックが整然と並び、収納とディスプレイを兼ねた美しい空間に仕上がっています。
エスプレッソマシンや雑貨もぴったり配置され、趣味と機能性が共存する、唯一無二のキッチン壁面収納が実現しています。
壁面収納のアイデア実例⑩ 壁面収納でコンパクトに纏める

出典:マルゲリータ公式サイト https://www.margherita.jp/user/file_579/
こちらの事例では、「Shelf 開口部のある本棚」を中心に、リビングダイニングの一面に壁面収納を構成しています。
大型TVやAV機器、本、小物類をひとつの壁面にまとめ、すっきりとした空間を実現しています。
給気口を避ける加工や、剛性を高める工夫も施され、使い勝手と美しさを両立した壁面収納の好例だといえます。
まとめ
今回は、「収納アイデア実例」をテーマに、収納のコツや考え方、そしてマルゲリータの収納家具を活用した10の実例についてご紹介しました。
収納は、単なる片付けではなく、空間の使い方や暮らし方を反映する“住まいの工夫”です。
棚の奥行きや高さを活かしたり、窓や壁面とのバランスを考えたりすることで、より快適でおしゃれな空間を実現できます。
今回の実例を参考にしながら、自分らしい収納スタイルを見つけ、日々の暮らしをより快適に整えていきましょう。
マルゲリータの公式サイトでは、記事の中でご紹介した壁面収納以外にも、色々な種類のおしゃれ家具が多数ラインナップされています。お客様の使用実例も多数掲載されているので、おしゃれで実用的な収納家具の購入を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。